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「艦これ」に負けない「自衛隊これくしょん」〜フォトジャーナリスト嘉納愛夏が歩いた戦場「そこに、あなたがいた」年末年始スペシャル〜

2013年12月31日 15時29分 JST | 更新 2013年12月31日 15時29分 JST
嘉納愛夏

この年末年始もオンラインゲーム「艦隊これくしょん」(艦これ)が注目を集めているが、ハフポストに「そこに、あなたがいた」に連載しているフォトジャーナリスト嘉納愛夏さんから、自衛隊の写真が届いた。最新鋭の護衛艦「あきづき」から、群雄割拠の「ゆるキャラ」まで。「艦これ」に負けない日本の「自衛隊これくしょん」をどうぞ−−。

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10月27日の自衛隊記念日に最高指揮官である安倍総理大臣を観閲官とする、観閲式が朝霞訓練場で実施された。毎年陸海空持ち回りで実施される観閲式(陸=観閲式、海=観艦式、空=航空観閲式、と呼称)。今年の目玉は最新鋭の国産10(ヒトマル)式戦車部隊や、これまでより一歩踏み込んだ観閲官訓示なのだろうが、観閲式の前後にイベントとして行われていた装備品展示に付随して、装備品の周りを漂っていた「自衛隊ゆるキャラ」に注目してみた。

自衛隊のゆるキャラの歴史は意外と長い。訴訟問題も抱えた防衛庁時代に誕生した防衛省の「ピクルス王子とパセリちゃん」。朝霞駐屯地にある陸上自衛隊広報センター・りっくんランドの「りっくん&アサカちゃん」、同地にある「東部方面隊総監部」が作り出した「あづまくん」などなど。近年のゆるキャラブームにのってさらに調子付いてきたといえる。

装備品展示エリアに行くと、定番の「あづまくん」が子どもたちと写真に収まっていた。傍らにはほぼ同じつくりのWAC(女性陸上自衛官)、「かすみちゃん」。そして少し離れた場所に疲れて座ってだらしなく写真に収まる、またまたあづまくん?!と思ったら、あづまくんにクリソツの千葉地方協力本部(自衛隊のリクルートセンター)のキャラ、「ちばマモルくん」……紛らわしい。チーバ君が一緒にいればわかるけど。振り向くと、黄色い丸い物体が子どもたちにアタックされたり貼り付かれたりしている。

静岡地方協力本部の「しずぽん」。一見するとみかんだが、実は静岡特産が合体した「ぬえ」なのである。ボディはみかん、手はお茶っ葉、足はなんと黒はんぺん。おいおい……。しかしかなり背が低いので中の人はかなり大変だろう。今度は赤い物体がやって来た。群馬地方協力本部の「だるまん」。これは…もっと中の人がしんどそうだ。「だるま=手も足も出ない、自衛隊のキャラとしていかがなものか(笑)」と意見するのは旧軍に造詣が深い研究者の荒木肇氏。名産品を単に自衛隊ゆるキャラに投影するのは危険ということか。

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その点安心なのは、普遍的なかわいい小動物をモチーフにした神奈川地方協力本部のゆるキャラ「はまにゃん」。さわやかな白い海上自衛隊の制服に身を包む猫だ。階級は3等海曹。特技は耳をピクピク動かす動作。……着ぐるみの中で両腕を移動させるのは結構大変そう。異色なのは新潟地方協力本部の「ヒカリン・マモル」……コンセプトはアンパンマンのパクリと言われても仕方がないような、頭部がおにぎりの自衛官である。常に野外炊事車が帯同し……って、そんなことはありません。

ほかにも埼玉地方協力本部の「サイポン」(動物のサイがモチーフ)、東京地方協力本部の「トウチ君」(ゆりかもめがモチーフ)が来ており、総勢8ヵ所から勢ぞろい。しかし全国にあるのでその数はゆうに100を超えるだろう。しかし……そんなに作ってどないすんねん?

■プロフィール 

嘉納愛夏(かのう・あいか) 

1970年生まれ。神戸芸術工科大学卒業。写真週刊誌の専属カメラマンを経て、2004年からフリーになって以来、ジャカルタ暴動やパレスチナ、ジャワ中部地震など戦場や被災地の過酷な第一線に身を投じてきた。写真集に「中東の戦場スナップ」(アルゴノート刊)。

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