米英の有力パブリッシャー、なぜSnapchatの「Discovery」に飛びついたのか

Snapchatが先月末から、パブリッシャーがニュースやエンターテイメントコンテンツなどを提供できるサービスDiscoveryを開始した。

昨日(2月4日)の台湾機墜落のニュースでは、動画情報のインパクトの強烈さを印象付けた。一週間ほど前の1月27日から始まったSnapchatの「Discovery」サービスを見ていると、米国のCNNやYahoo! Newsもトップニュースで台湾機墜落ニュースを伝えていた。図1と図2で示したように、ともに見出しに、旅客機が高速路を横切って川に墜落する衝撃的な動画を背景にしていた。ループ動画の威力を見せ付けた。

Snapchat(スナップチャット)は開封後10秒以下で消える動画メッセージング・スマホアプリで、特に10代~20代の若者に人気が高く、月間ユニークユーザー数が1億人を超えていると言われている。そのSnapchatが先月末から、パブリッシャーがニュースやエンターテイメントコンテンツなどを提供できるサービスDiscoveryを開始した。コンテンツに短い動画を組み込めるのが売りであるが、パブリッシャーが投稿したコンテンツは24時間後には消えることになっている。サービス開始時には、パブリッシャー・パートナーとして次の11ブランドが参加した。

・CNN

・Cosmopolitan

・Daily Mail

・National Geographic

・ESPN

・Bleacher Report

・People

・Yahoo! News

・Vice

・Fusion

・Food Network

有力なメディアタイトルが並んでおり、Snapchat自身も含めて12ブランドでスタートしている。

試行錯誤の段階であるが、ほとんどのブランドは、自サイトから選んだ(キューレートした)記事を毎朝5~10本程度Snapchat版にして投稿している。24時間後に消えるので、毎朝、新しい記事を上げることになる。また各ブランドのコンテンツには広告が付くようになっている。すでに、CNNにはBMWが、CosmopolitanにはPinkとStarbucksとSperryが、 Daily MailにはT-MobileとStrideが、そしてESPNにはUniversal Picturesがスポンサーになることになっている。

ニュースやエンターテイメントコンテンツを提供するパブリッシャーからすれば、コンテンツに接する場として、フェイスブックなどのソーシャルメディアを重視するのは当然の流れとなっている。ネット世代の若者との接点が乏しかったメディアブランドにとっては、ソーシャルメディアを介して若い読者開拓が欠かせない。世界トップのオンライン新聞Daily Mailも、先ほど若い読者を獲得するためにバイラルメディア「Elite Daily」を買収したが、さらにもっと若いユーザーに接するためにSnapchat版にも手を出すようになった。

最後に、CNNとDaily Mailの動画コンテンツ例を掲げておく。

◇参考

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(2015年2月5日「メディア・パブ」より転載)

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