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「三人称『ze』を使おうとは言っていない」オックスフォード大の学生連合が発表

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OXFORD UNIVERSITY CAMPUS
オックスフォード大学 | Michael Kiedyszko via Getty Images
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オックスフォード大学の学生連合が、学生が「he(彼)」や「she(彼女)」ではなく「ze」という男女の区別がない三人称を使うことを学生たちに対して推奨したというニュースを受けて、事実ではないと発表した

イギリスのニュースサイトサンデー・タイムズは12月11日、オックスフォード大学の学生連合が発行したリーフレットに、「トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の学生たちが気分を害してしまう機会をなくすため、"ze"という単語の使用を推奨していくと書かれている」と報じた。

そのニュースは、ハフィントンポストを含む他のメディアによっても報道された。

【該当記事】
男でも女でもない三人称「ze」を使おう オックスフォード大学が推奨

上記の記事に対して、オックスフォード大学学生組合(OUSU)が現地時間12月12日に発表した声明によると、「学生たちに対して、第3者を示す際に"ze"という代名詞を使うことを推奨したリーフレットは作成していない」という。

学生連合は、「ze」という人称代名詞を使うことの趣旨を尊重していると指摘したものの、単語を使うことは誰に対しても強要していない、としている。

学生連合の発表の一部を抜粋する。

トランスジェンダーの学生たちのサポートのひとつとして、「ze」といった人称代名詞を使うことや、男性・女性の分類分けをしないアイデンティティーを尊重していることを強調したいと思います。

「he」や「she」といった3人称を使いたかったとしても、その代名詞ではなく「ze」を使わなくてはいけないと学生たちに進言したことはないとお伝えします。

例えば、トランスジェンダーの学生たちに対して「he」や「she」といった代名詞を使うことは、個人が定義するアイデンティティーと異なっている場合があり、大きな影響を与えるかもしれません。


OUSU Statement: The Use Of Gender Neutral Pronouns - Oxford University Student Union's Websiteより 現地時間2016/12/12 16:14)

学生連合は、一連の報道の情報源となったのは、学生連合が発行したリーフレットではなく、学生を統率するリーダーなどが使っている補足資料である可能性が高いとしている。そこには、第3者について言及する時、その人を示す代名詞を統一することや、憶測で3人称代名詞を決めつけない重要性について書かれているという

また、誤った情報が報じられた原因として、「ze/hir」や「ey/em/eirs」といった新しい代名詞について言及した、他の大学が発表しているトランスジェンダーに関するガイダンスと混同された可能性があるとした。

学生連合の声明はこう続けている。

自分がどの3人称で呼ばれることを望んでいるか主張したり、他者の代名詞を憶測で決めつけたりしないことを薦める運動は、特に過激でも物議を醸すものでもありません。オックスフォード大学だけではなく、学生間のコミュニティやLGBTQにフレンドリーな場所にとっても、それは標準的な運動です。そして、私たちはその運動を奨励しています。


OUSU Statement: The Use Of Gender Neutral Pronouns - Oxford University Student Union's Websiteより 現地時間2016/12/12 16:14)

トランスジェンダーの学生や、自分の性を男性か女性か定めていない学生たちにとって、性別が決まってしまう「彼(he)」や「彼女(she)」という言葉をかけられたり使ったりするのは、心地よくない場合がある。そうした性に関する多様な声を受け止めようと、新しい呼び方を考える教育機関が増えている。

アメリカ・ワシントンD.C.にあるアメリカ大学では、生徒たちが使える代名詞のリストの中にジェンダーニュートラル(性別不問)な「ze」や「e」といった代名詞を含めている。また、名門ハーバード大学では、入学時に行う手続きで学生たちが自分の人称代名詞を自由に選べるようになった。

ハフィントンポストUK版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。