ミニスカで散歩の女性、サウジアラビア当局が一時拘束 ⇒「理不尽すぎる」と論争に

保守的なイスラム教国家のサウジアラビアで、ミニスカート姿で街を歩くする様子が映った動画をSNS上に投稿したとして、サウジ当局が7月18日、女性の身柄を拘束した。国営テレビのアル・エクバリアなどが報じた。
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保守的なイスラム教国家のサウジアラビアで、ミニスカート姿で街を歩く様子が映った動画をSNS上に投稿したとして、サウジ当局が7月18日、女性の身柄を一時拘束した。国営テレビのアル・エクバリアなどが報じた。

サウジ情報省は19日、女性を嫌疑不十分のまま無償で釈放、不起訴処分にしたと発表している

■ネット上で拡散した女性の動画


ワシントン・ポストによると、女性の動画はサウジ中部ナジド地方の町ウシャイキルで撮影された。首都リヤド郊外にあるこの町は、イスラム教の保守派の一つで、サウジアラビアの国是とされる「ワッハーブ派」発祥の地でもある。

動画には、丈の短いシャツにミニスカート姿の女性が遺跡を歩いたり、砂丘の砂で遊んだりする様子などが写っていた。動画は、画像・動画共有アプリ「スナップチャット」の「Model Khulood」というアカウントに投稿された。

動画は瞬く間にYouTubeやTwitterでも拡散し、当局の目にとまったようだ。動画公開から間もなく、サウジアラビアの宗教警察「ムタワ(勧善懲悪委員会)」は動画を確認し、捜査当局と連携することを発表した

イスラム教の教えを厳格なサウジアラビアでは、女性が外出する場合、全身を覆って体のラインを隠す「アバヤ」と呼ばれるゆったりとした形状の伝統衣装とスカーフの着用が求められる。

AFPによると、女性はスカート姿で髪の毛を隠さずウシャイキルの歴史地区を歩いていたことを認める一方、動画がスナップチャットに投稿されたことは「知らなかった」と供述しているという。

メラニア・トランプ夫人を引き合いに「理不尽だ」 サウジへ非難の声相次ぐ

サウジ当局が女性を拘束したことが伝えられると、国内外ではサウジでの女性の権利をめぐり、Twitterなどで議論が起こった。

女性を擁護する立場の人々は、5月にアメリカのメラニア・トランプ大統領夫人と、長女で大統領補佐官のイヴァンカ氏がサウジを訪問した際に髪を隠していなかったことを引き合いに、「サウジ人だからといって裁判にかけられるのは理不尽だ」と釈放を求めていた。


その一方で、サウジアラビアの作家イブラヒム・アル・ムナイフ氏が自身のTwitterに「旅行先で法律を守るように求められるように、この国の法律を遵守しなければなりません」と書き込むなど、女性を批判する声も出ていた。

▼「サウジアラビアの女性たち」画像集が開きます▼


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