組体操事故で後遺症、世田谷区が話し合いを提案 父親「なんで今さらとも思ったが...」

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組体操練習中の事故をめぐって、第1回口頭弁論後に記者会見する両親 4月25日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ | Kei Yoshikawa
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小学校の運動会に向けた組体操の練習中に転倒し、重い障害が残ったとして、当時小学6年だった東京・世田谷区の中学2年の男子生徒(14)と両親が、区と当時担任だった男性教諭に計約2000万円の損害賠償を求めている訴訟で、4月25日に第1回口頭弁論が東京地裁で開かれた。

訴状によると、男子生徒は2014年4月、区立小の体育館で2人1組の補助付き倒立を行った際に転倒し、後頭部や背中を強打。激しい頭痛やめまいなどに襲われるようになり、脳脊髄液減少症と診断された。現在も日常生活に支障が出ているという。

組体操事故で後遺症、提訴=世田谷区に賠償請求-東京地裁:時事ドットコムより 2017/02/28 12:08)

男子生徒側は、「耳の病気で回転運動が難しいと申告していたのに倒立をさせた」「担任は床にマットを敷くなどの安全措置を講じておらず、事故後に状態を確認して保健室に連れて行くなど適切な対応を取らなかった」などと訴えている。

■男子生徒は「毎日通えても4時間目まで。帰宅するとグッタリ」 母親が明かす

第1回口頭弁論後、男子生徒の両親が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。

母親の定松啓子さん(46)は、「息子は学校の授業中、組体操中の練習でケガをした。ただ、学校で生活していれば何かしらのケガをしても仕方ないと思っています」と述べた上で、「大切なのは、事故が起きないように十分に安全に配慮をすること、事故が起きてしなった時の初動対応とその後の正しい報告です。それが一番知りたいところ。正しい報告とその後の子供と家族のフォローにある」と、体育の授業における安全策の改善を訴えた。

啓子さんは会見の中で、現在の男子生徒の様子についても語った。

「中学2年生までは毎日通えても4時間目まで。帰ってくるとグッタリするような状態が続いていた。体育もできないものが多かった。行事参加も限られた。常に頭痛や腰痛などに悩まされてきました。『少ない時間でも学校は通いたい』ということで通っています」

「いまは中3になったので受験を意識して…。学校の保健室で休憩をとりながらも6時間目までなんとか持たそうと思っているようですが、昨日はやはり疲れが溜まったのか、授業の途中で倒れたようで。車椅子で保健室に運ばれました」

■父親「息子は『和解は絶対に嫌だ』と言っていた」

原告側代理人の髙木薫弁護士によると、世田谷区側と担任の男性教諭側は「過失はなかった」として争う姿勢。一方で、区側は話し合いによる早期の解決方針を示しているという。

佳輝さんは会見後、男子生徒が「和解は絶対に嫌だ」と語ったことがあると明かし、区側が話し合いによる解決を提案したことについて「なんで今さら…とも思ったが…」と述べた。

一方で、「一番大事なのは、一日も早く息子に通常の学校生活をさせてあげること。中学3年という大事な時期、早く解決をする方法を選びたいと思います」と述べた上で、「どういう条件であれば和解できるか考えたい。息子はモヤモヤしたまま3年間生活してきた。担任の先生にはちゃんとした謝罪をしてもらいたい」と、話し合いに応じる可能性を示した。

世田谷区広報広聴課はハフポストの取材に対し、「裁判中なのでコメントは差し控える」と回答した。

■組体操での事故は全国で8592件(2014年度)

日本スポーツ振興センターによると、2014年度に全国の小・中・高校で起きた「組体操」の事故は8592件にのぼる。スポーツ庁は2016年3月、「確実に安全な状態で実施できるかどうかをしっかりと確認し、できないと判断される場合には実施を見合わせること」を求め、実施するかどうかの判断は各自治体や学校に委ねる通知を出した

【UPDATE】世田谷区のコメントを一部修正しました。(2017/04/25 20:34)