西アフリカ・ガンビアの独裁者、大統領選に敗れても退陣を拒否 周辺国が軍事介入へ

バロウ氏は19日、隣国セネガルの首都ダカールにあるガンビア大使館で就任式を行った。

ヤヒヤ・ジャメ大統領

西アフリカの国ガンビアでは、長期独裁を敷いているヤヒヤ・アブドゥル=アズィーズ・ジェムス・ジュンクング・ジャメ大統領(ヤヒヤ・ジャメ、51)が2016年12月の大統領選挙でアダマ・バロウ氏に敗れたにもかかわらず、辞任を拒否して大統領に居座り続けている

中東カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、国連安全保障理事会は1月19日、バロウ氏を支持する決議を全会一致で承認し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の加盟国が軍事介入に踏み切った。ナイジェリア、ガーナ、セネガルの陸軍、空軍、海軍が1月19日、ガンビア国境に集結し、そのうち隣国のセネガル軍が国境を超えてガンビア領内に入った。ECOWASがジャメ氏に退陣圧力をかけるために軍事介入したことになる。

ジャメ氏は、1994年の軍事クーデターで指揮官として権力を掌握し、1996年、ガンビアの大統領となった。ジャメ政権は2000年4月に学生やジャーナリストを虐殺するなど、さまざまな人権侵害で訴えられている。ジャメ氏はLGBTの権利や女性の女性の平等を認めていない。さらに独自の治療でHIVウィルスを根絶するとも主張しているが、現時点では治療法は見つかっていない。

ジャメ氏は大統領選直後、辞任に合意していた。しかし突然考えを変え、「徹底的に調査し、今回の選挙結果を受け入れないことに決めた。深刻で受け入れがたい異常な事態が選挙の過程で起こった。嘆かわしい」と語り、17日に非常事態宣言を発令した。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)をはじめ、世界中から退陣圧力をかけられる中、ジャメ氏は大統領の座に居座ることにした。 任期が切れる18日深夜になっても、ジャメ氏が指示に従う様子はなく、近隣諸国が軍事介入して強制的にバロウ氏に権限を移譲させることになった。

バロウ氏は19日、隣国セネガルの首都ダカールにあるガンビア大使館で就任式を行った。ガンビアの首都バンジュールでは、バロウ氏の大統領就任を祝う市民が通りに出てきた。

アダマ・バロウ氏

2016年12月以降、ジャメ政権では8人以上の閣僚が辞任したが、国防省の主要メンバーはジャメ氏を陰で支えている。

ハフィントンポスト南アフリカ版より翻訳・加筆しました。

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