森友学園が格安で国有地購入 理事長は「第六感が働いた」と主張

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Reuters Staff / Reuters
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学校法人「森友学園」が2017年春開校予定の小学校「瑞穂の国記念小学院」の用地として取得した大阪府豊中市の国有地をめぐり、土地の売却額や取得の経緯について疑問の声がでている。

2月9日の朝日新聞デジタルによると、財務省近畿財務局は国有地の売却額を非公表としていた。

国有地の売却結果は、透明性と公正性を図る観点から「原則として公表」とされている。非公表であることを問題視した豊中市の市議が8日、金額の開示を求めて大阪地裁に提訴した

財務局は10日、一転して売却額を公表。近隣国有地の約1割の価格で売却していたことを明らかにした

森友学園をめぐっては、2014年に「安倍晋三記念小学校」の名で学校建設の寄付金を募っていたことでも物議を醸している。

同学園の籠池泰典理事長は20日、TBSラジオの番組「荻上チキ・Session-22」に出演し、売却額について学園側が非公表とするよう依頼したことを認めた。また、安倍首相の名前を使った寄付金募集については、無断使用ではなかったとの認識を述べた。

■格安での国有地取得、これまでの経緯は…

森友学園に売却されたのは、豊中市野田町の約8770平方メートルの国有地

朝日新聞デジタルによると、この国有地をめぐっては、土地全域の深さ3メートルまでの地下から廃材や生活ごみが見つかり、一部区域の表土から環境基準を超える鉛・ヒ素を検出。豊中市は2013年4月、約472平方メートルを特定有害物質の汚染区域に指定した。

2013年9月、公募に応じた森友学園は、小学校用地として土地の取得を希望したという。

2015年5月、財務局は森友学園と10年間の定期借地契約と期間内の売買予約契約を締結した

2015年7月〜12月、森友学園が全域の深さ3メートルの地下までから、コンクリート片など720トンや、鉛などの汚染土1090トンを除去。これにより、汚染区域の指定は解除された

2016年4月、森友学園は除去にかかった費用として1億3176万円を大阪航空局から受領した。ところがその後、学園側は「地下にさらに大量のごみがある」と報告したという。

森友学園は財務局に「借地ではなく買いたい」と、一転して土地購入を希望する旨を伝え、これを受けて財務局は2016年6月、鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費として見積もった8億1900万円などを差し引いた1億3400万円で売却した

売買代金は10年間の分割払い。森友学園が契約時に納めたのは、頭金の2787万円。残金と利息は2017年5月以降に毎年、約1000万円ずつ支払われる

20日の衆院予算委員会で民進党の玉木雄一郎議員は、国側が得た収入は土地の売却代金(1億3400万円)と土壌汚染除去費(1億3176万円)の差額の約200万円に過ぎず、「近隣地は約14億円で売っているのに、国有地を200万円で売却している。異常だ」と指摘した

■籠池理事長「家の値段、近所の人に言わない」

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「瑞穂の国記念小学院」公式サイト

20日の番組でパーソナリティの荻上チキ氏は、籠池氏に対し「なぜ土地の売却価格が非公表だったのか」と質問した。

籠池氏は「定期借地の制度について詳しくは知らなかった」とした上で、「ご自身の家がいくらで買いましたいうのは、あんまり近所の人に言わないでしょ?」「それと同じ感覚で、お国の方から『どうされますか?』って言われたときに、『それだったら言わんといてくださいね』というようなことでお伝えをした」と述べた。

財務局は朝日新聞の取材に対し、「学園側から非公表を強く申し入れられた。公表によって学校運営に悪影響が出るおそれがある」と説明している

■土地の値段は「お国も『ナンボですよ』と言ってくれませんでした」

荻上氏は「国有地が売却される、あるいは貸し出されならば、透明性が問われる」とした上で、国有地の借地を考えていた時期に「どれくらいの価格だというのは把握していたか」と問うた。

これに対して籠池氏は「わからない。そういうところは強くない」「お国のほうも『ナンボですよ』ということは言ってくれませんでした」と、土地価格は把握していなかったことを強調した。

また、借地から土地購入へと切り替えた理由については、地下からゴミ(廃棄物)がでてきたため、「第六感」が働き、「賃借料が安くなるだろう」「それなら購入金額も安くなるのでは」と思ったという。

一方で、荻上氏から「8億円値引きされ、実質1億円ちょっとで購入できると知ったときはどう感じたか」と問われると、「8億円云々というけど元々その金額がいくらだったのか知らない」として、差し引きされた金額だけを知らされたと主張。

地下から出た廃棄物の処理状況について、籠池氏は「建物のところに関しては、ほとんど完了している」と説明。その一方で、処理費用については「金額は存じ上げておりません」とし、見積もり額について「言えない」と回答を避けた。

■「安倍晋三記念小学校」で寄付募る でも許可は…

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開校予定の「瑞穂の国記念小学院」は、安倍晋三首相の昭恵夫人が名誉校長に就任している。学園側は、設置を目指していた小学校について2014年に「安倍晋三記念小学校」という名前で寄付金を募っていた。

これについて籠池氏は、寄付を募ったことを認めた上で、「(2007年の内閣総辞職後に)衆議院議員をしていた間だけ。自由民主党の総裁になった段階で、その話はなくなった」と述べた。

ただ、安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、名前の使用依頼があったが「お断りした」と答弁している

これについて籠池氏は、「お願いしたが、返答がしばらくなかった」と回答。その上で、「(昭恵夫人)を通じてやりとりしたが、断られた」と説明した。

「安倍晋三記念小学校」という名前で寄付を募っていたことについて、荻上氏は「許可をもらう前に(首相の名前を)使ったのでは」と重ねて質問。

これに対し籠池氏は「そんなことはない。打診をしたが、回答前に早めに対応をかけてしまった」「タイムラグの問題」と、無断使用ではないと釈明した。