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エジプト、文民統制と決別 軍、大統領への忠誠を誓う宣誓文を修正

2013年08月29日 20時44分 JST | 更新 2013年08月31日 01時19分 JST


エジプトのマンスール暫定大統領(67)は8月27日、大統領に忠誠を誓う軍の宣誓を修正する法令を発布した。専門家らは、エジプト軍が文民統制に従わず、独立した機関であると明確に意思表示したものとみている。ロイターが伝えた。

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法令によると、宣誓文から「共和国の大統領に忠誠を誓う」との文言を削除し、「指導部の命令を遂行」することを誓うと修正された。エジプト軍の報道官はロイターに対し、「変更は前向きなものであり、このように変更されることで、個人ではなく指導部への忠誠を意味する」と説明した。

■ ムスリム同胞団の弱体化、ムバラク旧政権体制回帰鮮明に

25日には、モルシ前大統領(62)に対するクーデターの後、軍主導の暫定政権下で殺人教唆の罪に問われたムスリム同胞団の最高指導者バディア氏ら3被告に対する初公判が首都カイロの裁判所で開かれたが、地元メディアによると、3被告が「治安上の理由」で欠席したため、裁判所は実質審理を10月29日に延期することを決めた

一方で、2011年に北アフリカ・中東で広がった民主化運動「アラブの春」で退任に追い込まれたエジプトのムバラク元大統領(85)に対する公判が25日、首都カイロで開かれ、本人が出廷した

この日、カイロ郊外の特別法廷に息子2人らと出廷した同被告はサングラスを着用し、終始、余裕の表情を浮かべた

軍を後ろ盾とする暫定政権側の締め付けで同胞団は弱体化。軍出身のムバラク被告が保釈を認められる一方、同胞団員の拘束が進む中で行われた公判は、軍に代表される旧支配層の復権の流れを強く印象付けた。

国民のムバラク政権への嫌悪は現在もくすぶっている。しかし、政府系・独立系メディアがともに反同胞団キャンペーンを展開していることや軍への支持の高さもあり、一部で暴力的な抗議行動を行う同胞団への反感は反ムバラク感情を上回っている。現時点で同被告保釈への目立った異論は出ておらず、同胞団が25日、カイロなどで行った抗議デモもごく小規模なものにとどまった。

エジプトでは、ムバラク政権の恩恵を受けてきた層が軍や司法、メディア、官・財界などに広く根を張っている。そうした勢力にとっては、軍が強権を振るえる非常事態令下の現在が、最大の政敵である同胞団を追い詰め、自身らの復権に向けた流れを作る絶好機となっているとみられる

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