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LEDを全身に付けて暗闇のゲレンデを滑る「ナイトスキー」は、現実離れした美しい芸術になる(動画)

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真っ暗闇で滑走するナイトスキーなんて、正気の沙汰じゃない。ただし、頭からつま先までLEDが取り付けられたカスタムメイドのスキーウェアを着て、カナダの山奥で絶壁を滑るような場合は別だ。それは芸術になる。

この現実離れした動画は、自然をテーマにしたドキュメンタリー映画の制作会社「スイートグラスプロダクション」による最新のスキー映画「アフターグロー」のライトスーツのシーンである。実現するのに「国家事業なみの計画と技術が必要でした」とプロデューサーが振り返るように、例えようもないほど魅惑的な仕上がりになっている。

監督のニック・ワグナー氏に、ライトスーツの滑降シーン撮影についての秘話、そして夜の暗闇を照らす深い森の中の光を実現したかのような動画がどのように作られたか、話を聞いた。

――ライトスーツのシーンのアイディアはどのようにして生み出されたのですか?

ニック・ワグナー氏: LEDスーツは、スウェーデンの広告代理店アルストランド&ヴォールグレーンとフィリップスTVとの共同制作によるものです。彼らが開発した新しいテレビ「アンビライトTV」で再現される色と光を表現するためのものでした。その素晴らしさを示すことのできる最適の形が、たまたまスキーと雪の世界だったのです。そしてそれは、私たちがナイトスキーのシーンを使って実現したいと考えていたこと、つまりスキーに全く新しい美学をもたらすことに合致するものでした。

lightsuit ski segment

――技術面ではどのようにこのシーンを実現したのですか?(スキーヤーのジャケットに巨大なバッテリーが入っていたのですか?どうやってロープライトをスキーヤーに取り付けたのですか?それから遠くに見えるのは、巨大な色つきのスポットライトですか?)

ワグナー氏: 撮影は大変苦労しました。撮影期間は5週間におよび、機材の費用は9000ポンド(156万円)にもなりました。また時には、道路から70マイル(約113キロ)離れた場所で、深雪の中、気温マイナス15度で撮影することもありました。

製作面では間違いなく悪夢のような経験をしましたが、14人のスタッフがしっかり進め、今目にしている作品ができあがったのです。製作や空撮を担当したザック・ラムラス氏やマックス・サンテウザーニオ氏から、照明担当のチームに至るまで、とてつもない労力が必要でした。照明についての難解なレンズ設計図を調べ、光度測定のチャートや電流に関する文献を何か月もかけてあたり、やっとたどり着いたのが、8個のメインライト、8個の発電機、16本から20本のライトスタンド、何マイルにも及ぶ延長コード、カラーフィルター、そしてさらに多くの機材を用いた大がかりなシステムでした。

そして極めつけは、カメラのブレを抑えるスタビライザー「MoVI」に取り付けた「レッドエピックカメラ」を搭載して飛行したマルチコプターです。ハイテク機器のように聞こえると思いますが、実際その通りです。複雑なシステムですが、先ほど言った通り、チームスタッフの努力のおかげで撮影は滞りなく進行しました。しかし、状況は毎晩コロコロと変わったので、次第に私たちは、最高の撮影ができた翌晩は、想定するほどうまくいかないだろう、と予想するようになったくらいでした。映画撮影なんてそんなものなのでしょうね。成功を祝った次の瞬間には、うらぶれた小さな町の食料品店の隅っこに置かれた冷凍野菜袋の中にある小さなエンドウ豆みたいにしょんぼりと引き返すこともありました。しかも冬の深夜にそんな事態になったこともありました。

LEDスーツそのものは、カスタムメイドしました。メーンプロデューサーのザックとマックスは、LEDの専門家と緊密に連携しながらスーツを制作しました。アウトドアブランドの「パタゴニア」や「アークテリクス」からウェアを入手し、何千もの小さなLEDライトを1つ1つウェアに縫込み、キャンディーバーほどの大きさのバッテリーに接続しました。当初は点灯するかどうかも分かりませんでしたから、スキーヤーのペップ・ファスがコースに入り、初めて青い光を発しながら滑り降りてきた時は衝撃的でした。無線機越しに全員が叫び声をあげましたね。でもすべてが華やかだったわけではありませんよ。マックスとザックは、いつも朝の4時にロッジに走って戻って緩んだワイヤをはんだ付けしたり、スーツの壊れた部分を直したりする作業に追われていました。撮影で使われたスーツにはそうした努力があったのです。

photo

――大変なエネルギーを費やされたわけですが、環境への影響を最小限に抑えるために心がけたことはありますか?

ワグナー氏: 大量の化石燃料を燃焼したかのように思うでしょうが、毎日の撮影は完全に人力に頼ったものでした。100ポンド(約45キロ)くらいの重さの装備をかかえて移動しましたし、深い雪の中、重い照明をかかえて長距離を行き来することもありました。カナダのスキー場に滞在中、すべての電力やバッテリーは彼らのマイクロハイドロ発電機で充電しましたが、これは雪のずっと下で流れる小川を使用して電力を生成する仕組みとなっています。また、奥地のロッジに滞在した際は、車は一切使用せずに、実際に戸口からスキーで滑って出かけていました。

photo

――スキーヤーの視界に問題はありませんでしたか?夜間に絶壁を滑り下りるのは日中に滑り降りるのとは全く違うと思うのですが。

ワグナー氏: LEDスーツの最大の問題は、スキーヤーがターンするたびに、ライトが霧の中のヘッドライトのように周りを照らし出したことです。ゴカナダのスキー場では快晴に恵まれましたから、空中を舞う雪が最高の映像になる一方、アスリート達の視界の妨げになるため、そのバランスをとるのが困難でした。ペップ・ファス、エリック・ヒョルリーフソン、クリス・ベンチェトラー、ダロン・ラルブスといったスキーヤーは非常に高度な技術をもっていますから、コースの多くは目隠しをしていても滑れるのではないかと感じています。瞬時に反応したり、方向転換したり、そして調整し直す彼らの能力は素晴らしいもので、だからこそ彼らはこのスポーツで伝説のスキーヤーとなっているのでしょう。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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A Ski Trip To Antarctica
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