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北朝鮮・金正恩氏の動静消えて1カ月 10日の党記念行事に注目集まる

2014年10月09日 18時03分 JST
Reuters

[ソウル 9日 ロイター] - 北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記(31)が公の場に姿を見せなくなって1カ月余りが経過する中、10日に行われる朝鮮労働党の設立記念行事に出席しなかった場合、正恩氏の健康状態や権力掌握をめぐる憶測がさらに広がるとみられる。

金正恩氏は9月3日、夫人とともにコンサートを鑑賞したと伝えられたのを最後に国営メディアに登場しなくなった。

10日には朝鮮労働党設立69周年の記念行事が行われる。正恩氏は過去2年間、この日に父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記と祖父の金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている施設を訪問している。

ジョンズ・ホプキンス大学SAIS(スクール・オブ・アドバンスト・インターナショナル・スタディーズ)の研究者であるカーティス・メルビン氏は、「(正恩氏が)姿を見せなければ、何らかの困難な状況に直面しているとの憶測がさらに広がることになる」と指摘した。

一方、北朝鮮の当局者は正恩氏の健康不安説を否定。また北朝鮮情勢を注視している米当局者も、正恩氏の健康状態が深刻になったり、政治的な問題が起きていることを示す兆候はないと述べた。

北朝鮮のテレビが先月、正恩氏の健康に問題があると伝えたことも健康不安説をあおった可能性がある。

また、正恩氏が権力闘争に巻き込まれた可能性を指摘する向きもいる。北朝鮮の最高幹部が3日、韓国・仁川で行われたアジア大会の閉会式に出席するために韓国を電撃訪問したことも、こうした見方を強めた。

ただ、東南アジアに住む北朝鮮出身者のために活動するシンガポールの非政府組織(NGO)「朝鮮交流」のアンドレイ・アブラハミアンは、正恩氏が姿を見せていない理由は健康問題との考えを示した。アブラハミアン氏は、正恩氏が他の重要人物と常に権力を分け合ってきたとし、内部で権力バランスに変化があったとしても、正恩氏が持つ象徴的な価値に太刀打ちできる人物はいないため、同氏が排除される可能性は低いと指摘した。

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