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日テレがHuluを買う理由 Huluが日本事業を売る理由

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BEVERLY HILLS, CA - JULY 31: General view of atmosphere at the Hulu 2013 Summer TCA Tour at The Beverly Hilton Hotel on July 31, 2013 in Beverly Hills, California. (Photo by Michael Kovac/Getty Images for Hulu) | Michael Kovac via Getty Images
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スマホやパソコンなどで、動画が見放題になるビデオオンデマンド(VOD)サービス「Hulu」が、日本における事業を日本テレビに売却することを発表した

Huluはディズニー、21世紀フォックス、NBCユニバーサルの合弁事業で2008年にアメリカでサービスイン、2011年に日本に上陸し、月額980円の見放題サービスを提供してきた。日本での事業は、Huluが作った会社を日テレが子会社化する形で継承するという。

なぜ、日テレはHuluを買ったのか。なぜ、Huluは日本の事業を売ったのか。ジャーナリストの西田宗千佳氏に聞いた。

――今回の譲渡の背景にある、VOD業界の現状は?

まず背景として、アメリカではもうレンタルを中心としたDVD市場は崩壊し、定額制VODに置き換えられています。作品単品のVODも定着はしていますが、流れは定額制。そこで一人勝ちしているのがNetflixで、ワールドワイドの加入者では、4400万人を越えています。

Huluはテレビ局・映画会社が共同設立した会社で、アメリカではNetflixに押されています。そこで、有望な市場として日本に参入し、高感度層・ITリテラシーの高い層を中心に日本ではゆっくりと顧客層を増やし、コンテンツの利用拡大にようやく積極的になってきた、という感じです。

が、NTTドコモが「dビデオ」をはじめた結果、日本での状況が変わってきました。dビデオはすでに約450万人の会員を獲得しており、日本の定額制VODとしてかなり影響力が強くなってきました。ソフトバンクのUULAも100万契約程度あります。

Huluの会員数は未公表ですが、それらよりかなり少なく、数十万契約以下とみられています。会員獲得原資の多い通信キャリア系に対して、今後の成長の絵が描けない、とされても不思議はないでしょうね。

――事業を買った日テレの思惑は?

テレビ局としては、放送としてのCM収入だけでなく、制作コンテンツからの収入拡大を見込むためには、定額制VODは欠かせない市場です。だが、これまでに幾度となくやってきた「VODプラットフォーム」は失敗続きで、うまくいっていない。

いまから自社で設備投資をしてプラットフォームを作るよりは、技術的に確かでブランドもあるHuluを買収し、時間とノウハウを買うのが得策、と判断したのでしょう。

――売ったHulu側は?

自社だけでは会員獲得と事業拡大が難しい、と判断しての売却でしょう。日本では圧倒的に、テレビ局系列の企業がコンテンツを押さえているので、彼らとの連携強化は必須。そこで、日本テレビ側から買収の話があったので乗った、というところでは。

――今後の展開はどうなる?

ドコモ、ソフトバンクといった通信キャリア系と戦うには、テレビ局のような資本とコンテンツがあるところが前面に出る方が有利なのは事実です。ただし、日テレ傘下になることで「非日テレ系コンテンツ」がどうなるかが問題。Huluにコメントを求めたところ、コンテンツとしてはこれまで通り、他のテレビ局のものも扱う方針だそうなので、日テレだけの存在に固めたい、と思っているわけではなさそうです。

しかし、今後も他局が「進んでHuluに提供したい」と思うか否かは、買収後の運営方針次第、としか言えませんね。他局としてはむしろ、複数の定額制VODサービスに並列にコンテンツを提供する流れを加速することになるかもしれません。

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