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サウジアラビアへの原発輸出がUAEへの輸出と異なる点とは

2013年05月02日 22時56分 JST | 更新 2013年09月22日 16時44分 JST

サウジアラビアを訪問中の安倍首相が、キング・アブドルアジズ大学で日本時間1日夕方に講演し、中東諸国への原発輸出など経済外交の推進を表明した。

外務省の資料によると、安倍首相は、アベノミクスに触れながら、日本の農業や医療技術をアピール。また、「資源の分野においてさえ、日本は、再生可能エネルギーや、世界一安全な、原子力発電の技術をご提供できます。」と演説した。日本時間1日の未明に行われたサルマン皇太子との会談でも、日本の原発輸出を可能にする原子力協定締結に向けて、事前協議を始めることで合意している。

サウジアラビアは日本にとって最大の原油供給国。原油があるはずなのに原発も必要だとする理由は、人口増加によるエネルギーの需要が増えていると言う点と、石油が大切な輸出商材であり、自国での消費をもったいないと考えているからのようだ。産経新聞は、下記のように報じている。

産油国のサウジも、外貨獲得手段となる石油資源を温存するため、計16基の原発を新設する計画。フランスや中国、韓国はすでにサウジと原子力協定を結んでおり、安倍政権は今回の合意を機に、一気に巻き返したい考えだ。

産經新聞 2013.5.1 21:03)

しかし、懸念されるのは、日本の輸出する原子力技術が、核兵器製造に使われないかという点である。

例えばアメリカは、米国原子力法(AEA)の123条に基づいてアラブ首長国連邦(UAE)と原子力協力協定を結んでいるが、これは、UAEが核燃料サイクルを実施しないことを法的義務として定めた内容になっているおり、アメリカは今後、他国に原子力技術を輸出する際には、これと同等の結ばなければならないとしている。

安倍首相は日本時間2日夜にはドバイでアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド副大統領兼首相とも会談し、原子力協定の締結について最終合意したが、アメリカとサウジアラビアがAEA123に基づいた協定を結んでいる以上、UAEに関しては各の平和利用が保たれると考えてよいだろう。

一方、サウジアラビアに関しては、アメリカもまだAEA123条に基づく原子力協力協定締結に向けた交渉すら始めていない。日本がどのような内容で原子力協力協定を結ぶのか、注意する必要があるだろう。