糸井重里さん率いる人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」が数年以内に上場を目指す――5月5日、時事通信が報じた。糸井さんがインタビューで答えたという。
糸井氏が上場を考えるのは、「会社を残す」ためだ。糸井氏は現在66歳。ある時点から「会社はもう自分のものじゃない。このメンバー(社員)やこのお客さんがいないと、この会社じゃない」と考えるようになった。上場で得た資金の使い道については「人が欲しい」と即答した。
上場すれば株価の上昇や高い配当を迫られるが、糸井氏は「そうじゃない株主もいるはず。会社が『健康』に成長することに目を配ってくれる株主にも会えるはずだ」と期待する。これまでの常識にとらわれず、株主となる賛同者と「(成長する)方法を一緒に考える」ことが、「ほぼ日」の目指す「柔らかいIPO」のようだ。
(時事ドットコム:「ほぼ日」、数年内に上場=糸井重里氏「柔らかいIPO」に 2015/05/05 14:38)
「ほぼ日刊イトイ新聞」は1998年に創刊のウェブサイト。多くのインターネットメディアが広告収入に頼るビジネスモデルを選ぶ中、読者との交流を育み、独自のコミュニティを形成。それを元に「ほぼ日手帳」などオリジナルグッズや、連載を書籍化して販売し、広告でなく物販を中心にビジネスを展開している。時事通信によれば年間売上高は30億円を超えるという。
東京糸井重里事務所のCFO(最高財務責任者)の篠田真貴子さんは、2014年9月、ウェブメディア「cakes」のインタビューで、上場を示唆するとも取れる発言をしている。
事業家や投資家などこれまでクリエイティブと縁遠かった人たちが、こういったロジックを私よりももっと深く理解して、ビジネスになるところまで進化させてくれたらいいな、なんて思ってるんです。クリエイティブというものをつぶさずにね。
(「ほぼ日」はディズニーになれるか。|「ほぼ日」のひみつ――篠田真貴子インタビュー|篠田真貴子|cakes(ケイクス) 2014/09/23)
ただ「ほぼ日」は、糸井さんの個人の色の強いメディアという印象も強く、上場を懸念する声もツイッターには投稿されていた。
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