「怪獣の湖」で3000年前の城塞を発見(動画)

トルコのヴァン湖で撮影に成功 「歴史学者と考古学者が、新たに学ぶべき新発見」
トルコのヴァン湖 Wikimedia/gozturk (CC BY 3.0)
トルコのヴァン湖 Wikimedia/gozturk (CC BY 3.0)
Wikimedia

1990年代に「謎の生物」が泳ぐ映像が公開されたトルコのヴァン湖の底で、今度は3000年前の古代文明の城塞が発見された。ナショナル・ジオグラフィックなどが動画とともに報じた。

現地の英字紙「ハリエット・デイリーニュース」によると、湖底の遺跡はダイバーたちと考古学者らが湖の潜水調査をした結果、見つかった。同紙によるとヴァン湖の周辺地域を管轄するアリフ・カラマン知事は次のように述べたという。

遺跡の断片を調査した結果、約3000年前のウラルトゥ王国の時代のものであることが分かった。

10年近くも湖底の撮影を続けていた調査チームの水中カメラマンのターシン・セイランさんによると水中遺跡の切石は、ウラルトゥ王国の遺跡と共通しているという。セイランさんは、こう話している。

城壁は広い範囲にわたっています。高さは不明でしたが、3〜4メートルほどの長さがあるところが見つかりました。

城塞の跡は1平方キロの広さがありそうです。

アルカリ性の水質が、遺跡を良好に保存できた理由でしょう。

歴史学者と考古学者が新たに学ぶ必要がある領域を、私たちは発見できたと信じています。

コトバンクによるとウラルトゥ王国は、アルメニア高原の広大な地域を支配した古代王国だ。ヴァン湖の沿岸部にビアイナに首都を置いた。

王国の中心は現在のトルコとアルメニア共和国との国境線にまたがり、最大の版図をもったときにはイラン、イラク、シリアの一部も含んだという。

紀元前9世紀ごろ、ビア族のアラメと称する王によって統一され、隣接するアッシリアと抗争していた。前585年にアケメネス朝ペルシアのカンビセス1世に滅ぼされ、以後歴史上から姿を消したという。

19世紀以降の発掘調査で、彫刻を施した青銅製品や、細線細工による金・銀製品などの遺物が出土している。また灌漑用運河、城塞構築などの技術にすぐれ、楔形文字で記した碑文も発見されているという。

ヴァン湖は、ネッシーのような怪獣「ジャノ」がいるとして有名になったことがある。1997年には、大学助手のウナル・コザックさんが湖を横切る蛇のような生物を捉えた映像を公開し、世界的な騒ぎとなった。

当時の映像をAP通信がYouTubeにアップしている

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