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ミュンヘンからLiebe Grüße(リーベ・グリューセ/愛を込めて): ハフポスト、ドイツへ

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ミュンヘン--ドイツからこんにちは! 私はハフィントンポスト ドイツ版立ち上げのため、ここミュンヘンにいます。私たちはドイツで3番目に大きいニュースサイトFocus Online を含む、ドイツで急成長中のデジタルメディア、ヒューバート・ブルダ・メディアの トゥモロー・フォーカス社とパートナーになれたことを大変うれしく思っています。ドイツでよく知られた朝の番組「ZDFモルゲンマガジン」のホストを20年間務めていたチェルノ・ジョバティ率いるハフィントンポスト ドイツ版は、ドイツ、オーストリア、スイス各国で流れるジャーナリズムのアウトレット(河口)となる存在となり、ブログのプラットフォームとなるでしょう。

長い間、私は自分の母親が流暢に話すドイツ語を学ぼうと心に誓っていました--そして私の一番お気に入りの作家の本を原語で読めるようになることを。しかし40歳を迎えたとき、私は現実的に考えて一生達成できないであろうと思われるリストを作りました。ドイツ語を学ぶこと、そしてスキーが上達することもリストに入っていました。今となっては、スキーをあきらめたことについてはよかったかなと思う反面、ドイツ語については後悔しています。だから悲しいかな、今日の私のドイツ語スキルは 「ツァイトガイスト(時代精神。ある時代を支配し特徴づけるような普遍的な精神、または意識)」という言葉を頻繁に使うことくらいです。 

ハフィントンポスト ドイツ版は、徹底的に政治やニュースをカバーしていきます。実に興味深いドイツの歴史的瞬間を切り取るようなものです。最近の例で言えば、9月22日の総選挙でアンゲラ・メルケル首相が歴史的勝利を収めたことから、初めてのアフリカ出身議員となるカランバ・ディアビ氏が当選したことまで、その他数多くの画期的な出来事を取り上げます。そして私たちが政治・経済分野の領域をすべてカバーする一方で、私たちはテクノロジーやスポーツ、食やメディア、宗教やエンターテイメントなどあらゆる情報をお届けします。

そして私たちは「今この瞬間」と「永遠に続く今」をとらえるという、我々のメディア文化で支配的な考え方も超越していきます。私たちの大きなミッションは、ドイツのあらゆる世代が「サード・メトリック」(第3の価値観)をどのように考えるかについてフォーカスするということです。サード・メトリックとは、お金と権力という2つのメトリック(価値観)を超え、人生における成功とは何かを再定義するものです。そこには幸福、知恵、好奇心、思いやり、そして寛大な心といった価値観が含まれています。ドイツでは、先進国のほとんどと同じく、生活と仕事を一体化させることはますます困難になっています。たとえばドイツ人労働者の43%は、過去2年間で仕事が増々ストレスとなってきているとアンケートで回答しています。そして、ウルスラ・フォン・デア・ライエン労働大臣によると、「2011年度、ドイツ人のうち5900万人が精神疾患により欠勤したという調査が報告されている。これは過去15年間で80%増加している」ということです。

悲惨な結果を引き起こしかねない、愕然となる数字です。しかし一方で、ドイツがこの問題に真正面から向き合っているという事実は救いとも言えます。ドイツは、ほかの欧州の国々よりも、燃え尽き症候群にかかった人たちが払ったあまりにも大きな犠牲について、国家的に本格的な議論を行っているいるのは非常に喜ばしいことです。

ライエン労働大臣は昨年AFPの取材に対し「ドイツ国内では、莫大な時間とお金が失われている。企業が単に偏頭痛や心因性の腰痛の問題ではないと気づいたときには、すでにそうしたことが起こっている」と述べています。「優秀な労働者を、燃え尽き症候群が原因で40代半ばにして退職させてしまうことほど、高価な代償はない。これは例外的ケースとはいえないものだ。これらは私たちが何か対策を講じなければならない傾向だ」とも話しています。

市場調査機関ラインゴールド社の研究によると、46%のドイツ人は、日常的にストレスを溜め、彼らの生活を楽しむ妨げになっていると言っています。ドイツの新聞「シュピーゲル」は次のようにレポートしています。「食事やお酒、バケーションやリラクシングなど、ドイツ人は余暇を楽しむ余裕がないのが現状です。それどころか、ドイツ人はセックスをしてる時さえ余裕がない」。そしてレポートはこのように結論づけています。「私たちが持っている、喜びを感じる遺伝子は次第に変異を起こしている------わたしたちは楽しむことを忘れてしまっている」。ハフィントンポスト ドイツ版は、この現状を変えることが使命の1つなのです!

