15歳の少年、膵臓がん発見の画期的方法を開発 たった5分、3セントで検査

15歳の高校生の快挙――1997年生まれの、アメリカのメリーランドに住む高校生、さんが、すい臓がんを初期段階で発見する検査法を開発した。
Jack Andraka

15歳の高校生の快挙――1997年生まれの、アメリカのメリーランドに住む高校生、ジャック・アンドレイカさんが、すい臓がんを初期段階で発見する検査法を開発した。

すい臓がんはほかの臓器に比べ、がんの発見が困難なことで知られる。Appleの創業者、スティーブ・ジョブズさんもすい臓がんの発見・処置が遅れて56歳で帰らぬ人となった。

難治がんである原因は、膵臓がんには特異的な初発症状がなく、膵臓がんと診断された時には大半が高度に進行しており、既にがんが膵臓の周囲の重要臓器に拡がっていたり、肝臓などの他臓器にがんが転移していて、7割から8割の方は外科手術の適応にならないこと、また、たとえ切除可能であっても早期に再発を生じることが多いことが挙げられます。

(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター「膵臓がん(消化器科)」より)

アンドレイカさんが新しい検査法を開発した経緯は、世界的なプレゼンテーションのイベント「TED」に出演したときの動画に詳しい。

アンドレイカさんは13歳の時、親しい人をすい臓がんで亡くした。そこから、ネットですい臓がんについて調べ、その検査に800ドルかかり、さらに30%以上を見落としていることを知る。

なぜ難しいのか。すい臓がんを検出するには、血中にあるごく少量のタンパク質の発生量を調べなければならないからだ。すい臓がんになると検出される8000種の中から、すい臓がん患者特有のものを見つけ出した。研究を続けるため、アンドレイカさんは200人の教授に手紙を送る。うち、199は提案を却下。たった1通、良い返事が帰ってきたジョン・ホプキンス大学で研究の場を得て、テスト方法を開発した。

アンドレイカさんが開発した方法では、1つの小さな検査紙で 費用は3セント(約3円)、わずか5分でテストできるという。従来の方法と比べると、168倍速く、26,000分の1以下の費用、400倍の精度で検査できるという。

この方法はすい臓がんだけでなく、他のがんやHIVなどにも転用が可能としている。

アンドレイカさんはインテルが設立するGordon E. Moore Awardを受賞。75,000ドル(約742万円)を獲得。その他にも多数の賞を受賞し、10万ドル以上の賞金を得た。賞金は学費に使用するという。

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