メディア接触が激変しているなか、メディア接触時間でデジタルメディアがTVを、モバイルデバイスがPCを追い抜く。eMarketerの調査によると、2013年の米国大人の1日当たりメディア接触時間でデジタルメディアが5時間を突破し、TV接触時間の4時間半を初めて追い抜く。またデジタルメディア接触の内訳でも、モバイルデバイス(非音声)が2時間21分となり、やはり初めてPC(デスクトップ/ラップトップ)の2時間19分を抜き去る。
主要メディアの接触時間とシェアの推移(2010年から2013年まで)は次の通り。
一日当たりのメディア接触時間が2010年の10時間46分間から2013年の11時間52分間と増え続けている。例えばタブレットを使いながらTVを視聴している場合、TV接触時間とモバイル接触時間の両方をダブルカウントしていることが響いている。さらにスマホなどの普及により、いつでもどこでもメディアに接触できる環境が整備されてきたことも大きい。ということは、まだメディア接触時間は増え続けるのではなかろうか。
特に、デジタルメディアの接触時間が2013年には5時間9分間とすごい勢いで成長しているのが目立つ。2010年の3時間14分から約2時間、2012年の4時間31分から約30分間も増えている。TVの視聴時間はそれほど減りもしていないのだが、一気にデジタルメディアに追い抜かれ、早くも30分以上も差を付けられているのだ。そのデジタルメディアの成長エンジンとなっているのが、モバイルデバイスである。デジタルメディアの接触時間の内訳を見ても、2013年のモバイルデバイス(非音声)の接触時間は2時間21分間と、2010年の約10倍、この1年間だけでも約1時間も驚異的に増えている。少し前までインターネット利用の中心であったオンライン(デスクトップやラップトップのPCが中心)のメディア接触時間もあまり減りもしてないのだが、2013年にモバイルデバイスにものすごい勢いで抜き去られることになる。
かつてのメディアキングであった新聞や雑誌のプリントメディアは悲惨だ。読者の紙離れが今も終わることなく続いている。2013年は新聞紙接触時間は18分間に、雑誌は14分間に落っこちた。
次にデジタルメディアのデバイス別に、利用サービス(ソーシャルネットワーキングとビデオ)の推移を見ていこう。
米国では、スマホと同様、タブレットの接触時間が急増している。スマホではソーシャルネットワーキングの利用時間が多いが、タブレットでは画面が大きいだけにビデオの利用時間も多い。ソーシャルネットワーキングの利用ではPCからスマホへ、ビデオの視聴ではPCからタブレットの流れが、本格化しそう。
最後にモバイルデバイス別のメディア接触時間のシェア推移を。先に触れたように、米国ではタブレットの活用が際立つ。フィーチャーフォンによる非音声サービスの利用時間は非常に少なく、多くのサービスがフィーチャーフォンを対象にしなくなりそう。
◇参考
(※この記事は8月2日の「メディア・パブ」より転載しました)