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北陸新幹線開通が地域に与える影響とは(カイケイ・ネット)

2015年04月07日 18時11分 JST | 更新 2015年04月07日 18時12分 JST
 

2015年3月14日に、JR東日本と西日本が共同運行する北陸新幹線の長野―金沢間が延伸開業しました。1973年に整備計画が始まり、1997年10月にまず高崎から長野間が開業、長野―金沢間が延伸開業の後はさらに金沢―敦賀(福井県)間が2023年に開業予定となっています。

「かがやき」「はくたか」「つるぎ」「あさま」の4種類の新幹線の運行が予定され、最高速度は時速260キロ。東京―金沢間は、これまでの約3時間50分から最高約2時間半まで短縮されます。

北陸が東京から近くなることで、経済効果が非常に高いといわれる今回の北陸新幹線の延伸開業。ここでは、プラス・マイナスも含め、北陸新幹線開通が地域に与える影響について見てみたいと思います。

■プラスの影響 心理的な距離感の縮小

3月14日の日経新聞によると、北陸新幹線延伸開業による経済効果が、富山県と石川県の両県だけで年間200億円あると試算しています。金沢の特別名勝・兼六園の3月14日、15日の2日間の来園者数は計1万7000人と開業前の40%増の入園者数を記録しました。またJR金沢駅構内のショッピング街でも、同2日間の来店者数が過去最多になったと報道されています。 そして、東京と北陸の距離感が心理的に縮まることで、駅のすぐ先の地域へ足を延ばしてみようという周遊機会の効果があるといわれています。

■マイナスの影響 その1:「ストロー効果」とは

「ストロー効果」とは、交通網が整備されると、交通基盤の「口」にあたる市町村・地域に経済活動が集中し、「コップ」にあたる市町村・地域の経済活動が逆に衰える現象をいいます。特に長く細い(=1本の)通り道だけで大量の移動が起き、途中の中継地に移動に伴う経済効果がほとんどないのが特徴です。

1997年の長野新幹線の開通で、東京駅から長野駅間がそれまでの約3時間から約1時間40分になったため、これまで地方支店としていた事業所等を閉鎖し、首都圏に集約したため、事業所数が減少するといった影響が出ていました。

■マイナスの影響 その2:第三セクター移管のルール

また新幹線が開通すると、その在来線の経営はJRから分離するというルールがあるため、今回の北陸新幹線の開業で、並行している在来線(信越本線と北陸本線)はJRの経営から離れて第三セクターに移管されることになっています。長野駅から金沢駅の在来線は、4つの第三セクターに小刻みに分断されます。

分離した並行在来線は、赤字必至で、地元自治体に重い負担としてのしかかります。そして、利用者の立場からも、小刻みに第三セクターに分断されることで、地域の交通機関としての役割が衰退し、利便性の低下や運賃の値上げなどの問題が指摘されているため、地域住民にとって新幹線開業は100%手放しで喜べるというわけではないのです。

新幹線の開業はプラスの側面を多く含んだ話題として取り上げられることが多いですが、こういったマイナスの側面にも目を向け、課題を沿線の自治体や企業が共有し、企業だけでなく、地域住民にとってもプラス効果が享受できるような取り組みが必要でしょう。

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(2015年4月7日「シェアーズカフェ・オンライン」より転載)