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副業をやると本業がぐっと面白くなる。スキルがいらない「パラレルキャリア」って何だ?

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働き方の祭典『TOKYO WORK DESIGN WEEK2015』とコラボレーションして開催されたCAREER HACK BASEMENT Vol.4。今回は、パラレルキャリアを実践する3名にお集まりいただきました。パラレルキャリアって、ぶっちゃけどうなの?

パラレルキャリアとは?

11月21日(土)、朝9時―ーー。

渋谷のFabCafeにてあるイベントが開催されました。その名はCAREER HACK BASEMENT Vol.4。働き方の祭典『TOKYO WORK DESIGN WEEK2015』と共同開催。パラレルキャリアを実践し、かつこれまでCAREER HACKに登場したことのある3名の方に登壇いただき、「パラレルキャリアとは」「パラレルキャリアを始めるきっかけ」などをはじめ「パラレルキャリアでの失敗談」など、さまざまな切り口からお話しいただきました。

一体どのような話題が飛び出したのか?当日の様子をお届けします。

【登壇者プロフィール】

柳内啓司(Yanagiuchi Keiji)
TBSテレビ メディア・プロデューサー
(株)TBSテレビに入社後、番組とインターネットを絡めたクロスメディア企画を行なう傍ら、書籍やWEBコンテンツのプロデュース、メディア業界のコミュニティ「メディアあした会議」の運営などを手がける。著書は『人生が変わる2枚目の名刺』『ご指名社員の仕事術』。

大塚雄介(Otsuka Yusuke)
ResuPress.inc Co-founder/COO
(株)ネクスウェイにてBtoB向けの新規事業企画や設計、UIデザインを手がける傍ら、ビットコイン事業《coincheck》や「ビリギャル」を生み出した《Storys.jp》を手がけるレジュプレス社に参画しパラレルキャリアを実践。2015年秋より、レジュプレスにフルコミット。

金葵娟(Kyuyon Kim)
ウィキッズ|GeekGirlsCarrotsTokyoコミュニティマネージャー
サイバーエージェントにてスマートフォンゲームの海外展開を担当した後、2015年にウィキッズにジョイン。個人では、ゲームのアジア展開に関するコンサルティングや世界的な女性TechコミュニティGeekGirlsCarrotsのTokyoコミュニティマネージャーとしても活動。

柳内啓司が実感する、パラレルキャリアのメリットとは

まずは、柳内さんのパートより「パラレルキャリアとは」、「パラレルキャリアのメリット」についてのお話しをご紹介します。

柳内:
おはようございます。それにしても3連休の初日から、皆さん、意識高すぎですね(笑)。素晴らしい。私は今TBSテレビに所属して、テレビ番組のデジタルプロデュースをやっています。

パラレルキャリアとしてはいろいろやっていて、ヤフーニュース個人のオーサーをやったり、あとライフハッカーで書かせていただいたり...他にも今回のように新しい時代の働き方を発信したり、お医者さんとかカメラマンのPRを支援したり、最近はメディア業界のオンラインサロンをスタートしました。さらに、今日声をかけていただくきっかけにもなったかもしれないんですが、『人生が変わる2枚目の名刺』という本も出版しています。

で、本題なんですけど、パラレルキャリアとは本業を持ちながらプライベートでも個人活動をするスタイルなのかなと思っています。とはいえ、いろんなパターンがあって、NPOからアーティスト、ウェブサービスやコミュニティの運営をするっていう人もいます。一応歴史をたどるとドラッカーがこのような生き方を1999年の『明日を支配するもの』っていう本で書いてるんですね。それを英語でパラレルキャリアみたいな感じで名付けていたんです。

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パラレルキャリアのメリットをカンタンに3つにまとめますね。

1つ目は、自分の夢を小さく始められること。自分はどうしてもやりたいんだけど、会社が許してくれない、もしくは独立できないっていう人に対して、まずは小さく実験的に始めてみようというのがパラレルキャリアの良さなのかなと思っています。

