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今年の"バルス祭り"は431万件 Twitterとテレビの関係を数字から読む

2013年11月05日 23時06分 JST
Getty
The Twitter Inc. logo is displayed on the company's preliminary prospectus arranged for a photograph in Washington, D.C., U.S., on Monday, Oct. 28, 2013. Twitter Inc., which embarks on its road show to investors today, will make the case to potential investors in its initial public offering that it needs to keep spending to grow, and profit will come once it can reap the benefits of those investments. Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images

Twitter Japan株式会社は10月31日、広告関係者向けイベント「#FlywithTwitter Tokyo - Plan for the Moment」を開催した。これは、Twitterを広告ツールとして活用している顧客を対象に開いているもので、登壇者も、同社関係者の他、ツールベンダーに広告クライアント、広告代理店関係者と、「広告媒体としてのTwitter」の実情をよく知る人々に集中していた。

特に今回多かったのは、最大の広告メディアである「テレビ」と連動する場合についての情報である。そこで本記事では、同イベントで示されたいくつかの数字を採り上げ、その背景にある現象について説明していきたい。

Twitterユーザーの半数がテレビを見ながらツイート

アクティブユーザー2.3億人/モバイルからの投稿が75%/一日あたりの投稿5億ツイート

本イベントの中で、同社は何度も「Live、Public、Conversational」というキャッチフレーズを使っていた。これはTwitterの特徴を表すものであり、ここから説明するいくつかの数字も、まさにそこにひも付いている。

Twitterはつぶやきの内容がSNSの中に閉じていない。有力な他のSNS、例えばFacebookやmixiなどの内容はサービス内に閉じた情報になっており、一般的なインターネットからは見えないことが多い。Twitterはそうでない比率が非常に高いことから、結果オープンな会話が多くなる。つぶやきはリアルタイムな内容が多く、身近な端末であるモバイル機器の利用率が当然高い。

前出の3つの数字は、それを示す値といえるが、テレビに関するツイートの情報も、この3つの特性がベースである。

Twitterユーザーの50%が、テレビを見ながらTwitterにアクセスしている

この数字は、Twitter Japanパートナーシップ・ディレクターの牧野友衛氏が示したものだ。同様に牧野氏は「TVに関するオープンな会話の95%はTwitterで行われている」とも話す。これについては、有力な他のSNS、例えばFacebookやmixiなどの内容はサービス内に閉じた情報になっており、外部からは見えないことから、結果オープンな会話が中心であるTwitterの比率が多くなる、という事情もあるだろう。どちらの数字も「テレビとTwitterは親和性が高い」という定評を裏付けるものだ。

この55%のうち、テレビを見ながら「つぶやいて」いる人の割合は33%になる。残りの22%は、ハッシュタグなどを使って番組に関するツイートを見ている人、ということになるだろう。

アメリカではツイート数が8.5%増えると、視聴率が前年比で1%増える。日本では21%がツイートを見てチャンネルを変えた

アメリカで、Twitterがテレビ視聴率調査で知られるニールセンと提携し、アメリカで10月より、テレビの視聴率調査とTwitterを連携し、テレビ番組に関する会話からテレビ番組の消費者に対するリーチを計測する「Nielsen Twitter TV Rating」の提供をしている。これに絡み、今年の3月に行った調査によると、番組に関するツイート量が8.5%増えると、同じ番組の視聴率が、前年比で1%増えたという。8月に220番組を対象に行った調査によると、29%の番組において、ツイートの上昇と視聴率の上昇について、統計的に有意な関係が見つかっている。

同様に日本の場合、マクロミルによる調査では、ツイートを見ることによって27%の人が、テレビをつけるなどの「テレビに関する行動」を起こし、21%が実際にチャンネルを変えている

