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消費増税 集中点検会合・1日目「総論」、経団連会長や元日銀副総裁の岩田一政氏など【争点:アベノミクス】

2013年08月27日 16時55分 JST | 更新 2013年08月27日 17時02分 JST
時事通信社

消費税率を引き上げたときの影響を検証するために、政府が有識者から幅広く意見を聞く『集中点検会合』が始まった。第1日目の8月26日は日本経団連会長の米倉弘昌氏や、元日銀副総裁の岩田一政氏などが参加した。

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政府は26日夕、来春に予定している消費増税の是非を判断するため、日本経済や財政への影響などを有識者から聞く「点検会合」をスタートした。

「総論」をテーマにした初日の会合では、米倉弘昌日本経団連会長らが、予定通り来年4月から消費税率を3%引き上げるべきとする一方、山根香織主婦連合会会長が増税自体への反対を表明。元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長は毎年1%の増税がデフレ脱却に有効と主張するなど多様な意見が展開された。予定通り増税する場合でも低所得者対策や財政出動、減税措置など影響を緩和する政策の必要性を多くが主張した。

<有識者7人が意見表明、増税「予定通り」は5人>

会合後に会見した甘利明経済財政担当相によると、初回の会合に出席した7人のうち、予定通りの増税を主張したのは米倉氏のほか加藤淳子東大大学院教授、古賀伸明連合会長、社会学者の古市憲寿氏、増田寛也前岩手県知事の5人。会合終了後、米倉氏は記者団に対し、増税計画を修正した場合は「日本財政への国際的な信認は瞬く間に失われてしまう」とし、「実体的にも、金融システムにしても非常に打撃を被るのではないか」と危機感を表明。古賀氏は「前提条件付き賛成」とし、社会保障制度の将来像の明確化や、雇用創出、低所得者対策などの必要性を訴えた。甘利担当相によると、会合では消費増税の影響を緩和するため、財政出動や減税措置などを主張する声もあったという。

<岩田氏、増税の影響緩和に対策5兆円を提案>

一方、岩田氏は、2015年10月の2%引き上げを含め、予定通りの増税は15─16兆円の需要削減効果になるとし、毎年1%ずつ5年間かけて税率を引き上げる手法が早期のデフレ脱却には有効と主張。もっとも、小刻みな増税は政治的な制約や法改正、企業負担など「実務上の困難」を伴うとも述べ、予定通りに消費増税を実施する場合は、法人減税の前倒し、自動車取得税・重量税の廃止、一時的な所得減税などが必要とし、対策規模として5兆円程度を提案した。

<有識者60人の意見を集約、首相が10月上旬までに最終判断>

政府は「消費税率引き上げにかかわる経済状況などの総合的勘案の参考とするため、幅広く各層の有識者・専門家に意見を聞いていく」(麻生太郎財務相)ことを目的に、点検会合を31日まで6日連続で合計7回実施する。一連の会合には、「経済・金融」や「国民生活・社会保障」などテーマごとに総勢60人の有識者・専門家が参加。政府側からは麻生財務相、甘利担当相のほか黒田東彦日銀総裁、経済財政諮問会議の有識者議員が出席して意見を聞く。

安倍晋三首相は、有識者会合での議論や9月9日に発表される4─6月GDP改定値などの指標も踏まえ、秋の臨時国会開会前の10月上旬までに消費増税の是非などについて決断する。甘利担当相によると、会合で出された意見を集約して安倍首相に提出、経済財政諮問会議でも議論する。それらを踏まえて「デフレ脱却と社会保障・財政の持続性確保に向けて一番いい道」(甘利担当相)を安倍首相が最終判断する方向だ。

27日は「経済・金融」をテーマに伊藤隆俊東大大学院教授や浜田宏一内閣官房参与ら9人が出席し、意見を表明する。

*内容を追加して再送します。

[東京 26日 ロイター]

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