2つ目は生きがいのリスク分散ができること。これだけ変化が激しい時代、一つのものに頼って生きていくのは結構リスキーかなと思っています。投資の名言に「一つのかごにすべての卵を盛るな」という言葉があるんですが、何かあると全部割れちゃうわけですよね。会社や自分の仕事にすべて頼るのではなくて、収入源含めていくつか自分の生きがいを持ってるというのはバランスが取りやすいんじゃないかな、と。片方がヤバくなったら、もう片方でしのげばいいしっていうことで。

3つ目は、目先の利益に走らず長い目で活動できること。どんなことも、最初は成長するまで時間かかるんですよね。そのときに一本足打法だと結構つらい時期が多いです。なので、パラレルというかたちで自分の安定したものを持ちながら育てていくってことができるのもメリットなのかなと思います。

あと、本業との"掛け算"でセルフブランディングにもなるんですよね。僕、社内ではデジタル系に強い人間と思われているんです。テレビ局ってそういう人が少ないんで、レアキャラになることによって、「柳内、デジタルに詳しいんだったら何かやってよ」と番組プロデューサーに声かけてもらって一緒にプロジェクトをやっていくこともありました。会社勤めの方ならわかると思うんですけど、自分と同じキャラやスキルの人がたくさん集まっても意味ないんですよね。自分独自のキャラを持つことで、多様性を持ち、チームは強くなるんで。パラレルキャリアによって、自分のキャラを確立することにもつながるのかなと思っています。

パラレルキャリアを始めるときの"見られ方"って?

続いて、大塚さんのパートからパラレルキャリアを実践するうえで気になる「社内からの見られ方」についてをご紹介します。

大塚:
私の場合、昼はネクスウェイという会社で働きながら夜にレジュプレスという会社をやっていました。STORYS.JPがいい意味でいろんな方に注目していただき、メディアに取り上げていただくとネクスウェイの仲間から「あれ?お前、どっち本業なの?」とか「本業を二つ持つってすごいなあ」って皮肉みたいなこととかを言われたことがあったのは事実です。

ただ、これは気の持ちようで、そう言われるってことはもうひとつのほうでもある程度プレゼンスが高まってきた証拠だとも思うわけです。それに、本業でもちゃんとパフォーマンス上げないと、もうひとつのほうでツッコミを受けてしまっても言い訳できない。パラレルキャリアを実践するということは、本業でちゃんとパフォーマンスを発揮するというのが大事かな、と。

私が同僚たちによく言ったのは、みんながサーフィン行ったりとかスキーに行ったりとかという気持ちと一緒だということ。ただ、「遊んでる」って言ってしまうと今度はレジュプレスの人に「お前、遊びでやってるのか」って誤解を生んでしまうんですけど(笑)。「やりたくてやっていることが仕事に近しいだけなんだから、別にいいじゃないか」みたいな話を笑いを交えてするとみんな納得してくれましたね。

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いずれにせよ公私問わず周りからの信頼を得るのは、パラレルキャリアを実践するうえでとても重要なのかなと思います。私はレジュプレスという会社を始めたときにはもう結婚はしていたので、妻にも理解してもらいながら、「平日は0時過ぎに帰る」とか、「土日もいない」とかをやってました。レジュプレスにフルコミットするときは、子どももいて、家のローンもあって...という状況だったので、家族の理解は本当に大事で感謝もしています。

テーマは、周囲への理解の重要性から"今"という時代、東京という都市についての話題に発展しました。

大塚:
私は、日本の東京はとても恵まれている都市だと思っていて、もしレジュプラスがうまくいかなかったとしても多分妻と子どもを食わせていけないってことはほぼないって思うんですね。今の売り手市場の状況もそうですが、ちゃんと結果を残し続けていれば必要としてくれる人や場所は絶対出てくるので。

多分新しいことをやり始めようとなると若干不安を感じると思うんですけども、この時代の日本に生まれたのならもしかすると普通にサラリーマンとして働いていくほうがリスクがあるんじゃないかって思っています。もしやりたいことがあって、そこで漠然とした不安を抱えているようであれば、意外と日本はチャンスが多いんじゃないかなと。