一方、燃え尽き症候群と闘うための現実的で有力な取り組みがいくつか見られます。そうした取み組みは個人レベルや組織レベルで実行する動きが次第に広がっています。ネットに常時接続された労働文化の影響に対抗するため、フォルクスワーゲンやプーマ、 BMWなどドイツ企業の多くは、勤務時間外のメールを制限しています。そのなかでネット接続を減らすことにもっとも熱心に取り組んでいたのは、イギリスの新聞「インディペンデント」に「起こりえるもっとも危険な事態は、終わりのない活動モードに陥ることだ」と語った、スイスコムのCEOカーステン・シュローターでした。6月、シュローターは遺体となって発見されました。警察は自殺とみて、彼が世間に公言していたスマートフォン依存の詳細が広く報道されました。死の2ヶ月前、彼は「自分で冷静になり、テンポを下げることがますます困難になっているとしか言いようがない」と語りました。

ライエン労働大臣の指揮下にあるドイツの連邦雇用局は、緊急事態でない限り、経営者は勤務時間外に部下にメールを送ることを禁止しました。そして一部のドイツ人リーダーたちは、企業の生産力と創造力を向上させる一方、従業員の幸福度も向上させる方法に目を向け始めています。勤務時間外の携帯電話禁止を表明したヴォルクスワーゲンのスポークスマンによると、こうした仕事と生活の曖昧な境界線に対する「予防的なアプローチをとりたい」と話しています。

ドイツ人は Gemütlichkeit(ゲミュートリヒカイト)という、うまく翻訳しづらい、素晴らしいコンセプト----現代社会に必須な、居心地の良さ、親密さとゆったりとしたテンポ----を生み出しました。たしかに、この根本的なアイディアはとても普遍的であり、アメリカのウィスコンシン州ジェファーソン市は、「ゲミュートリヒカイトの街」をモットーにしています。

ハフィントンポスト ドイツ版は、ドイツのメディアが変革し、移行しつつある時に開始します。ドイツ版のブログはまだ初期段階ですが、ハフポストにとって、ブログはメディアとして驚異的な成長をもたらすことを意味します。ハフポストはメディアのハイブリッドです。ジャーナリズムのアウトレット(河口)と組み合わせ、 調査報道のレポートと、世界でハフポスト以外にプラットフォームのない何千もの声を力強く伝えることで昨年ピュリッツァー賞を受賞したのです。私たちの目標は、もっとも重要なストーリーを伝えるだけでなく、ドイツの人々が言葉、画像、動画を通して自分たちのストーリーを伝えられるようになることです。

それと同時に、私たちはランチやパネルディスカッションを通じてサード・メトリックについて話し合います。そこで私たちは成功の再定義と、燃え尽き症候群と闘うためのディスカッションをするつもりです。パネリストにはウェブサイト「ヨガ・イージー」のチーフエディターであるクリスティン・ルベサメン、シーメンスのチーフダイバーシティー・オフィサーであり、2002年に自ら燃え尽き症候群を経験して長期休暇を取り自分の優先順位を再考したデニース・クロナウ、ミュンヘンのルートヴィヒ・マクシミリアン大学の生物学教授であり、サーカディアンリズム(24時間周期のリズム、概日リズム)を含む「社会的時差ボケ(不定期なシフト勤務や残業などによって人間の体内時計のリズムとずれが生じて疲労が重なること)」を研究するティル・ロエンバーグ、ユヌス・ソーシャル・ビジネスの CEOであり、利益を追求しながら社会的利益を生み出すビジネスを作ることを奨励するリーダーのサスキア・タイス・ブリュイステン、そして DLDメディアのマネージングディレクターであり、バイエルンアルプスでバードウォッチングをして充電することが好きなシュテフィ・チェルニーといった人たちがいます。

私たちのパートナーであるトゥモロー・フォーカス社と一緒に働けることは喜ばしいことです。特に取締役のクリストフ・シュー、マネージングディレクターのオリバー・エッカート、そして『フォーカス・オンライン』の編集長ダニエル・スティールに感謝致します。 ハフィントンポスト ドイツ版の編集長セバスチャン・マティスは、ドイツのビジネスニュース誌『Wirtschaftswoche』の科学技術の分野を手がけ、『フィナンシャル・タイムズ』ドイツ版と、 環境と持続可能性に情熱を注ぐ彼が昨年開始したオンラインプラットフォーム『WiWo Green(Think Green)』も手がけています。私たちのチームは、チェルノとセバスチャンに加え、表紙編集者のダヌタ・スザレク、ブログ編集者であるアレックス・スコーエン、共同編集者のジャン・デイビッド・ストフ、トバイアス・フエルベック、サブリナ・ホフマンとスザンヌ・クライバー、ソーシャルメディア編集者のミリアム・ヘルド、ギナロウシア・メッツラー、クリストフ・アッシュ、マーセル・ボーネンステフェンというメンバーです。私たちはドイツがハフポストのファミリーに加わることをとてもうれしく思っています。いつものように、以下のコメント欄を使い、あなたの感想をお聞かせください。

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