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「JASRACからの分配、1円もない」 爆風スランプ・ファンキー末吉さん、文化庁に調査求める

2017年08月18日 21時14分 JST | 更新 2017年08月19日 18時56分 JST

sueyoshi

会見するファンキー末吉さん(右)と鈴木仁志弁護士=東京都千代田区

ロックバンド「爆風スランプ」のドラマー、ファンキー末吉さん(58)が8月18日、日本音楽著作権協会(JASRAC)がライブハウスから徴収した著作権料の作曲者らへの分配を適正にしていないなどとして、調査と業務改善命令を出すよう求める上申書を文化庁に提出した。

爆風スランプのヒット曲「Runner」を作曲したことでも知られ、自身も東京都内でライブハウスを経営する末吉さんは同日、上申書提出後に都内で記者会見した。

JASRACの仕組みでは、「コンサートホール」の場合、演奏者がJASRACの管理楽曲ごとに使用料を支払い、使われた音楽の作曲家など著作者本人が、曲ごとに使用料を受け取る。

一方、末吉さんによると、「ライブハウス」は管理楽曲ごとではなく、月額が決まった「包括使用料」として著作権料をJASRACに支払っている。その際、JASRACは実際に演奏された曲を把握することなく、一部の「モニター店」での演奏実績を基にしたサンプリング調査によって作曲家などへの分配を決めているため、実際に演奏された曲を作った作詞・作曲者には「正しく分配されていない」と訴えた。

実際、自身も爆風スランプと別のバンドで2000年からの10年間に全国のライブハウスで計204回のライブを開き、自ら作曲した曲を演奏したものの、それに対する分配が「1円も入っていなかった」と強調。「じゃあ、(分配する金額を算出するための)サンプリング店はどこにあるのかと(JASRACに)聞いたら、それは言えないと」と話し、全国で名だたるライブハウスの何百本かのライブを集計したが、その中にモニター店は一つもなかったと説明した。

さらに、ライブハウスでJASRACの管理楽曲を使ったライブを開く場合、曲の許諾申請は店の経営者ができても演奏者はできず、それらの実態が「著作権管理事業法」に違反していると訴えた。

末吉さんは「調査してその通りだったら業務改善命令が必要だし、自分の曲も自分で演奏できないような世の中にしておいてはダメ。自分が感動した音楽にお金を払っても、それが他の人に行く世の中にしていてはダメだと呼びかけたい」と主張。さらに「演奏権の場合は実際はJASRACの独占ですので、私たちは選ぶことはできません。私が思うのは、普通の商売だったら態度のいい店とつきあいたいと思っています。選択肢がないというのが一番の問題ではないかなと思います」と指摘した。

同席した上申者代理人の鈴木仁志弁護士は、上申について「こちらのことが正しいと断定しているということではなく、われわれの認識を文化庁に報告し、それに対して調査の上、適切な判断をお願いしたいという趣旨です」と話した。

一方、JASRAC広報部は朝日新聞の取材に対し、サンプリング調査について年間の著作権料徴収額全体のうち2%未満とした上で「統計学に基づいた一定の正確さはある。不透明という批判は当たらない」と回答したという。

sueyoshi

会見するファンキー末吉さん


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