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2014年10月08日 23時56分 JST | 更新 2014年10月08日 23時56分 JST

淘汰繰り返すネットメディア市場で、持続的成長を堅持する「Gawker Media」

「Gawker Media(ゴーカー・メディア)」が未だに成長を続けている。同メディアは、日本でもおなじみのLifehacker(ライフハッカー)、Gizmodo(ギズモード)、それにKotaku (コタク)などのブログを配信しているブログ・パブリッシャーである。

 「Gawker Media(ゴーカー・メディア)」が未だに成長を続けている。同メディアは、日本でもおなじみのLifehacker(ライフハッカー)、Gizmodo(ギズモード)、それにKotaku (コタク)などのブログを配信しているブログ・パブリッシャーである。

 Gawker Mediaを2002年に立ち上げ、今もオーナーであるNick Denton(ニック・デントン)氏が、社員に届ける月間ニューズレターの中で、同メディアが持続的成長を続けていることを誇らしげに伝えている。トップ3のオンライン・パブリッシャーの推移を示しながら、この6年の間、同メディアが絶えずトップの座を競ってきたことを誇示したのだ。

GMG:Gawker Media Group、 Huffpo:Huffington Post

 これはトラフィック量を比較したランキングであろう。ネットメディア事業は浮き沈みが激しく、最近では爆発的な勢いで成長するバイラルメディアが台頭するように、絶えず淘汰の波が押し寄せてくる。そうした中で、長い間にわたってトップの座を競い続けるのは、確かにすごい。

 Quantcastのトラフィック計測結果からも、月間ユニーク数が増え続けているのが分かる。最新調査データでは、米国で7100万人、グローバルで1億1350万人となっている。モバイルシフトも順調に進んでおり、トラフィックの2/3がスマホなどのモバイル端末からとなっている。

(ソース:Quantcast)

 Gawkerは現在、10近いブログを擁しているが、各ブログのユニーク数は次のようになっている。Gizmodo 、Lifehacker 、Gawker、それにスポーツブログのDeadspinは、いずれも米国だけの月間ユニーク数でも1000万人を超えている。

(ソース:Quantcast)

 同メディアは現在、フルタイムのスタッフを120人ほど抱えているが、年末までに150人に増える予定という。気になるのは売上である。Denton氏のニューズレターには次のような図が添えられていた。売上高の大半を占める広告売上高の推移である。週間広告売上高の累積の推移を、一昨年と昨年と今年について示している。今年は40週間までの広告売上高が描かれている。大雑把なグラフであるが、トラフィック増に合わせて広告売上高も順調に増えていることを言いたいようだ。

 米国のオンラインメディアの歴史の中で、こうしたブログ・パブリッシャーが成長しながら今も活躍しているのは興味深い。21世紀に入るまでは、オリジナルコンテンツを発信するオンライン・パブリッシシャーとしては、新聞社や雑誌社、TV局などの伝統マスメディアが主役であった。その流れを大きき変え始めたのが、ブログの出現であった。誰もが比較的容易にメディア発信者になれるようになり、個人ブログが雨後の筍のごとく生まれてきた。その中から、人気ブログも登場し、優れた職業ブロガーも現れてきた。

 一方で、マスメディア側からも動きが出てきた。何かと制約の多い伝統マスメディアから抜け出て、新しく、かつ自由な表現手法を求めてブログメディアに挑戦するレポーターが増えてきた。記者(ジャーナリスト)からブロガーへの転身が、一つのブームになってきた。

 こうした職業ブロガーやマスメディア出身ブロガーの受け皿となったのが、2000年代前半から次々と誕生してきた商業ブログ・パブリッシャー(ブログ・ネットワーク)であった。元フィナンシャル・タイムズ記者のDenton氏がGawker Mediaを立ち上げたのは2002年であった。その後に登場したWeblogs(2003年)、Techcrunch(2005年)、Mashable(2005年)、Huffington Post(2005年)、Gigaom(2006年)などとともに、激動のネットメディア市場で勝ち残ってきたのである。

◇参考

Denton: 'no other company has grown more consistently' than Gawker Media(Poynter.)

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2014年10月8日「メディア・パブ」より転載)