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お台場にカジノは実現する? 猪瀬都知事がカジノ構想

2013年06月04日 19時20分 JST | 更新 2013年06月04日 20時03分 JST
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Excited friends gambling at roulette table in casino

東京都の猪瀬直樹知事は3日、都議会の所信表明で臨海副都心地区でカジノ設置を目指す考えを改めて明らかにした。お台場にカジノを――。石原慎太郎前都知事も提言していた構想は実現に向けて前進するのだろうか。

現在、カジノは刑法の賭博罪などに触れるため、実現できていない。猪瀬知事は所信表明演説で、2017年には東京を訪れる外国人数を1千万人に増加させるための取り組みを表明。その中で「(臨海副都心では)今後は、大規模なMICE施設とレストランや劇場、『大人の社交場』としてのカジノなどの観光施設を一体とした統合型リゾート施設の整備を検討していく」と語った。さらに、「国会における一日も早い法整備を期待している」と求めた。

カジノ構想は、石原慎太郎前都知事も1999年の初当選直後から提案していた。だが、実現を阻んだのは刑法。現在、カジノは刑法第185条(賭博)及び第186条(常習賭博、 賭博場開張)により禁止され、カジノに参加した人やカジノを開いた人は罰せられる。

カジノが日本でも合法化されれば、観光誘致や地域活性化、雇用拡大などにつながるとの見方があり、経済効果への期待が高い。そのため、カジノ誘致の動きは、東京だけでなく、沖縄や長崎などでもある。日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長もカジノ誘致に意欲的だ。今年1月に安倍晋三首相と会談した際、カジノを含む統合型リゾート(IR)の設置を要請したという。

世界のカジノ市場は拡大している。マカオやシンガポールなど経済成長の原動力になっている国もある。

PwCが2011年に発表した年次レポート「Global Gaming Outlook: 2015年までのカジノ&オンラインカジノ市場」では、2015年には世界のカジノ収益が1828億ドルに達すると見込まれると試算。特にアジア太平洋地域での成長率はめざましく、2013年に米国を抜いて世界最大のカジノ市場になると予測している。

ロイター通信によると、日本でカジノが合法化され、大規模カジノリゾート施設が2か所できれば、娯楽関連収入は少なくとも100億ドル規模になり、シンガポール(59億ドル)や米ラスベガス(62億ドル)を上回ると証券会社CLSAが試算している、としている。

カジノ解禁に向けた動きは国会でも加速しつつある。4月24日には、カジノ合法化と観光振興を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」が総会を開き、今秋の臨時国会に議員立法での法案を提出する方針を確認した。

また、朝日新聞デジタルによると、安倍晋三首相は4月17日に開かれた産業競争力会議で、地域を限って大胆な規制緩和を進める「アベノミクス戦略特区」に着手する考えを明らかにし、アベノミクス特区の1つに大阪府・大阪市を挙げ「カジノなど総合リゾートの整備」を検討するという。

一方、カジノ構想については、犯罪組織の関与の懸念や青少年への悪影響、風俗環境の悪化など、ギャンブルの弊害を心配する声や慎重な意見もある。

産経ニュースによると、1月下旬に開かれた関西広域連合と経済界の意見交換会で、カジノを含む統合型リゾートをめぐって、推進派と反対派の意見がぶつかる場面があったという。関西経済同友会が大阪にIRを誘致するよう要請したことに対し、反対派の井戸敏三兵庫県知事が「広域連合としては取り組まない」とぴしゃり。推進派の松井一郎大阪府知事とのやりとりを次のように報じている。

推進派の松井一郎大阪府知事が「(大阪府は)やります。(関西広域連合が取り組まなくても)応援していただければ」と控えめに支援を求めても、井戸知事は「応援もしない。いずれにしても、カジノを使ったような振興はしたくないし、しません」と言い切り、松井知事も苦笑いするしかなかった。
産経ニュース 2013/1/24 19:27)

経済効果を期待して誘致を望む声もある一方、反対・慎重な声もあるカジノ構想。今後も各地で様々な議論がありそうだ。