お気に入りのジャーナリストに購読料を払うニュースサイト

DNPはオランダのニュースサイトで、特徴はフリーランス・ジャーナリストのプラットフォームであることだ。そして注目すべきは、登録ジャーナリスト別にペイウォール(課金の壁)を設けたことである。つまり利用者は、お好みのジャーナリストのために、購読料を払うことになる。

課金の対象をサイト全体ではなくて、個別のジャーナリスト対応とするニュースサイトDNP(De Nieuwe Pers、The New Press)が登場してきた。

DNPはオランダのニュースサイトで、特徴はフリーランス・ジャーナリストのプラットフォームであることだ。そして注目すべきは、登録ジャーナリスト別にペイウォール(課金の壁)を設けたことである。つまり利用者は、お好みのジャーナリストのために、購読料を払うことになる。

DNPのトップページに飛んでみた(オランダ語のサイトだが、ここでは英語に翻訳したページを載せている)。最上部に"Follow your favorite journalist"とあり、お気に入りのジャーナリストの記事を月1.79ユーロ(約233円)で購読できることを案内している。 このページには、登録ジャーナリストから投稿された記事見出しなどが掲載されている。月4,49ユーロ(約584円)を払えば、登録ジャーナリスト全員の記事を購読できる。

登録ジャーナリスト一覧のページには、ジャーナリスト全員が個別に紹介されている。各ジャーナリストの過去記事一覧(見出しと前文)も見ることができる。

登録ジャーナリスト数は、3月の半ばにサイトをチェックした時には17人であったが、現在は23人に増えている。登録希望者が多いようで、審査待ちが続いているとのことである。現在の登録者のカバー分野も、政治、経済、技術から文学/旅行/アウトドア、スポーツ、音楽、ゲームと多彩である。戦争に絡む調査報道やアフリカやブラジルなどの世界各地の現地ニュースを伝えているジャーナリストもいる。

その中のAndrea Dijkstra氏の例を見てみる。文化人類学を専攻したフリーランス・ジャーナリストである。彼女は2011年6月からカメラマンと一緒にアフリカ各地を車で回り、戦争の背景や腐敗の実態、慈善活動などを伝えるニュースをプリントメディア、ラジオ、ビデオメディアなどを通して発信している。現在ウガンダに滞在しているが、次はルワンダとコンゴ民主共和国に向かうという。以下は、DNPサイト内の彼女のページである。

2013年内までは、各ジャーナリストには彼らのチャンネルへの購読料すべてを与えることになっているが、2014年からは購読料の25%を手数料としてDNPが徴収する予定だ。1か月前(4月初め)の成績であるが、有料購読者数が2000人であった。そのうちの40%が特定ジャーナリストの購読で、残りの60%は登録ジャーナリスト全員に対する購読であった。今後の展開が興味深い。

◇参考

(この記事は5月7日に「メディア・パブ」で公開された記事の転載です)

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