【語学上達必勝法】1年の留学で、中国語をビジネスレベルまで引き上げるには

世界の4分の1以上の人と会話ができるようになるなんて、素敵なことじゃないですか?
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你好! 台湾在住の吉本 梨恵です。

「台湾に行きたい」「台湾で働きたい」「台湾に住んでいる」方にとって、私の経験で何が最も参考にしていただけるか......、それはきっと「中国語の学習方法」だと思います。

私は理系人間で、国語や英語などの文系科目より数学や化学のほうが1000倍好きな学生でした。確か大学生の頃、英語単位取得のために受けたTOEICは300点くらいだった気がします(汗)。そんな私が! どうやって1年間の台湾留学で、ビジネスでも使える中国語をマスターできたのか......その秘訣をご紹介します。

※これはあくまで私の方法ですので、個人差があると思います。ご了承ください

はじめに ~中国語について

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世界の中国語人口、どのくらいかいるかご存知ですか? 中国の人口は現在約13.7億人といわれています。世界の4人に1人は中国人ということになりますね。また、華僑(中国からの移民やその子孫たち)の世界進出はすさまじく、台湾はもちろん、世界中に中国語スピーカーがいます。華僑は商売に長けていて、コミュニティの結束が固い民族といわれているため、特にアジア圏では華僑が経済に大きな影響を与えています。

東南アジア諸国を旅すると、必ずといっていいほど中華街があり、中国語を耳にします。旅行にしてもビジネスにしても、覚えて絶対に損しない言語です。

どのくらい勉強すればいいの?

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中国語の汎用性をちょこっとお伝えしたところで、本題に入ります。

「1年の留学でビジネスレベルまで引き上げる」と表題に書きましたが、正直なところ留学スタート時点でゼロからの状態では無理です。

ただ、3年あれば可能です。はじめの2年は日本にいながらにして、できます。日本で基礎文法を頭に入れ、その知識を使って3年目、現地で生の音を学ぶのです。私は、この方法が最も効率的だと思います。

日本にいる準備期間でできること

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■【準備期間1】試験を受ける

目標を立てるのが一番手っ取り早いです。やっただけ成果として表れますし、自分の弱点を発見できます。中国語試験として世界的に有名なのはHSKですが、日本の中国語検定のほうが難しいと一般的にいわれています(実際、受けてみて私もそう思います)。文法を学ぶには、中国語検定に重点をおきつつ、たまにHSKも受けてみるのがオススメです。

■【準備期間2】他の言語をシャットアウトする

当然、日本では周りすべてが日本語です。耳を慣らすのに、この環境は良くありません。私は、時間が許す限り、常に中国語の音楽やラジオを聴いていました。もちろん何を言っているのかさっぱり分かりません。でも、それでいいのです。聴いているだけで音を耳が勝手に覚えてくれます。

「なんだか違う気がする」という感覚を耳がもつことが大切です。繰り返し聴くことで、その感覚をつかむことができます。ただ、諦めずにひたすら聴いてください。いつか芽が出ます。

■【準備期間3】友達を作る

日本にいる時、台湾人の友人をたくさん作りました。日本に来ている留学生たちは、もちろん日本が大好き。相手も日本人の友人を欲しいと思っているので、好意をもって接してくれます。

一度交流会に参加するだけで、芋づる式(笑)に友達の輪が増えていきます。台湾の場合、特にそうでした。台湾は小さな島です。そこから来ている留学生も多くはないので、繋がりは一層強いものでした。

いざ台湾へ!留学先での学習法

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■【留学期間1】学校に行く

ここから台湾へ留学してからの話になります。

語学学校は通ったほうがいいです。プロの先生は、生徒がつまずくポイントを熟知しているので、最も効率の良い方法で導いてくれます。

まずは、日本で学んだ文法をもとに、クラス分けテストで難易度の高いクラスを目指してください。私が通った師範大学の場合ですが、第3冊目以上のクラスからスタートしたほうがいいです。それまでのクラスは初心者レベルすぎて、最終地点のレベルが低くなってしまいます。 3ヶ月くらいで終了してその後仕事中心になる方も多いですが、レベルアップを臨むのであれば1年間は学んだほうがいいと思います。

発音クラスがあれば、基礎から学ぶためにぜひ参加してください。台湾では特に注音記号(ボポモホ)を使った授業があります。注音記号は発音を学ぶのに適していて、マスターすることをオススメします!

