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「今度は私たちが助ける番」カナダの山火事でシリア難民が支援活動

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カナダ・アルバータ州のフォートマクマレーで5月1日、大規模な山火事が発生し、現在も延焼を続けている。地元の自治体は火が住宅地にも及ぶおそれがあるとして、すべての住民に当たる8万人余りに避難命令を発令。乾燥した風の強い天候の影響で火は勢いを強めており、焼失面積は東京23区の3倍以上に広がるおそれがあるという。

■カナダに住むシリア難民が被災者支援を開始

カナダにはシリアからの難民が暮らしているが、彼らは自分たちを受け入れてくれた恩返しとして、山火事に見舞われたフォートマクマレーへの支援活動を始めた。シリア難民支援グループ・カルガリー支部のメンバーたちは、自分たちのできる範囲で支援活動を行っている。ワリッド・アジュラム氏は、山火事で避難した人たちのために必要な物資を集めて梱包し、リタ・ カーラス氏は一口5ドルの寄付金を集めている。

シリア難民のナセル・ナデル氏は5月4日、火災で被災した人たちを助けることでカナダに恩返しをしたいとFacebokに書き込こんだ。投稿はリタ・カーラス氏がアラビア語の投稿を英語に翻訳したものだ。

「カナダの人たちには本当に助けてもらいました」「今度は私たちが助ける番です」。これがきっかけとなり、多くの人が山火事の避難者支援に乗り出した。

シリア難民支援グループの共同設立者であるサム・ナンモウラ氏は、シリア難民たちが「山火事の被災者を支援したい」と訪れてきた時には驚いたという。ハフポスト・カナダ版の取材に対し、「シリアは寛容な国としての長い歴史があります」「まだカナダに来て2、3カ月しか経たない難民たちが支援活動をしてくれているのです。1口5ドルの寄付金でも、集まれば相当な金額になります。彼らのことを、とても誇りに思っています。涙が出て、本当に嬉しかったです」と語った。

syrian refugee support group
フォートマクマレーの火災の被災者に救援物資を送る、シリア難民支援団体カルガリー支部のメンバー

■「カナダの人たちにお礼を言い、何か力になれることをしたいのです」

同じく、同団体の共同設立者であるサイマ・ジャマル氏も、シリア難民の寛大さに感激したという。「難民一人にできることは、微々たるものかもしれません。しかしシリア難民は、町の人全員が住む家を失うとはどういうことか、良く分かっているのです。だから彼らは、今回の火災ですぐに支援活動に乗り出したのでしょう。彼らもまた、住む場所を失うという経験をしたのですから」とカルガリー・ヘラルド紙に話した。

またジャマル氏によると、カナダがシリア難民を受け入れることを反対していた人たちの考えが、ナデル氏のFacebookへの投稿をきっかけに変化したという。「そうした人たちは、シリア難民が私たちと同じように思いやりを持った人たちであることを目の当たりにし、自分たちもできる形で力になりたいと考えているのです」とメトロニュースに語った。

ナンモウラ氏も「シリア難民たちは、カナダ人、カルガリー市民の寛大さに感謝しているからこそ、今度は逆に火災で被災した人を助けたいと考えているのです」「カナダの人たちにお礼を言い、何か力になれることをしたいのです」「全くもって素晴らしいことです」と述べた。

helicopter fort mcmurray fire
フォートマクマレーの火災で起こった煙の前を飛行するヘリコプター

フォートマクマレーで猛威を振るう火災から避難した人の中には、シリア難民の姿もある。ファヘド・ラベク氏は、2日前に母、姉、義理の兄、二人の子供と一緒に町から避難した。ラベク一家は2月にシリアからカナダにやって来たばかりだった。ラベク氏はカナディアン・プレスに「シリア難民が中東から避難した後も、火災のトラウマに耐えなければいけないことを心配している」と話した。

フォートマクマレーのNPO団体カナディアン・トゥルー・パワーの代表、アマニ―・ダーウィッシュ氏は、6組のシリア難民の家族が今回の大規模火災から無事に避難したと発表した。

この記事はハフポスト・カナダ版に掲載されたものを翻訳しました。

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Fort McMurray Wildfire (May 2016)
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