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中国 景気減速、投資家の逃げ道は?

2013年04月30日 14時54分 JST
Reuters

[ロンドン/ニューヨーク 29日 ロイター] コモディティ(商品)への投資が落ち込んでいる。中国、米国、欧州の経済指標が思わしくなく、世界経済の見通しが悪化。これに伴い、コモディティ需要も再評価され、4月に大幅下落した。投資家はまだ下げるとみて敬遠し続けている。

原油など19商品の先物相場で構成されるロイター/ジェフリーズCRB指数<.TRJCRB>は年初から約4%下落している。それでも、投資家はまだ押し目を拾う時期でないと言う。

メリルリンチ・ウェルス・マネジメント(EMEA)のチーフマーケットストラテジスト、ヨハン・ヨーステ氏は「現在コモディティーを中立から若干アンダーウエートとしている」と明らかにし、「マクロ的材料はコモディティを支援する内容でない」と指摘した。 調査会社EPFRグローバルのデータによると、4月、コモディティに投資するミューチュアルファンドからは26日時点で約90億2000万ドルの資金が流出した。ブラックロックのデータによると、第1・四半期にコモディティ上場投資商品から85億ドルが流出したとされている。

VTBキャピタルのアナリスト、Andrey Kryuchenkov氏は「まだ危機を脱していない」と述べ「投資家の信頼が完全に回復していない局面で下げを限定し下支えるためには、持続的な実需が必要」と 指摘した。

コモディティが特に敏感に反応するのが、中国経済に関するニュースだ。 鉱工業生産や投資が減速し、第1・四半期の中国の成長は8%を割り込んだ。 シカ・ウェルスマネジメントのジェフ・シカ最高投資責任者(CIO)は、中国の景気減速が予想よりはるかに深刻になることがコモディティにとって最大の懸念要因と指摘した。

シカは、コモディティをアンダーウエート、中国需要への感応度が特に高い銅をショートとしている。中国は銅の最大の消費国。運用担当者は、中国の強い成長なくしてコモディティの好パフォーマンスはありえないと言う。

<より安全な投資先を求めて>

マルチアセットの運用担当者はすでに、コモディティから第1・四半期が好調だった株式への乗り換えを進めている。 しかし、選好されているのが景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株というのが、投資家の慎重姿勢を表す。 「投資家はリスク資産でも比較的安全な資産を選好している」(INGインベストメント・マネジメント)という。

コモディティ中心のファンドマネジャーは、年後半の回復を期待している。各国中央銀行の緩和策がインフレを引き起こし、金などのコモディティを支援するとの見方からだ。 しかし、マルチアセットのファンドマネジャーやアナリストは、金融緩和の効果に懐疑的。米インフレ連動債の動向も踏まえ、今年中にインフレが加速することはないとみている。 メリルリンチ・ウェルス・マネジメントのヨーステ氏は、「戦術的見地、および中期的にみて、コモディティは押し目を狙う対象にはならない」として株式をロングにし、それで成果を挙げているとしている。

ロンドン・アンド・キャピタルの投資責任者アショク・シャー氏は、経済情勢が悪化すると予想し、短期的にはインフレよりもデフレの確率が高いとみている。「アルミや銅の見通しは引き続き、極めて厳しい」と述べた。 シカ氏も弱気。原油が「絶望的なレンジ」に陥ると予想。銅については「原油よりひどい。中国の景気減速の深刻さをよく表している」と述べた。

(Claire Milhench、Barani Krishnan記者;翻訳 武藤邦子;編集 宮崎大)