あとパラレルキャリアでいいなと思うのは、いきなりドンと始めなくても、ちょっとインターンで手伝ってみるだけで、自分のなかで「こういう働き方もできるんだな」や「働き方はひとつだけじゃないんだな」と感じられることだと思うんです。私も周りにも、「知り合いがやってたから初めてみた」ってライトにやってる方も多いので、チャンスがあったらぜひ挑戦してほしいなって思います。

自分の興味・関心を突き詰めたらパラレルキャリアになった

プレゼンパートのトリを飾るのは、金さん。パラレルキャリアをきっかけに気づいたある心境の変化についてお話しいただきました。

金:
私はサイバーエージェントを2015年の8月末に退職をして、現在は株式会社ウィキッズっていう私含めてまだ3人しかいない、ゲーム関連事業をやっている会社にいるんですけど、そこで事業開発とプロジェクトマネージャーを担当しています。というのが履歴書に載るような経歴で、それと別に個人プロジェクトとしてやってきたことがあるので、そっちについてお話しさせていただきますね。

私に関しては自分の興味の赴くままに行動していたら"結果的にパラレルキャリア"みたいな状態になっていたんです。

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「本業」や「副業」という言葉使いが正しいかわからないんですけど、パラレルキャリアをはじめてから本業がぐっと面白くなってきました。世界が広がったというか。人脈も広がって、「会いたい」とか「仕事したい」って人たちにどんどん会えるようになりました。アイデアの幅も広がって、会社への提案も増えましたね。あとは面白そうだと思ったことに対してゼロから推進していく実行力みたいなものも格段に上がってきたと思います。

先ほどの大塚さんの話にもありましたけど、本業へのコミットもすごく強くなりました。私、SNSで副業についてガンガン発信してたので、周りからは「あの人、何やってる人なんだろう?」みたいになってたんですけど、だからこそ本業でもちゃんと成果を出さなきゃなというところがあって。成果にこだわれるようになりました。それに、時間をすごく大切にするようになって、1時間のありがたみを肌で感じるようになりましたね。何より自分が倒れたら終わりなので、ポジティブな意味で健康にすごく気を使うようになったと思います。とはいえ、面白そうだと感じたらとりあえず一歩踏み出してみるってことと、あとはただ踏み出したからには最後まで責任を取ってやりきることが大事なのかな、と。

副業をやるうえで難しいと思うことは1点だけ。一気に忙しくなるタイミングでの瞬時の優先順位付けやペース配分ですね。ちょうど先週・今週あたりがそうだったんですけど、本業も副業も爆発したみたいなタイミングでの優先順位付けが本当に難しくて(笑)。ただそれってパラレルキャリアだけではなく、生きていくうえで全然起こり得ることだと思っています。逆に、難しいなと感じたのは本当にそれぐらいで、他はすごく面白いこととかいいこと、楽しいことだらけだったと思います。

パラレルキャリアに失敗はつきもの!?

最後に、CAREER HACKのチーフエディタ松尾を交えて行なわれたトークセッションの様子をお届けします。

松尾:
事前に「スキルがなくてもパラレルキャリアをやれますか?」っていうご質問が何人かからいただいてるんですけど、スキルは必要だと思われますか?

柳内:
最初はスキルがなくても大丈夫だと思います。いきなりプロとして、即戦力として始めるんだったらスキルがないと「おい。お前、何やってんだ」ってなりますけど、僕もウェブコンテンツとかをつくり始めたときは、別に報酬ももらっていなかった。だからこそ逆に好き勝手できるし、そこでスキルを磨けばいいってだけなんで、もうさっさと実践しちゃったほうがいいんじゃないかなって思います。

大塚:
スキルは全く必要ないと思いますね。私は前職でユーザーエクスペリエンスとかやっていた流れで本当はSTORY.JPではデザイン周りをやりたいと思ったんですけども、周囲のメンバーを見るとエンジニアが結構多くて、デザインもできる。プロダクトは結構つくれるチームだったんです。反面、それを広めていく人材がいなかったんで、「じゃあ私が」と始めました。広報のスキルってほぼほぼなかったんですけども、まあ別にそんなのなくても健康面に不安がなくて責任持ってやっていれば結構周りが教えてくれるので、やりながら学んだことのほうが全然多いと思います。スキルの有無よりも、本当に自分がやりたいことをやっていくことが大切かな、と。

