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保育園、住民の反対で開園断念 千葉県市川市「聞き入れてもらえず」なぜ?

2016年04月12日 23時44分 JST | 更新 2016年04月13日 14時38分 JST
Junko Kimura via Getty Images
NAGOYA, JAPAN - NOVEMBER 09: Children from a nursery school gather at the Port of Nagoya to see the arrival of two ships, Kaiwomaru and Nipponmaru to celebrate the 100 years anniversary of the Port on November 9, 2007 in Nagoya, Aichi Prefecture, Japan. The Port of Nagoya is the number one trade port in Japan, thanks to its location close to the main office and factories of automobile giant Toyota. (Photo by Junko Kimura/Getty Images)

千葉県市川市で4月に開園を予定だった私立保育園が「子供の声でうるさくなる」などと近隣住民から反対され、運営主体の社会福祉法人が開園を断念していた。4月11日に毎日新聞などが伝えた。

この問題が報道されると、全国から抗議を中心にメールや電話が市川市に50件ほど寄せられたという。これを受けて、市川市は12日に記者会見を開き、経緯を説明。こども施設計画課の小西啓仁課長は「去年(開園が)決まった保育園の中でいちばん大きなものだったので、極めて残念」と話した。

厚生労働省によると、市川市の待機児童は2015年4月時点で373人と全国の市区町村でワースト9位。定員108人の保育園が新設されることを、市や関係者も期待していたという。

■近隣住民が保育園建設に反対、なぜ?

建設予定地の周辺は、一戸建てが中心の閑静な住宅街で、高齢世帯が多い場所。毎日新聞によると、2015年8月に開園を伝える看板を立てたところ、反対運動が始まったという。住民側は市や社会福祉法人に対し、計画撤回の要望書を提出した。

産経新聞によると、市川市などは2015年10月以降、住民説明会などを複数回実施して理解を求めたが、住民からは「騒がしくなる」という声のほか、予定地が幅約3メートルの道路に面していることから「予定地に面する道路が狭くて危ない」と交通事故の危険性を指摘する反対意見も相次いだ。「住民に相談なく保育園設置が決まっており、市の対応に不満がある」と事前説明の不足を指摘する声もあったという。

■市川市「防音壁を提案したが、聞き入れてもらえず」

弁護士ドットコムによると、市川市の小西課長は会見で「市川市はもともと道が狭い。その中では道路が見通しもよく、(幼稚園も安全性に)配慮された設計だったので、設置に特に問題があるとは思っていませんでした。言葉が不十分で誤解を招いた部分もあったかもしれません」と話した。

その上で「社会福祉法人は、防音壁を設置する予定でした。住民説明会で二重窓にするなどの提案もしていましたが、聞き入れてもらえませんでした」と、近隣住民の理解を得られなかったことを明かした。

■子供の声めぐるトラブル、各地で

子供の声をめぐるトラブルは、2014年には神戸市東灘区の保育園の近隣住民が「子どもたちの声がうるさい」として防音設備の設置や慰謝料100万円の支払いを求める裁判を神戸地裁に起こした

東京都目黒区でも、2015年4月に開園予定だった保育園が、子供の声による騒音などを心配した住民からの反対運動を受けて、開園を延期したことが話題になった

一方で「子供の声を抑制することは、心身の発達段階にある子供にとってストレスになる」という意見もある。東京都は2015年3月、子供の声を規制基準に適用しないよう都議会で条例を改正した

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