自分と向き合うのに私がジムをお勧めする理由

今だから素直に言える。留学を始めた1年目は辛かった。

今だから素直に言える。留学を始めた1年目は辛かった。

1年目の私は、四年制留学ということもあり「自分はここで上手くやっていくんだ、勉強と課外活動を両立するんだ」などと、物凄く気負っていた。

もちろん、費用等を考えて今でも同じことを思う部分はあるが、一年次の私は背中に岩を積んでいるようだった。

しかし慣れない環境、言語、コミュニケーション文化の中で全てトントン拍子に行くわけもない。今まで温室の中で育ち失敗という失敗もしてこなかったが、環境が変わったことで自分の中に築かれた"こうやれば上手くいく""こうやれば合格する"メソッドは徹底的に打ち砕かれた。

何かに挑戦してみては結果が得られず、むしろ何も上手くいかなかった印象しかない。

そんなわけで一年次の後期は、いわゆる"メンブレ"状態だった。

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運動は好きではなく、ジムに行く余裕もなかったので、私は甘いものを食べることでストレス解消をしようとした。

しかし糖分は一瞬気持ちを楽にしてくれるだけであり、すぐに私は虚無感や罪悪感に襲われまた食べるという、まさに負のサイクルに陥った。

自分をコントロールできず、自分のいる環境も変えられないと言う無力感に苛まれ、そして不幸も続いた後期は今まで生きてきた中で一番辛かったと言っても過言ではない。

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その痛い経験を踏まえ、二年生になってからは心身ともに健康的な生活をしようと決めた。授業のコマ数を減らしてジムに行く時間を作り、ジムのクラスパスを買った。

お金を払っているという意識をすることで自分をジムに行かせるためだった。

様々なクラスを試した中で、音楽に合わせて室内でサイクリングをするクラスが気に入ったので、そのクラスだけはきちんと毎週出ることにした。

最初は一時間のクラスを終えるのに一苦労だったが、インストラクターの声がけもあり、少しずつ強度を増やしていけるようになった。キツい時には一年次後期の辛さを思い出して、「いや、あれよりは辛くない」と自分を奮い立たせた。

また、インストラクターが言う"You are stronger than you think!(君は自分が思っているよりも、強い!)" "You've got this!(できるじゃないか!)"という言葉にも励まされ、毎週ジムの教室を終えては「もう無理だと思ったけど、できた」と思えるようになった。

きっと日本にいる時の運動嫌いの自分ならすぐ諦めてしまっていたが、辛い思い出を違うベクトルに活かすことで、自分の限界を少しずつ引き伸ばしてく、運動の悦びのようなものを理解できるようになってきた。

光の変化と音楽が楽しめるクラス
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光の変化と音楽が楽しめるクラス

そして、運動を始めたことで以前より食生活に気をつかうようになった。もちろんドカ食いしてしまう時はまだあるが、もう負のサイクルには陥らなくなり、ストレスは運動できちんと発散できるようになった。

また、運動を始めて体力がつき始めたことで、山登りなどのアウトドアアクティビティに挑戦する気にもなった。ちなみに今は約二ヶ月後の大学内10キロマラソン大会に向けて練習中だ。

15kgはあるリュクを担いでの山道は想像以上に過酷だったが、いい思い出になった。
Shion Endo
15kgはあるリュクを担いでの山道は想像以上に過酷だったが、いい思い出になった。

私の生活は、ジムに通い出したからといって180度変わったわけではない。

何でも上手くいかなかった経験から、チャレンジすることを怖がっている自分がいる。それでも、今まで頭から「無理!」と思っていた運動の分野を開拓し始めたことで多少の変化は生まれた。

私は成績やコミュニケーション力といった、相対的で不確定な観点で自分の立ち位置を計ることが多い。

しかし、ジムのクラスは私に、確かな自分だけと向き合い、改善していく機会を与えてくれる。

毎週、日常の全てをクラスの外に置いて、自分と向き合い、前よりちょっとでも強くなることで、少しずつ自信につながっていけばいいと思っている。