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護衛艦ひゅうがにオスプレイが着艦訓練、日米合同訓練の真意は

2013年06月23日 23時43分 JST | 更新 2013年06月24日 14時41分 JST
時事通信社

kyokasho

オスプレイ導入の本質は自衛隊の海外展開能力。そろそろ国民的議論が必要な時期に

新型輸送機オスプレイ運用をめぐる日米の動きが活発になってきている。米軍と海上自衛隊は6月14日、海上自衛隊の最新鋭護衛艦「ひゅうが」にオスプレイを着艦させる訓練を実施した。また前日の13日には米軍の強襲揚陸艦「ボノムリシャール」が母港の佐世保を出港し、普天間基地に所属する米海兵隊のオスプレイを初めて同艦に搭載して訓練を実施する。

現在米軍は、米国西海岸において6月11日から28日の日程で、日本、カナダ、ニュージーランドが参加する本格的な水陸両用作戦訓練「ドーンブリッツ2013」を開催している。

この中で日米両国は、米海兵隊の新型輸送機オスプレイを、同訓練に参加した海上自衛隊の最新鋭護衛艦「ひゅうが」に着艦させる訓練を実施した。

これは日米双方にとって大きな意味を持つ訓練である。日本の自衛隊が米国の安全保障の枠組みにおいて一体的に運用されていることは周知の事実である。だがこれまでの日本側の役割は、対潜哨戒業務などもっぱら防衛的なニュアンスの強いものが中心であった。日本の自衛隊は今のところ(一部の部隊を除いて)米国の海兵隊に相当する兵力はほとんど保有しておらず、地上部隊を他国へ派遣し上陸作戦などを敢行する能力は、米国側に依存している。

防衛省は2013年度予算にオスプレイの導入を前提とした調査研究費を要求しており、オスプレイ導入を本格的に検討している。また「ひゅうが」を中心に、ヘリ甲板を備えた大型の護衛艦の建造も進めている。この両者が一体になると、理論的には強襲揚陸艦としての能力を備えることになり、自衛隊による他国への部隊の派遣が可能となる(現実にそれを実施するにはいくつものステップが必要だが)。今回の訓練はその第一歩であり、米海兵隊も今回の着艦訓練を「歴史的な成果」と強調している。

日本ではオスプレイ配備について、もっぱら安全性と沖縄の負担という観点でのみ議論が行われている。もちろんこれらも非常に重要なテーマではあるが、オスプレイの導入は、米海兵隊が持つ機動力の質的転換と、自衛隊の海外展開能力保有という非常に重要な意味を持っている。

安倍首相は自衛隊の敵地攻撃能力について研究すべきとの発言をすでに行っており、政府与党内では具体的な議論が始まりつつある。米国が在日米軍の縮小に動いている中、日本が自衛隊の海外展開能力を検討することはある意味で自然の流れともいえる。

だが一方で、世界第3位の経済規模を持つ日本が、本格的な軍事力の海外展開能力を持つことになった場合、従来のような受け身の外交姿勢が許されなくなってくるのも事実だ。

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)問題では、日本は交渉受け入れの是非をめぐって右往左往する状態となった。だが他国に軍事力を行使できる突出した経済大国は、本来なら自らTPPのような枠組みを各国に提案し、消極的な国を説得するくらいの役割が求められるはずだ。

他国を攻撃できる軍事力は保有するが、経済、金融、外交のリーダーシップは引き受けたくないというわがままはおそらく通用しないだろう。

戦争行為とは経済、外交の延長であり、単純に武力を行使することだけの問題ではない。自衛隊が、現実に他国への侵攻を可能にする能力を持ちつつある今、日本は国際社会に対して本当にリーダーシップを発揮する覚悟があるのかどうか、真剣に議論すべき時が来ている。

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