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第2期教育振興基本計画、教育予算のOECD並水準を断念、財務省反発で

2013年06月15日 15時04分 JST | 更新 2013年06月17日 22時33分 JST

安倍内閣は14日、今年度から5年間の教育政策方針をまとめた「第2期教育振興基本計画」を閣議決定した。教育予算の「経済協力開発機構(OECD)諸国並み」という水準は、財政支出を抑えたい財務省の反発で見送られ「諸外国における教育投資の状況を参考とする」と記す結果となった。

教育振興基本計画は、教育基本法に示された教育の理念の実現に向けて、今後10年間を通じて目指すべき教育の姿を示すとともに、今後5年間に取り組むべき施策を計画するというもの。第1期教育振興基本計画は、平成20年(2008年)に策定され、今年は、第2期の教育振興基本計画が策定されることになっていた。

文部大臣の諮問機関である中央教育審議会(中教審)が、4月18日にまとめた第2期教育振興基本計画“案”では、公的な財政支出を「経済協力開発機構(OECD)諸国並み」と明記していた。現在の教育財政について、朝日新聞デジタルは下記のように報じている。

文科省などによると、教員の人件費や学校の運営費など、国と地方が教育機関に支出した総額(公財政教育支出)は09年度で16・8兆円で、国内総生産(GDP)に占める割合は3・6%。OECD加盟国平均は5・4%で、日本は比較可能な31カ国で最下位。高等教育分野だと日本は0・5%で、OECD平均(1・1%)の半分に満たない。

(朝日新聞デジタル「教育費支出「OECD並み目指す」 中教審答申案に明記」より。2013/03/16 19:59)

日本の公的な教育費の低さは、家庭による教育費の負担増につながり、教育格差を拡大させる要因になっているのではないかという指摘があった。

しかし、財務省の財政制度等審議会が5月27日にまとめた報告書では、教育における公財支出がGFP比で低いのは、少子化が原因とし「子ども1人あたりで見ればOECD諸国と遜色が無い」と反論。また、これまでの公財支出で、どれほどの効果があったかを示すべきとも書かれている。

過去2年間少子化が進むほど教員数をはじめ公財政支出は低下しておらず、在学者一人当たりの支出額は増加傾向にある中で、教育・教員の質は上がったのか、どのような成果があったのか具体的な検証を行い、国民に示すべきである。

教育予算については、国民の最大の関心事である教育の質向上に向けた施策の明確な成果目標とロードマップを定め、改善サイクルが働くようにすることが重要であり、成果につながる質・手法の改善とあわせて資源を投入する仕組みを構築していく必要がある。

(財務省財政制度等審議会「財政健全化に向けた基本的考え方 」より。 2013/5/27)

財政制度審議会は、教育予算をOECD並みの水準にするためには、教育に対する高財政支出を16.8 兆円から25.2兆円と、約10兆円引き上げる必要があるとも指摘している。

この内容を受け、14日の閣議後に行われた記者会見で、下村博文 文部科学大臣は「第2期教育振興基本計画」について、教育成果の実現を図る観点から、各方向性ごとに、成果目標、指標、具体的方策を整理していると発言した。

安倍政権では教育再生と、経済再生が最重要課題とされている。「第2期教育振興基本計画」では、海外で活躍できる人材の育成や小学校における英語教育の教科化の検討が盛り込まれている。

このニュースを受けてインターネットのユーザーの反応は、「矛盾がある」「どこが教育再生か」などの声が多数上がっている。

教育予算も増やさずに、どこが「教育再生」か。小学校英語の教科化、高校生への到達度試験実施、大学教員の年俸制による賃下げなど、子どもと教師には重い負担。教育への公的負担率はOECD最低レベル。最低な第2期教育振興基本計画を閣議決定。

— 江利川 春雄 (@gibsonerich) June 15, 2013

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