トランプ氏の入国禁止令、世論調査で賛成が上回る 質問や調査方法で結果に違いも

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1月29日、ドナルド・トランプ大統領が課した入国禁止の大統領令に反対する抗議デモの最中に、ダラス・フォートワース国際空港の手荷物受取所でアメリカの国旗を持って踊る少女と、その後ろで祈る女性たち。

ハフィントンポストUS版と世論調査会社「YouGov」が実施した最新の世論調査によると、ドナルド・トランプ大統領、イスラム主流国7カ国(イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン)の人々の入国を90日間禁じ、難民の受け入れを120日間一時的に停止する入国禁止令に関して回答者の意見は分かれており、おおむね共和・民主の支持者で違いが際立っている。

トランプ氏の大統領令に賛成しているのは48%、反対は44%だった。賛否の程度はほぼ同じで、「強く賛成」が33%、「強く反対」が34%だった。

大統領令の実施に関する見方も分かれており、41%の人が「どちらかといえば良かった」または「とても良かった」と答え、38%の人が「あまり良くなかった」または「全く良くなかった」と答えた。

約1/3に当たる34%が、禁止令は「そのままのやり方で良い」と答え、19%は「基本的には良い考えだがやり過ぎ」、そして36%は「基本的に悪い考え」だと答えている。

トランプ政権はこの大統領令は「イスラム教徒を標的にしていない」と主張しているが、52%の過半数の52 %が「禁止令はイスラム教徒を標的にすることを意図している」と答え、29%の人は「そうは思わない」と答えている。

▼グラフ「支持傾向別の評価」▼ ※グラフが表示されない場合はこちらへ。

今回は最新の世論調査の結果だが、1930年代にホロコーストを逃れたユダヤ人の子供たちから、1970年代後半のベトナムの「ボート・ピープル」まで、これまでの世論調査を見ると、アメリカは難民受け入れに反対してきたことがわかる。

トランプ氏は2015年の声明で「何が起きているのかこの国の代表者たちが把握できるまで、イスラム教徒たちのアメリカへの入国を完全に停止」することを求めたが、世論調査では反対の声が多かった。しかし、トランプ氏が共和党の大統領候補に決まると、特に共和党内でこの方針を支持する人が増えた。それ以来、当初の提案に反対していた共和党のポール・ライアン下院議長やインディアナ州のマイク・ペンス知事(現副大統領)といった共和党首脳も難民受け入れ反対の声に押されるようになり、共和党内はトランプ氏の主張に足並みを揃えるようになった。

トランプ氏に投票した有権者とクリントン氏に投票した有権者は、対照的な見方

大統領令に賛成したのは、大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏に投票した人が12%、大統領選に投票しなかった人が44%だったのに比べ、トランプ氏に投票した人は95%に達している。

「トランプ氏は、やると言ったことをちゃんとやっているんです」と、ウェストバージニア州の中でも共和党色の強い地域に住み、トランプ氏に投票したトニー・コリンズさん(72)は、ハフィントンポストUS版のデイブ・ジェイミーソン記者に語った。「これで安心できます」

「政府が禁止令を実行したことは良かったか」という質問に対し、クリントン氏に投票した16%は、「強くそう思う」「ややそう思う」と考えている一方、同じように考えるトランプ氏に投票した人は75%に達した。しかし、禁止令そのものに賛成しているトランプ氏に投票した人の中でも、実際に禁止令が実行されたことに対する評価は分かれている。トランプ氏に投票した81%は禁止令に賛成しているが、「政府が禁止令を実行したことは良かったか」という質問に「強くそう思う」と答えた人は31%にとどまっている。

トランプ氏に投票した82%は、大統領令は「このままで良い」と答え、クリントン氏に投票した76%は、大統領令を「基本的に悪い考え」と見ている。投票しなかった人の意見は分かれ、「そのままで良い」とするのが25%、「良い考えだがやり過ぎ」とするのが24%、そして「基本的に悪い考え」とするのが30%だった。

ほとんどのアメリカ人は、難民について個人的に知らない

全回答者のうち、「大統領令で入国禁止とされた7カ国から来た移民を知っているか」という質問に対し「知っている」と答えたのは24%で、「難民としてアメリカに来た人を知っているか」という質問に「知っている」と答えた人は30%だった。4%の人は「家族の中に今回の大統領令で影響を受けた国からの移民はいるか、あるいは家族の中に難民がいるか」という質問に、「いる」と答えた人はわずか4%だった。

クリントン氏に投票した、あるいはトランプ氏に投票した有権者の双方とも、大統領令で影響を受けた移民や難民を直接知っている人の割合は同じくらいだった。 7カ国のいずれかからの移民を知っていると答えたクリントン氏に投票したうちの28%、トランプ氏に投票したうちの27%、また難民を直接知っていると答えた人は、クリントン氏に投票した人、トランプ氏に投票した人のいずれも35%だった。