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松尾:
ありがとうございます。葵娟さんにもお聞きしたいんですけど、葵娟さんの場合は語学力などのスキル前提でやれることが広がった一面もあると思うんですね。一方で、自分がやりたいことを自ら動いてやり始めたっていうところも多いと思っていて。スキル前提でやれることを考えたほうがいいのか、それともやりたいことからスキルを身に付けていったほうがいいのか、そのあたりをどう考えているのかうかがえますか?

金:
私も大したスキルは別にないです。技術者でもないですし。最初にゲームの情報を発信しようと思ったのはすごい好きだったから。本当に大好きなんです(笑)。その好きっていう気持ちだけで、新しいスキルを培えたのはよかったと思っていて。私は偶然韓国語とか英語とかの語学力があったので、絶対仕事に活かせる何かがあると思っていたんですよね。で、その好きなこととか得意なことを軸に、プラスアルファのスキルがなかったとしてもそこは補っていける。ですので、スキル前提でじゃなくてもいいとは思ってます。

松尾:
ありがとうございます。もう一つ、かなり多く質問があったのが、パラレルキャリアで失敗した実例みたいなのがあったら教えてください、というものなんですけど。

柳内:
失敗例はたくさんありますよ。たとえばライフハッカーでの連載で『偉人大学』っていう企画をやってたんですよ。千利休とかエジソンとか歴史上の偉人が1日世の中に降りてきて世の中に大事なことを講義するみたいな話をテキストで起こすみたいな企画を考えて。当時のライフハッカーの編集長にお願いしたらそれを通してくれてしばらくやってたんですけど、取材の量がかなり膨大で(笑)。毎回その人の伝記を2、3冊読んで、現代に使えそうな面白そうな話を書いて、みたいなことをやって結構好評をいただいてたんですけど、それは体力が持たなくて。体力と得られるもののバランスがつかずに、最終的に三つぐらい書いて立ち消えました。立ち消えとか多々やってると思います。あんまり覚えてないタイプなんですけど、それをちょっと今思い出しました(笑)。

大塚:
私も同じですよ。本業と副業っていう話でいうと、どっかのタイミングで仕事量が増えるタイミングがブワーッて来て、全部一人でこなそうとしてもやっぱり24時間なんで結構無理な状況になっちゃうんです。

私もいろんなところで執筆をやらせてもらっていて、基本的にお話は受けるようにしてるんですけども、本数が増えるとやっぱりムリなんです。結局、自分ですべてをやっちゃおうとしてもどっかで壁がやってくるんですよね。だから、周りの方とどううまくやっていけるかっていうところが次のブレークスルーポイントで、全部安請け合いして全部一人でやろうとしないというのがいいということは学びました。

金:
私も全く同じですね。1日24時間じゃ足りなくなる。だから、睡眠時間を削るしかなくなるんですけど、睡眠時間を削って仕事の精度が落ちるという悪循環に陥ったことがあるんです。そこをもう率直に頼れる人にとことん頼って、でも頼ったからにはお返しをしなきゃいけないので、自分でやることと人に頼っていくところのバランスが難しいなと思ってます。その壁には何回か直面していて、今もちょうどぶち当たってるところです。

松尾:
ありがとうございます。

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この他にも参加いただいた方からの質問などにもお答えいただき、土曜の朝とは思えない熱量を放ちイベントは幕を下ろしました。参加者のみなさんも、パラレルキャリアについてのヒントを掴んだような表情をされていたように感じます。

今後もCAREERHACKでは記事の更新に加えて定期的にイベントも開催していきます。どうぞよろしくお願いいたします!

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本記事はCAREER HACKで掲載した記事を一部編集して掲載しています。CAREERHACKは、「WEB・IT業界で働く人々の人生を少し豊かにするメディア」として、話題の人へのインタビューや気になる会社への訪問レポートなど、"いま注目のヒト・モノ・コト"という切り口の記事をお届けしています。

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