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人類を絶滅寸前に追い込んだ「トバ火山」 噴火の原因が明らかに

2017年02月08日 23時35分 JST | 更新 2017年11月30日 12時00分 JST

それは人類が経験した中で最も巨大な火山爆発だった。

今から7万3000年ほど昔、超巨大火山(スーパーボルケーノ)の「トバ火山」が噴火し、インドからインドネシアにかけての上空に、2800立方キロメートル以上もの火山灰が噴出した。

トバ火山は現在、インドネシアのスマトラ島北西部バリサン山脈にあるインドネシア最大のカルデラ湖「トバ湖」として残っている。トバ火山のような超巨大火山は、アメリカのイエローストーンやイタリアのセシア渓谷にもあるとみられる。

「トバ火山の噴火によって人類は絶滅寸前まで追い詰められました」と、スウェーデン・ウプサラ大学のバレンティン・トロール教授は語った。「次の巨大噴火が起きるまで、うまくいけば何千年もかかるかもしれませんが、いずれにせよ巨大噴火の発生は時間の問題でしかありません」

このような巨大噴火が起こることは稀だが、世界規模の気候変動が起こり、陸地の大部分に寒冷化を引き起こし、地球全体が長期的な影響を受ける。

そして、巨大噴火の仕組みはほとんど解明されていない。

しかし、トロール教授の研究チームは、トバ火山の歴史的巨大噴火の原因を突き止めたという。

研究者たちはマグマ内で成長する石英結晶を分析し、トバ火山が噴火を起こす前、溶岩に化学変化が生じたことを突き止めた。

ウプサラ大学のデイヴィッド・バッド博士は、この手法は樹木の年輪から過去の気候変動を推測するのと同じものだと語った。

「問題は、この手法で言うところの『年輪』に当たるものが直径わずか数ミクロンの大きさしかないため、詳細な分析が非常に困難だという点です」と、バッド博士は付け加えた。

石英に注目し始めた科学者たちは、結晶の外縁部へ向かうにつれて中性子の数にはっきりとした変化が見られることに気がついた。

ウプサラ大学のフランシス・ディーガン博士は、「結晶の外縁部では中性子の質量数18Oから16Oの割合が少なく、巨大噴火の直前にマグマ系内部で何か劇的な変化が生じたことがわかります」と語った。

「これらの化学的痕跡は、18O から16Oの含有割合が少ないという特徴を持つ岩盤がマグマによって大量に溶かされ、同化した結果と考えられます。また、この岩系は水分を豊富に含んでいることが多く、この水分がマグマ内に放出されて水蒸気が発生したことで、マグマ溜まり内部のガスの圧力が高まったのでしょう。この急激なガス圧力の増加が、何千立法キロメートルものマグマが地殻を突き破って大気中に噴出する巨大噴火へと繋がったのです」

トロール教授は、「次の大規模噴火はトバかイエローストーン、もしくは他の場所で起きる可能性もあるが、その時には人類は前回よりも準備を整えているはずです」と述べた。

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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世界の火山噴火

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