■【留学期間2】地域コミュニティに入る

現地では、教科書にある発音と、実際生活していて耳にする音が違うことがあります。

台湾の場合、中国本土の発音と違って舌をあまり巻かないので、音が微妙に違っていたり、たまに台湾語が混ざったりします。生きた中国語はとても重要ですし、現地人にとっても同じ発音・言い回しを私たち外国人が使うだけで、仲間意識が芽生え、信頼関係がとても築きやすくなります。

私は通っていた台湾師範大学の校舎で早朝から年配の方々がやっている太極拳を学びに行っていました。そこで台湾語を話したり、教えて欲しいとお願いしたりすると、喜んでいろいろ教えてくれました。こちらから歩み寄る外国人に冷たくする方は、そうそういないと思います。

■【留学期間3】日本語の教材を読む

これ、本当の裏技です(笑)。台湾人が日本語を学ぶための教科書を本屋で購入し、それをひたすら書き写しました。日本で出版されている中国語学習本は「日本語 中国語」の翻訳なので、例文が日本語寄りです。中国語を学ぶには、考え方から中国語脳に変えなければなりません。

台湾人が日本語を学ぶ「中国語 日本語」の本のほうが中国語脳も鍛えられて、上達が早まります。中でも私は「懶鬼子」出版の本が良いと思いました。ぜひ探してみてください。

■【留学期間4】日本人だけでつるまない

私が通っていた台湾師範大学 国語教学センターには、それはもうたくさんの日本人がいました。

日本人同士、どうしても固まります。一緒に勉強することもできますが、そこで中国語は話しません。せっかく台湾に留学しているのにもったいない! 職場では、日本人同士で相談し合ったり、リフレッシュしたりするのに大切な存在だとは思います。ただ語学を学習する上では、日本人の友人はごくわずかで十分というのが私の考えです。

■【留学期間5】遊びに行く

生の中国語は、聞いても聞きすぎることはありません。一人で家にこもるのでは、留学している意味がありません。積極的に外に出てください。私も留学中は、台湾北から南まで遊び倒しました(笑)。

その他の方法について

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言語交換はどうか、とよく聞かれます。

■言語交換とは......日本語を学ぶ台湾人と、中国語を学ぶ日本人が互いの言語で会話をすること。台湾師範大学では、本校の学生と留学生をマッチングさせてくれる紹介制度がありました。語学学校などでは、掲示板に言語交換相手を募る書き込みが貼られています。

私も留学時代やっていましたが、お互いの言語レベルが偏っている場合、上級者に会話が寄ってしまうので、レベルが高いほうの上達は難しいです。私たちはどうにか時間を有意義に使おうと試行錯誤した結果、以下ルールを決めてやっていました。

1)5つ文章を事前に用意して、添削し合う

2)授業で分からなかったことを書き出して、次の日質問する

私が思うに、家庭教師のほうが上達するとは思います。言語交換の場合、相手の日本語が未熟だと、分かりやすいように中国語で説明することも必要です。ここで自分の中国語力が鍛えられますし、日本語力も試されます。また、相手(中国語ネイティブ)の間違いやすいポイントが見えるので、それを自分の中国語学習にも応用できます。

例えば、中国語では「薬を飲む」ことを「吃藥(薬を食べる)」と言います。日本語初心者はだいたい「薬を食べる」と間違えます。

最後に

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日本2年、台湾1年で、ここまで上手になれるのかと周りにはいつも驚かれます。自分で言うのもなんですが、本当に頑張ったと思います(笑)。

日本が大好きで日本語人材も多い台湾。そのため20年、30年台湾に住んでいても、全く中国語を話せない日本人もいます。

完全なネイティブ・スピーカーにはなれなくとも、相手に意思が伝わるレベルであれば、やる気と忍耐次第で、十分なれます。私のようにゼロからの出発ではなく、大学などで専攻されていた方ならもっと短い期間でマスターできるはず!

何より、私は台湾への愛もモチベーションを保つのにひと役買っていると思います。たった最大3年の努力で、世界の4分の1以上の人と会話ができるようになるなんて、素敵なことじゃないですか?

私のブログで、留学当時の手続関連のメモ(学校への手続やビザ取得など)を残しています。プロフィールにリンクしているので、ご参考にどうぞ。

Ambassadorのプロフィール

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一人旅で訪れた台湾で「ここに住もう!」と決意し、猛勉強、お金を貯めて移住しました。旅や探検が大好きで、台湾だけでなく東南アジアにも頻繁に旅しています。

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