ツイートが多いほど、番組もCMも見られている

また、ビデオリサーチ・テレビ事業推進部新指標開発担当の長島英樹氏氏は、2つのデータを紹介している。

一つは「ツイートが多い番組ほど長時間見られている」という結果だ。418のバラエティ番組を対象に平均視聴時間を算出し、さらに視聴率の高い・低い、ツイートが多い・少ないでグループ分けすると、視聴率の低い番組の場合、ツイートが多いほど視聴時間も長くなる傾向にあるという。これを長島氏は「ツイートが多いほど、番組に対するコミットメントが強いと解釈できる」と説明する。

それに関連して重要なのは「長時間見られる番組ほどCMも覚えられる」ということだ。番組全体の3分の2を見た人は36.3%の人がCMの内容を覚えていたのに対し、3分の1しか見ていなかった人は27.5%にとどまった。

すなわち、ツイートの量はテレビ番組へのコミットメントの強さにつながり、コミットメントの強さは番組視聴時間に繋がり、結果、そこへ出稿されるCMの価値向上に繋がる。このコミットメントの強さこそが、視聴率に加えて広告効果、番組への興味度を示す指標になる、ということだ。 こうした行為はツイートの量と中身により、テレビに対する優位な影響として分析されている。Twitterはこれを「インプレッション」と呼んでいる。ビデオリサーチも、インプレッション集計による情報提供を、日本で来春にも開始する予定だ。

TV×Twitterで、ネットでの購買意欲は58%上昇し、情報へのエンゲージメント率は27%アップする

Twitterは広告手法として、つぶやかれている内容を分析、それがどのテレビ番組のものであるかを特定し、それに応じて広告を展開する「テレビターゲット広告」の展開を予定している。

これは、Twitterが買収したBluefin Labsのソーシャルテレビ分析技術を用いたもので、全米で放送されているCMを分析管理した上で、ツイート内容に基づいて1000を越えるチャンネルの中から、ユーザーが観ているチャンネルを特定し、そのチャンネルでCMを視聴していたであろうと推定されるTwitterユーザーに対して、プロモツイートを配信する、という仕組みである。

米・Twitter社プロダクトマーケティングマネージャーのJohn Heywood氏は、「テレビとTwitterは友だちのようなもの」と言う。テレビターゲット広告を使った場合、その商品を思い浮かべる確率(想起性)は98%、インターネット上での購入意欲は58%、エンゲージメント率(その情報に対し反応の割合)は27%アップする、という。

すでにアメリカでは始まっているものだが、Heywood氏は「日本でも2014年上半期に導入を予定している」と発表した。

2011年と2013年に「バルス」を1秒もずれずにつぶやいた人は、日本中で1428人いる

最後にちょっとしたトリビアを。

Twitterのつぶやきは、統計可能なデータの形で、いくつかの企業に全文、リアルタイムに提供されている。そこからは現在のユーザーの姿が読み取れるため、いくつもの企業が、企業や商品の反響を分析する「ソーシャルリスニング」サービスを提供している。

Twitterのパートナーとして、そうした分析サービスの提供を行っている、NTTデータ・第三法人事業本部ソーシャルビジネス推進室の佐藤勇一郎氏は、「過去すべてのデータが存在し、解析が行える」として、「天空の城ラピュタ」のテレビ放送が行われるたびに起きる「バルス祭り」の例を挙げている。

「天空の城ラピュタ」のテレビ放送はおおむね2年おきに行われており、Twitterのサービス開始後、初めて放送されたのは2007年のこと。その当時はTwitterの普及率が低かったため、ツイート数は「わずか106件」(佐藤氏)だったという。その後、2009年に3万2140件、2011年に106万6990件と急上昇し、今年は431万4588件にまで増えている。

この集計は「放送日」を単位としたものなので、放送前後の感想などに含まれる「バルス」も含まれる。だが、時間に着目し、2011年と2013年、両方で1秒とずれずにつぶやいた人の数だけを抽出すると、前出のように1428人になる、という。ちなみにこれは、そのタイミングでつぶやいた人の8.8%にあたるという。

さてみなさんは、多いと思うだろうか。少ないと思うだろうか。

(文・写真:西田宗千佳)

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