米国の若年層と高齢者、意外にも似通ったメディア接触を

米国の10代(15~24歳)と高齢者(55歳以上)は共に、毎日平均して今でも5時間以上もテレビを視聴している。社会活動多忙な25歳から55歳までの年齢層では毎日のテレビ視聴時間が平均して5時間を大きく割っているのに対し、高齢者だけでなくて若年層もテレビ離れが意外と進んでいないようだ。

米国の10代(15~24歳)と高齢者(55歳以上)は共に、毎日平均して今でも5時間以上もテレビを視聴している。社会活動多忙な25歳から55歳までの年齢層では毎日のテレビ視聴時間が平均して5時間を大きく割っているのに対し、高齢者だけでなくて若年層もテレビ離れが意外と進んでいないようだ。

アメリカ労働統計局(the US Bureau of Labor Statistics)は毎年、米国人がどのように日常生活を過ごしているかを調査している。年齢層によって、性別によって、あるいは就業状況によって、米国人が一日中どのような行動をとっているかを秒刻みで追っている。テレビ視聴も調査対象になっており、平均のテレビ視聴時間は10代(15~19歳)が5時間37分、20代前半(20~24歳)が5時間13分で、高齢者(55~64歳)の5時間42分とほぼ同じであった。一方、25~34歳は4時間18分、35~44歳は4時間7分、45~54歳は4時間39分と視聴時間が短くなっていた。他にやるべきことが多くテレビなんか視聴してられないのかもしれないが、一方で若年層はなぜテレビをよく見ているのだろうか。所得が少ないので、タダで視聴できるテレビを楽しんでいるということかな。

この労働統計局の調査データは、マーケッターにとって貴重な情報を提供している。このデータを使って可視化したグラフを、retale.comが公開してくれているが、対話形式でとても便利である。指定したデモグラフィック属性の米国人が、どの時間帯でどのような行動を取っているかが一目瞭然に把握できる対話型グラフである。8種類の年齢層、就業状況(従業員/フルタイム従業員/非従業員)、性別(男/女)、日(平日/週末・祝日)から属性を一つ選べば、その属性の米国人の何割が何時どのような行動をとっているかが分かるのだ。行動としては、睡眠中、飲食中、買い物中、家事中、就業中、学習中、ソーシャル活動中、テレビ視聴中などが示されている。

例えば10代(15~19歳)の若年層を選ぶと、次のようなグラフが表示された。昼間はさすがに学習時間が多く占めているが、カーソルで指示すれば夜のプライムタイムに20%以上の人がテレビを視聴していることが分かる。

高齢者(55~64歳)を選ぶと、昼間は就業したり家事を行っている人が多いが、夜になるとやはりテレビ視聴で時間を過ごす人がかなり増えてくる。

retale.comはまた、8種類の行動のそれぞれを、どのくらいの人数の米国人が現在実施しているかを、リアルタイムで示すグラフも以下のように提供している。

おそらく地域別(州別)のデータもあるはずなので、マーケティング活動には役に立ちそうだ。

◇参考

Busy States of America(retale.com)

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(2014年9月3日「メディア・パブ」より転載)

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