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車内改札がわずらわしいとは思わない

2014年11月04日 15時52分 JST | 更新 2015年01月03日 19時12分 JST

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東海道新幹線開業50周年のステッカー。

建設ITジャーナリストの家入龍太氏が東海道新幹線の車内改札について、不満を述べていた。21世紀に入ってから、車掌が所持する情報端末の進化などにより、「指定席は、指定された席以外にお坐りの方のみ、きっぷを拝見する」という傾向にあるからだ。言いたいことはわかるが、なんでもかんでも省力化すればいいというものではない。

■車内改札の意義

車内改札について、解説を試みよう。

(1)目的地までの乗車券、料金券(特急券など)を拝見する。

(1)と後述する(2)については、基本的なことで、不正乗車の防止を図っている。特にJRグループの夜行列車は、原則として車内改札を行なう。臨時快速〈ムーンライトながら〉〈ムーンライト信州〉は、青春18きっぷ利用客への対応、寝台特急〈サンライズ瀬戸〉〈サンライズ出雲〉は、シャワーカードの発売も兼ねている(寝台特急〈北斗星〉〈カシオペア〉〈トワイライトエクスプレス〉のシャワーカードは、食堂車で発売)。

(2)乗り越し精算、乗り換え列車の料金券(自由席特急券など)などを発売する。

私は2014年9月にJR東日本の普通列車を利用した際、車内改札に2回遭遇した。

1回目は信越本線の普通列車〈妙高6号〉長野行きで、車掌は最後部の指定席だけではなく、5両の自由席でも実施。私が乗車した1号車では、スムーズに進んだ。考えられるのは、Suica(交通系ICカード)対応駅が始発の直江津のみで、ほかの駅は非対応となっていること。終点長野で長野新幹線〈あさま540号〉東京行きに接続するので、新幹線自由席特急券の車内発売に備えていたと思う。

2回目は吾妻線の普通列車大前行き(3両編成)で、渋川を発車すると、車内改札が始まった。最後部の車両は早く進んだが、私が乗車した中間車は相当な時間を要した。理由は、Suicaエリア内の駅から、Suicaエリア外の駅まで利用する乗客が多いためだ。上記にあてはまる場合、車掌の精算端末で乗客のSuicaを出場処理したあと、現金精算となる(Suicaは次回以降、普通に使える)。

なお、同年10月1日より、吾妻線の東京近郊区間(大都市近郊区間)化に伴い、中之条、長野原草津口、万座・鹿沢口がSuica対応駅となった。

蛇足ながら、同社の精算端末で在来線の自由席特急券も購入できる(実際、特急〈かいじ〉の車内で、私の隣に坐っていたビジネスマンがSuicaで購入)。

(3)乗客の要望があれば、可能な限り席を調整する。

指定席でも席の移動が可能な場合もあるので、3つ御紹介しよう。

1つ目は、20年以上前に家族旅行(親兄弟と祖母の5人)で東海道新幹線100系〈ひかり〉の指定席を利用した際、当日購入のため、席がバラバラとなった(当初、自由席を利用する予定だったが、直前で変更)。親父が車掌に席の変更を求めたところ、調整の末、3人掛け2列分を確保していただいた。

2つ目は、臨時快速〈ムーンライト九州〉京都行きを利用した際、男性が坐った席で不具合が発生した。リクライニングができないため、その方は車掌に申し出て、別の席に移った。

3つ目は、ある特急に乗車した際、空席が多いのに、宴会状態の男性3人組と相席になった。私は黙って指定された席に坐ったが、男性が車掌に申し出たため、お言葉に甘えて、空いている席に移動させていただいた。

(4)防犯

車掌は無人駅から乗車した乗客にきっぷを発売するほか、防犯などを目的とした車内巡回も行なう。特に夜行列車の場合は、乗客が盗難に遭う可能性も高い。

ここ数年、ブルートレインの廃止が近づくと、車内を"巡回"する乗客が多いため、車掌は"このお客様と車内改札をしたのだろうか?"と考えるらしい。念のため、すれ違う乗客に声をかけ、車内改札もしくは、号車と部屋番号の確認を行なう。

車掌というのは、ドアの開け閉めや車内放送だけではなく、旅客情報案内装置や空調の管理なども行なうので、乗客が快適に過ごせるよう、常に神経をとがらせる(特に新幹線などの有料列車)。

■東海道新幹線の車内改札

東海道新幹線を管轄するJR東海は、たとえ技術が進んでも、車内改札を継続している。

省略できない理由として、乗り間違えや乗車予定の前後列車に変更する乗客が多いこと(実際、私も乗り間違えてしまった経験がある)、エクスプレス予約の存在も挙げられる。乗車予定列車の発車直前まで、何回でも別の列車に変更できるため、きっぷの発売データーや自動改札機の通過データーが一致しないことも想定しなければならない。

しかし、東海道新幹線全列車の全座席(16両編成、定員1,323名)で車内改札を実施しているわけではない。

〈のぞみ〉自由席の車内改札については、始発駅発車時(東京、新大阪)しか行なわず、ほかの駅を発車してもほとんどしない。つまり、途中駅から乗車した場合、家入氏が思い描いた通りに過ごせる可能性が高い(ただし、坐れる保証はない)。

〈こだま〉については、自由席主体(16両編成中10両設定)で、なおかつ、東京―名古屋・新大阪間といった長距離利用客も少ないので、車内改札は指定席とグリーン車のみ。〈ひかり〉の自由席については、10年以上も東京―新大阪間を乗り通していないので省略する。申し訳ありません。

私は、車内改札がわずらわしいと思ったことは1度もない。なぜなら、"当たり前の光景"だから。きちんと正規のきっぷを買えば問題ないし、万一乗り間違えや乗車区間の変更などが生じたときは、車掌がきちっと対応してくれる(客の立場としては、お手数をおかけしているので、申し訳ない)。無論、同じ列車で何度も「きっぷを拝見します」と言われたら、喜んで出す。それが彼らの仕事なのだから。

■コラム チケットホルダー

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JR東海373系のチケットホルダー。

同社の〈ホームライナー沼津〉〈ホームライナー浜松〉、JR北海道の特急〈スーパー白鳥〉、快速〈エアポート〉などでは、座席背面にチケットホルダーを設けており、乗客があらかじめきっぷを差し込めば、睡眠中でも車掌に起こされることなく、車内改札を受けられる。しかし、盗難や取り忘れる恐れもある。

Yahoo!ニュース個人より転載)