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パート労働法改正へ 待遇改善を希望しても行動は起こさなかったパート労働者を変えることができるのか

2014年02月14日 18時42分 JST
Indeed via Getty Images

待遇に不満を持つ人はパート労働者は多いが、実際に改善を求めて行動する者は少ない――。

政府は2月14日、パート労働法の改正案を閣議決定した。正社員並みの待遇を受けられるパート労働者(短時間労働者)を増加させることが狙いとされており、事業主に相談窓口を置くことなども義務付けられる。

これまでは、待遇に不満を持っていても事業主に説明を求めた経験のあるパート労働者は少ないとされている。法改正で相談窓口を置くことで、パート労働者の置かれた状況が改善されるかどうかが問われることになる。

■正社員並みの対応を受けられるパート労働者とは

パート労働者は近年著しく増加し、約1,400万人いると推定されている。これは、雇用者総数の約4分の1を占める数だ。

現行法では、(1)仕事の内容が同じ (2)転勤など人事異動がある (3)契約期限に定めがない「無期契約」である の3条件を満たすパート労働者は、正社員と待遇を差別してはならないことになっている。しかし、この条件を満たす対象者は、全パート労働者のわずか1.3%(約20万人)程度に過ぎなかった。今回の改正案では(3)の要件を削除し、契約期限がある「有期雇用」に対象を拡大。対象となるパート労働者は2.1%(約30万人)に増える計算だ。

■パート労働者の不満とは

労働政策研究・研修機構の調査によると、パート労働者の不満として多いのは、「勤続を重ねても、賃金が上がらない」、「同じような仕事をしている正社員等と比べ賃金が安い」、「仕事内容や自分の働きぶりに比べ賃金が安い」など、賃金に関するものが多い。

また、給与水準以外の処遇等に納得できないと回答する割合も大きい。厚生労働省の調査によると、通勤手当(65.1%)、更衣室の利用(61.8%)などはパート労働者も正社員と同様の待遇を受けられるパート労働者の割合が大きいが、退職金は59.1%となり、家族手当(7.0%)、住宅手当(5.4%)などはさらに低くなっている。

もしパート労働法の対象になれば、ボーナスや各種手当はもちろん、研修がうけられたり、福利厚生施設が利用できるなど、正社員と同様の待遇となる。

■自分の待遇に説明を求めないパート労働者が多い

ところが、自分の処遇について事業主等に説明を求めた経験があるパート労働者は、全体で13.5%と少ない。正社員より賃金水準は低いことに納得していないパート労働者であっても、説明を求めた経験がない労働者は77.4%と約8割に近い状態だ。

説明を求めない理由としては、「説明を求めてもきっと状況は改善しないから」との回答が66.0%、「説明を求めて不利益な取り扱いをされるのが怖いから」が28.0%をしめ、待遇改善をあきらめているとも考えられる。

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このため改正案では、事業主側がパート労働者を受け入れる際に待遇や正社員への転換制度などについて説明をしておくことや、パート労働者の相談に対応する担当者を置くことも義務付ける。

実際に説明を求めた経験のあるパート労働者は、「説明があり納得した」とする割合が65.1%と高い割合となっている。

今回の改正案では、人事異動などがないパート労働者は依然として対象外のままであるため、大部分のパート労働者の処遇は変わらない。しかし、相談窓口の設置は、対象であるなしにかかわらず利用することができるようになる。法改正が行われた場合、こうした施策がパート労働者の不満を解消するものとして効果があったかどうか、改めて検証する必要があるだろう。

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