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「世田谷ナンバー」は住民の意向無視 「ご当地ナンバー」承認差し止め求め提訴 その真意は?

2013年08月01日 20時14分 JST
時事通信社


東京都世田谷区と地元商工団体などが進める自動車のご当地ナンバー「世田谷ナンバー」導入を巡り、反対する区民らが1日、国を相手取り、世田谷ナンバーを承認しないよう求める訴訟を東京地裁に起こした。「賛成多数とする区民アンケートの対象は偏っており、住民の意向の無視だ」と主張。現行の品川ナンバーの方がブランド力が高いと、存続を訴えている。朝日新聞デジタルが伝えた。

時事通信によると、住民側は、承認されれば車両保有者の住所を知らせることになり、プライバシーや平穏な生活を奪われる危険性があると主張している。

原告側は訴状で「世田谷区は住民の約8割が賛成、としているが、アンケートの回答者の4割近くは免許を持たず、7割以上が60歳以上の高齢者で偏りがある」と指摘。さらに「現在の『品川』ナンバーから変われば住所が特定される恐れもある」などと主張している

提訴後に記者会見した原告の高木徹さん(46)は「世田谷ナンバーの車に乗っている人は住所を公表しながら走らなければならなくなる」と述べ、有名人やストーカー被害者などは望んでいないと批判した

■「ご当地ナンバー」とは何か

ご当地ナンバーは、自動車のナンバープレートを使って地域振興を求める自治体からの要望を受け、2006年度から全国18地域で導入された(「つくば」は07年2月導入)。

ご当地ナンバーを導入するためには、(1)全国的に知られた地域名、(2)地元の合意がある、(3)都道府県をまたがない隣接市町村、(4)合計の登録台数が10万台を超えている、などの条件がある。

車のナンバーの地域名は、国土交通省が管轄する自動車検査登録事務所の所在地で、府県名や、その地域の中心都市名がほとんどだ。全国を走り回る車のナンバーを「動く広告塔」と捉えた観光地を中心とした各自治体は、地域振興や知名度向上を目指して導入を求めてきた。車を買い替えなくても、ナンバーだけの交換も認められる。

発端は、1994年に神奈川県で誕生した湘南ナンバー。平塚市に湘南自動車検査登録事務所が新設されたために生まれた新ナンバーだったが、湘南の持つイメージから、全国から取得希望者が相次いだ。

(コトバンク「ご当地ナンバー」より)

現在導入されているご当地ナンバーは19。2006年度に「仙台」「会津」「那須」「高崎」「成田」「柏」「川越」「つくば」「諏訪」「金沢」「岡崎」「豊田」「一宮」「伊豆」「鈴鹿」「堺」「倉敷」「下関」の18ナンバーの交付を開始するとともに、2008年11月からは2つの県(山梨、静岡)にまたがる初めてのナンバーとなる「富士山」の交付を開始している

朝日新聞デジタルによると、ご当地ナンバーの募集は2006年に続き2度目。国交省は今月中にも採否を決める。自動車登録台数が都内23区で最多の約20万台に及ぶ「世田谷」のほか、「杉並」「平泉」(岩手)「飛鳥」(奈良)「奄美」(鹿児島)など8都県の11地域が立候補した。

■ 保坂展人世田谷区長「ナンバープレートに自治体名が記されるのは自然なこと」

世田谷区では、東京商工会議所世田谷支部、世田谷区商店街連合会、公益社団法人世田谷工業振興協会の3団体の呼びかけで「世田谷ナンバーを実現する会」が結成された。世田谷区は、「『世田谷ナンバー』導入により期待される効果」として、以下の点を主なものとして挙げている。

・ 世田谷の知名度が向上し、世田谷ブランドを全国に向けて発信することができます。

・ 知名度の向上により地域振興、産業活性化、観光振興につながります。

・「世田谷ナンバー」をつけることで地域に対する愛着心の醸成、さらには世田谷区民として誇りを高めることにつながります。


(世田谷区ホームページ「『世田谷ナンバー』を実現させよう!」より)

また、保坂展人世田谷区長も、ツイッターで世田谷ナンバー導入に意欲を示している。

■ 反対する住民「アンケートの取り直しを」

一方、世田谷ナンバーに反対する住民たちの間で「世田谷ナンバー新設を反対する会」が結成された。ホームページでは、反対する理由を以下のように述べている。

私たちは身近なところから民主主義を実践して行かなければ、この国を良い方向に変えて行く事等できないと思っています。品川ナンバーに価値を見いだし、愛着を感じている区民は沢山いるのです。また、世田谷というナンバーの自動車を走らせる事に不安を感じている人もいます。この人たちの意見や要望をきちんと聞いてください。
「世田谷ナンバー新設を反対する会」ホームページより)

また、「世田谷ナンバー新設を反対する会」のFacebookページでは、今回訴訟を起こした真意を次のように述べている。

私たち反対する会の中にも様々な意見が有りますが、訴訟にしてまで反対する理由は、アンケートの不透明さです。

無策抽出(原文ママ)という方法でアンケートを取った場合、回答者の割合が人口分布の正反対な割合になることは、通常はありえない割合なのです。専門家の方も「疑わしいレベル」とコメントされたように、アンケートの送り先を選んだ担当者でさえも首を傾げる現象が起きているのです。「この疑わしいレベル」のアンケート結果を8割の区民の賛成とするのはおかしくないでしょうか?この結果が捏造されたものだったら、民意はどこに有るのでしょうか!?

私たちは「アンケートの取り直しをお願いしているのです!」

その上で再度8割の区民が賛成であれば、世田谷ナンバーに反対等するつもりは有りません。

マスコミ報道は一部分だけを拾われて放映されるので正しく意見が伝わらないのですが、反対する本当の理由はここにあります。

もちろんプライバシーの侵害をとなえる方もいらっしゃいます。とはマスコミの方にお答えしていますが、それが理由でここまで反対している訳では有りません。

※「世田谷ナンバー」について、導入を進める世田谷区と反対する住民双方の見解について、みなさんのご意見をお寄せください。