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卵子凍結、未婚女性にも容認 妊娠・出産の先送りは推奨せず【卵活】

2013年09月13日 21時00分 JST | 更新 2013年09月13日 22時43分 JST
時事通信社


不妊女性への福音か。それとも妊娠・出産先送りの手段か――。卵子凍結保存容認をめぐって、「卵活」のあり方にさまざまな議論が起こっている。

日本生殖医学会は13日、未婚女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存することを事実上容認するガイドライン案をまとめ、公表した。ただし、凍結保存による妊娠・出産の先送りは推奨しないとした。一般から意見を募り、11月以降に正式決定する。47NEWSが伝えた。

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指針案には40歳以上での卵子採取や、凍結保存した卵子の45歳以上での使用は推奨できないことが盛り込まれた。また本人の生殖以外の目的では使用できず、本人死亡の場合は卵子の破棄を求めた。

将来の妊娠に備えた独身女性の卵子凍結保存を認める指針案をまとめた日本生殖医学会の吉村泰典理事長は13日、記者会見し、凍結を行う医療機関を登録制とする考えを明らかにした。登録医療機関には、技術の難しさを凍結希望者に説明することや、実施件数の報告を求める方針。

吉村理事長は「卵子凍結や、出産の先送りを推奨するものではない。卵子凍結が無秩序に行われることに警鐘を鳴らすためのものだ」と話した

■ 「選択肢が増える」「実効性に疑問」分かれる意見

卵子凍結保存をめぐっては、賛成の声と、慎重に進めるべきだとの意見が双方持ち上がっている。

卵子凍結のコーディネートやセミナーなどを行っている、リプロセルフバンクの香川則子所長は次のように述べている。

「女性が自分の人生を選ぶ権利を肯定されたことの意味は大きい。今までは(凍結は)既婚者の不妊治療を専門としている医療機関で行われてきたケースが多いが、これをきっかけに一般の婦人科検診を行うような病院でも、独身女性が卵子凍結について気軽に相談できるような広がりがあればいいと思います」
(朝日新聞出版dot.「AERA2013年9月9日号 卵子凍結しても使わない? 独身女性へ凍結容認もジレンマ」より)

一方、運用面が未整備のまま卵子凍結が容認されることに慎重な意見もある。

実効性をめぐっては、会員からもさまざまな意見があがる。仮に25歳で卵子を凍結した女性が45歳で使用するとなると、凍結期間は20年。その間に施設が廃業した場合、卵子はどうなるのか。認定した学会は責任を負えるのか。何より指針には法的拘束力がなく、罰則もない。未受精卵の凍結による出産は、受精卵のそれより成功率が低く、卵子凍結を希望する女性はこうした知識を持った上で決めることが重要だ。
(MSN産経ニュース「卵子凍結、実効性に課題も 低い成功率…法的拘束力なし」より 2013/09/14 00:28)

これからは凍結した卵子の扱いに苦慮する問題も起きそうだ。

指針には、「凍結保存した卵子の使用は45歳以上は推奨できない」という項目が盛り込まれる予定だが、実際に使用期限を迎えた女性が卵子の破棄を決断することは難しいという。未婚女性の卵子凍結を行ってきた東京都渋谷区の「はらメディカルクリニック」の原利夫院長は以下のように指摘する。

「未受精卵でも子どもを預けているような気持ちになる人もいて、簡単に破棄できない。『推奨できない』というだけでは現場も混乱する。もっと細かい規定やカウンセリング体制の確立が必要でしょう」
(朝日新聞出版dot.「AERA2013年9月9日号 自分の子どもと同じ? 凍結卵子「破棄できない」女性たち」より)

気軽に活用すべきか。慎重に取り扱うべきか。未婚女性による卵子凍結保存のあり方について、みなさまのご意見をお寄せください。

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