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サイボウズ式:資料を何度も作り直させるのは三流以下の仕事

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【サイボウズ式編集部より】

この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズ外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回は「My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only」のファーレンハイトさんが考える「成果につながる仕事の依頼の仕方」についてです。

チームで仕事をする際に避けられないのは「仕事の依頼」です。

自分が仕事の依頼をすることもあれば、誰かから仕事を依頼されることもあるでしょう。チームワークが難しいひとつの理由に、優秀なプレイヤーは、優秀なワン・オブ・チームメイトでは必ずしもないという点が挙げられるでしょう。それが顕著に出る一例になります。

同時にこれは、組織における「教育」という側面に密接に関わっています。日本企業の多くは小さいタスクを新人や後輩に任せることで、成長を促しながら実業務の負荷分散を行っていくという役割分担をしていることが非常に多いからです。

今日はこの点を絡めながら話を進めてみようと思います。

さて、俺が会社員として「仕事を依頼」される経験のなかで、ムカついてきたのは<要件を明確に共有してくれない>ことです。

何を作ってほしいのか分からない三流以下の上司がいる

たとえば「資料を作っておいて」という依頼があるとします。ダメダメな上司は誰に対して使う資料なのか、どの資料のどこの部分に使うのか、どのようなイメージなのかを共有しません。何が発生するか?

自分なりに要点を抑え、気を利かせ、シコシコ作った資料を持っていった後に、

「あー、違うんだよなぁ。こんな感じが欲しかったんだよ。作りなおしてもらえる?」

なんてことを平気で言います。こちらに要求する粒度や表現について、事前情報が与えられていないにも関わらず、それを求めていたわけですよ。俺はエスパーじゃねーんだよ!

アジェンダの前提が変われば、丁寧に作った資料もすべて作り直しになってしまいます。

同時に、彼らはそこで発生する手戻りのコストを依頼した相手に負わせ、そこに対する反省がありません。他のタスクが出来たであろうリソースの機会損失を考えると、明らかなチームとしての工数のロスです。マネージメント力の無能さを露呈させてるわけ。

なんなら、こちらのセンスがないかのような言い分をする奴までいます。参考資料があるなら先に教えてくださいよ...。あんたの色とかフォントの好みなんか知らないですよ...。本当にムカつきますよね、あれ。

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こういった人たちに足りないのは<明確な要件をお互いに握る>ことに手間暇をかける姿勢です。

自分の頭の中のイメージをさらっと伝えて、それが相手に十分に伝わると思っていると言い換えてもいいかもしれません。スマホの同期のように脳内シンクロが出来てると思っているわけです。

さて、「明確な要件」というのは先に挙げた資料でいえば、<どのようなアウトプットの形に落とし込まれるか>になります。

具体的にはその資料がなぜ必要なのか?(背景)誰に対して見せる資料なのか?(目的)何を説明しようとしている資料なのか?(内容)どのように表現してほしいのか?(アウトプットのフレームワーク)を明確にするということです。

どれかに対する認識の共有が欠如した時点で、「ズレ」は発生します

「ズレ」は後工程になるほど修正に時間がかかる!

他人に対して仕事を依頼するときには「ズレ」をいかに事前に潰しておくか? というのが重要な視点になります。それにもかかわらず、依頼する方も依頼された方も、着手する前にそのズレを潰しにかかるコストを支払おうとしない傾向があります。

自分から見たときに「依頼主」を選ぶことは出来ないので、せめて依頼主に対して執拗に確認していく手間を惜しんではいけません。ウザがられようとひるんではいけません。それがスムーズに仕事を終わらせる生命線と言えるからです。逆に、自分が依頼する際にはくどいくらいにその点を共有するのがちょうど良いです。それほどまでに「パッと依頼して、自分が欲しいものがサクッと上がってくる」ことは少ないのです。

「ズレ」は後工程になればなるほど、修正に必要な時間が莫大に増えていく傾向があるからです。俺はこれを分度器のイメージで捉えています。同じ30°のズレでも、始点(着手)から離れる(時間の経過)ほどに距離(ズレの大きさ)は拡大していくのです。60°のズレであればもっとそれが大きくなります。だからこそ着手の際にズレを潰す必要があるのです。

この事実に対して認識が甘い人が「仕事を依頼するのが下手な人」の正体です。もっと言えば「他人と仕事するのが下手な人」の特徴なのです。俺らは彼らに振り回されないために、他人を振り回さないために、要件を共有する精度を上げる必要があるのです。

新人くん・後輩ちゃんたちと接するときの「ズレ」の視点

さて、とは言いつつも一定の条件下では執拗に要件を確認する必要はなくなってきます。例えば、ずっと一緒に仕事をしていれば上司がどんな成果物を欲しがるのかを理解してきます。また、会社において求められる成果物がどのようなものかを経験で把握してきます。

これは、経験により漏れている要件を自分で補完して成果物を作成することが出来るようになってくるためです。「サクッと」作ることが出来るようになってくることが多くなってくるのです。

ただし、例外があります。それが新人や後輩の存在です。

丁寧に説明したつもりでも欲しかったイメージやクオリティの成果物が上がってこない。そのわりには時間がかかる。本音を言えば「なんでこんなことが出来ないんだ?」と思うこともあるかもしれません。

そんなときには今回の「ズレ」の視点を援用してみてください。

自分が要求した成果物と彼(女)がイメージしている成果物にズレがないか? それを補完するために必要な知識と経験に関して、自分と彼(女)の習熟度にレベル差はないか? 単純にプレゼンテーションソフトや表計算ソフトのスキルにギャップはないか?

このズレを意識しないで彼(女)たちに要求することは、苦痛を与えているだけに過ぎないです。それを乗り越えられた人のみが優秀な人材というのはあまりにもマッチョイズムすぎると思うのです。

補完する知識と共有が自分ほどのレベルに達成していないのであれば、そのズレを潰すためにもっと細やかに情報提供してあげれば良いでしょう。ソフトを使うスキルが低いのであれば、徐々に覚えていってくれるまで目をつぶる必要が出てくるでしょう。時間が許すのであれば教えてあげても良いでしょう。

純然なアウトプットを見ることは大事ですが、彼(女)らに関しては、改善してほしいポイントをこちらが指摘してあげる必要・責任がこちらにあるのです。進捗報告を彼らにしてもらうのは進捗度の達成度を確認するためだけではありません。成果物が迷走し始めたときになるべく早い段階で矯正するためなのです。何が進捗を遅らせている要因なのかを把握するための材料なのです。

新人や後輩に接するときにはこの視点を絶対に忘れてはいけないと思うのです。自分を育ててくれた先輩がやってくれたことをそのまんま真似ているだけなんですけどね。

俺が他人と関わる際に大事にしている視点に「差分」があります。それはポジティブな意味でもネガティブな意味でもあります。良い方向に転がりそうな差分はそのまま拡大してもらう。自分に出来ないことをやってくれるその人の魅力。悪い方向に転がりそうな差分は極力潰していく。ディスコミュニケーションやスキル不足などです。

チームワークとは「違い」とどのように向き合うか、という姿勢そのものだと俺は考えています。

ファーレンハイトさんより

普段はブログ「My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only」、Web媒体「AM [アム] 」で恋愛・人間関係について書いています。サイボウズ式のブロガーズ・コラムでは、仕事・チームワークにおける他人との関係性について何らかの価値を提供できたらと思っています。

(サイボウズ式 2014年5月26日の掲載記事「資料を何度も作り直させるのは三流以下の仕事」より転載しました)

イラスト:マツナガエイコ

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