一般的にアメリカ国民は7カ国からの移民や難民になじみが薄いといえるが、入国禁止令に対する意見に与える影響はほとんどない。7カ国のいずれかからの難民または移民を知らない人のうち、入国禁止令に反対しているのが42%なのに比べ、そのような人たちを知っていて、禁止令に反対している人は全回答者のおよそ半数だ。

なぜ禁止令に関する世論調査は難しいのか

政策に対する国民の支持を測定しようとする調査の結果は、大幅に異なってくる場合がある。とりわけ今回の入国禁止令に関しては、質問の仕方や、調査方法の違いで結果が大きく影響されることが分かっている。

たとえば、2015年後半にトランプ氏が最初に一時的に「イスラム教徒のアメリカ入国を完全に停止」する提案をしたとき、世論調査では、国民全体の25%から45%は賛成し、共和党内では42%から69%が賛成だった。

質問内容が異なってくると、大きな違いが生まれてくる。イスラム教徒の入国禁止に関して賛成が最も少なかった調査の質問を見ると、「完全な停止」について、入国禁止が一時的であることを明示せずに、トランプ氏の発言を使用している。

一方、賛成が最も多かった調査の質問を見ると、トランプ氏の名前を削除し、同時に入国禁止案は「何が起きているのかこの国の代表者たちが把握できるまで」続けられると書かれている。

オンライン、あるいは自動化された電話による調査では、調査員の面接調査よりも禁止令に対して賛成が高くなっている。一部の回答者は調査員と話す場合、禁止令を支持することを認めない傾向がさらに高まっている。

トランプ氏の大統領令に関する同様の世論調査でも、このような違いが生じる可能性がある。必ずしも質問の「正しい」表現があるわけではないが、選択項目の多くは、たとえば、トランプ氏の名前を使うのかどうか、または「大統領令」や「入国禁止令」などの用語を使うかどうかなどによって回答が違ってくる可能性がある。

1月30日と31日に行われたオンラインのロイター/イプソスの調査によると、質問に応じて全回答者の48%から41%は大統領令に賛成していることが分かった。その調査では大統領令をこう説明していた。「トランプ大統領が1月27日に署名した大統領令では、少なくとも120日間、難民の受け入れを停止し、また少なくとも90日間、イスラム圏7カ国からの人々の入国を禁止する」

主に自動化された電話によって世論調査を行う、民主党系調査機関「パブリック・ポリシー・ポーリング」の調査では、全回答者の47%が「特定の国からの難民や市民がアメリカに入国することを禁ずるドナルド・トランプ氏の大統領令」に賛成し、49%が反対した。世論調査員が調査するギャラップでは、賛成が低くなった。42%が「イスラム教徒が多数を占める7カ国からのほとんどの人々を対象にアメリカへの入国を一時的に禁止する」大統領令に賛成し、反対は55%だった。

どのような表現を選択するかによって、世論調査で政策がどのように認識されるか、明らかに違いが出る。これは大統領令が出される前の世論調査会社「ラスムッセン・レポート」の調査にも当てはまる。ラスムッセン・レポートの調査では投票者の57%が禁止令に賛成していた。ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は2月1日の記者会見でこの数字に言及し、「全体としてアメリカ国民は、大統領が取っている行動を全面的に支持している」証拠だとした。

しかし、主に自動化された電話で行われたラスムッセンの世論調査は、大統領令が実施される前だっただけでなく、「連邦政府がアメリカにやってくる潜在的なテロリストを審査し、明らかにする能力を向上させるまで実施されることになる」入国禁止令に関して意見を尋ねていた。ちょっとした言葉遣いの違いだが、大統領令への支持を強化する内容であることは間違いない。

ハフィントンポスト/YouGovの世論調査の詳細な結果は、下記参照のこと。調査の質問を選ぶには、トップのメニューを使用し、サブグループ別のデータをフィルターにかけるには、下のボタンを使用してください。

1000件のインタビューを基にしたハフィントンポストUS版/YouGovの世論調査は、アメリカの成人を対象に1月31日〜2月1日にかけて実施され、アメリカの成人人口の人口統計およびその他の特徴を一致させるために、YouGoveのオプトイン・オンライン・パネルから選択したサンプルを使用した。

ハフィントンポストUS版は、世論調査を行うためにYouGovと協力した。このプロジェクトの詳細はこちらでさらにくわしく知ることができる。またYouGovの全国的な代表世論調査にこちらから参加できる。全てのハフィントンポスト/YouGovの世論調査からのデータはこちら。この世論調査の方法に関する詳細は、こちらで入手できる。

ほとんどの調査では、すべてではないにしろ、いくつかの潜在的な調査の誤りを表す誤差が報告されている。YouGovのレポートには、モデルベースの誤差が含まれている。その誤差は、無作為抽出の標準的な方法ではなく、選択したサンプルに関する一連の特定の統計的仮定に基づいた誤差だ。これらの仮定が間違っている場合、モデルベースの誤差もまた不正確である可能性がある。モデルベースの誤差に関する詳細な説明については、こちらをクリック。

ハフィントンポストUS版より翻訳しました

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