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「次はフリントだ」アメリカ先住民の抗議デモを助けた退役軍人たち、再び正義のために立ち上がる

2016年12月13日 01時15分 JST | 更新 2016年12月13日 01時15分 JST

アメリカ先住民スタンディングロック・スー族の居留地の水源が汚染される懸念から、石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」建設への抗議に加わっていたノースダコタ州に来たアメリカの退役軍人たちは、ミシガン州フリント市で新たに結集する計画を立てている。

ダコタ・アクセス・パイプラインは、石油パイプライン会社「エナジー・トランスファー・パートナーズがノースダコタ州からイリノイ州までをつなぐ1172マイル(約1886キロ)のパイプラインを建設するプロジェクトだ。建設ルート近くの居留地に住むアメリカ先住民スタンディングロック・スー族は、水源のミズーリ川が汚染されることを懸念し抗議デモを続けていた。

アメリカの退役軍人ウェス・クラーク・ジュニア氏はスタンディングロック・スー族の水源を守り、「国内で行われているこの野蛮な不正を止める」ため、退役軍人たちを集結させた

一方、フリント市は水道水が高濃度の鉛汚染に見舞われ、健康被害が出ている。フリント市は、ヒューロン湖を水道水の水源とするデトロイト市から供給を受けていたが、2014年、深刻な財政危機に陥っていたフリント市は、ミシガン州知事から任命された管財人が経費削減の一環として水源をフリント川に変更した。しかし、フリント川の水質は塩素などが多く水道管が腐食し、鉛が水に溶け出す事態となった。2015年には体調の異変を訴える住民が続出したが州当局は無視していた。オバマ大統領はミシガン州に非常事態宣言を発令し、公的資金で水質が汚染された地域を支援した。

住民の抗議で水源は元に戻されたにもかかわらず、住民は今も健康被害に悩まされている。この地が活動家精神にあふれた退役軍人たちの次の目的地になるようだ。

クラーク氏は12月5日、「いつになるかは分かりませんが、私たちはフリントへ向かうつもりです」と地元メディア「ミシガン・ライブ」に語り、フリントの住民が長年不当に扱われ、支援が必要なことを指摘した。

スタンディングロックのために協力する退役軍人をまとめるウェス・クラーク・ジュニア氏は、キャンプでのルールや役割を退役軍人たちに簡単に説明する。

数百人の退役軍人が11月下旬、 パイプラインに反対する水の保護者を名乗る人々の「人間の盾」となるためノースダコタ州にやって来た。この動きは、「水の保護者」スタンディングロック・スー族の抗議デモ参加者と警察の衝突後に始まった。当局は、デモ参加者たちに催涙ガスやゴム弾を浴びせ、気温が氷点下にもかかわらず大量に水を噴射していた。

陸軍省は4日、オアヘ湖を通すという最終的な地役権を拒否しパイプラインの建設を中止した。その間陸軍省はパイプラインのリスクを評価し、代替ルートを探すための環境影響評価書を作成している。

ノースダコタ州に来た陸軍の退役軍人アーサー・ウッドソン氏とフリントの住民は、デニ参加者に味方する退役軍人たちの最後の一押しが、パイプライン建設中止という結果に繋がったと考えている。

ウッドソン氏は「全メディアが注目したことで、スタンディングロックにさらに注目が集まりました。そして政府は態度を変えました」と、ミシガン・ライブに語った。

1月、集会でフリントの水危機についてエンゼするアーサー・ウッドソン氏。

ウッドソン氏とフリント出身で海兵隊の退役軍人ジョージ・グランディII世はABCニュースに、スタンディングロックとフリントの危機には多くの共通点があると述べた。どちらも社会から取り残された集団が、きれいな水を飲む権利を求めて、権力のある人間と闘っている。

最終的にフリントへ向かう退役軍人が何人になるのか、いつまで退役軍人がスタンディングロックの抗議キャンプに残るのかは分からない。ただ厳しい冬の気候がデモ参加者にとって新たなリスクとなっている。スタンディングロック・スー族の族長デイブ・アーチャムボールトIII世はスー族以外のデモ参加者に感謝を示す一方で、冬の間キャンプから離れるよう求めた

しかし、スタンディングロックの闘いもまだ終わっていない。パイプラインの開発会社エナジー・トランスファー・パートナーズ(ETP)とスノコ・ロジスティクス・パートナーズは4日、プロジェクトを完成させることに引き続き「尽力する」と語った。ETPの子会社ダコタ・アクセスは5日、陸軍省の発表にもかかわらず、オアヘ湖の地下を掘削する許可を連邦政府に求める文書を裁判所に提出した

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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スタンディングロックの退役軍人たち

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アメリカ先住民、ダコタ・アクセス・パイプライン抗議デモで擁護した退役軍人たちに赦しの儀式(画像)

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