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「なぜ企業は成長できないのか」イケてる経営者が本音で語ると、こんな問題が見えてくる

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『B Dash Camp 2016 Spring』におけるセッション「なぜ企業は成長できないのか」レポートをお届けします。約84億円の調達が話題となったメルカリ山田進太郎氏をはじめ、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)石坂信也氏、GMOインターネット西山裕之氏が登壇、モデレーターを務めたのはモブキャスト藪考樹氏です。

「成長の鍵」となる人材マネジメント

『B Dash Camp 2016 Spring』で開催されたセッション「なぜ企業は成長できないのか」に登壇したのはモブキャスト、メルカリ、ゴルフダイジェスト・オンライン、GMOインターネットの各代表。各社の話から「成長のヒント」を探っていく内容となった。

特に企業ビジョン、ミッションを実現するための「人材マネジメント」に焦点があてられた同セッション。今回は各社の代表が語った内容をハイライト形式でお届けする。

モブキャスト|労働時間など管理しない「プロ契約社員」という考え方

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今回モデレーターを務めた藪考樹氏だが、自社の人材マネジメントにおける考え方、取り組みにも言及。「世界中から最高水準の人材を独自の雇用形態で集め、その友達の輪で更に仲間を増やす」という方針について語った。

その中でも特徴的だとしたのは"モブキャスト基準"からなる「2つの雇用形態」があるということだ。

モブキャストだと(通常のキャリア採用に加えて)、「プロ契約社員」という形態が特殊だと思います。スキルの高い方、あまり労働時間などの管理を必要としない方と「プロ契約」を結んでいます。海外在住で海外向けのプロモーションを担当している女性の方やプランナーなど17名とプロ契約を結んでいますね。

メルカリ|世界的にも汎用性があるサービスに

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メルカリが人材マネジメントにおいて重視しているのは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というミッション、そして3つのバリューに共感・合致するかだと語る山田氏。また「世界基準」という部分も、優秀な人材を惹きつけるポイントになっているようだ。

最初からグローバル志向、世界で勝てるということを視野に入れてサービスを作っていました。メルカリを立ち上げて1年後、日本での売上はゼロでしたが、アメリカに子会社を設立するなど結構大胆にやってきました。世界的にも汎用性があるようなサービスにするために投資しよう、と。

続く「採用」というテーマでは、若くて優秀な人材がメルカリにジョインした経緯についても明かされた。

"お疲れさま会"をやるといいと思っています。たとえば、(現メルカリ取締役の)濱田が(前職を)やめるとき、「濱田のお疲れ会をやろう」と企画したんですよね。そこで「つぎは何やりたいの?」みたいな話をしたことがきっかけで、メルカリに来てくれることになりました。その会に当時ヤフーにいた松本と柄沢(2人とも現メルカリ執行役員)も来ていて「最近どう?」みたいな話していたら、そのあと継続的に話をして結局一緒にやることになったりして。わりとそういう「お疲れさま会」をしたら流れでってのが多いですね。

いずれも、自ら起業してもおかしくない方々だが、なぜメルカリにジョインしたのか?

大体、みんな自分で会社を起業しようと思っていて。それもおもしろそうだけどウチだったらこういうこともああいうこともできるよ、みたいな話をしながら「だったら、そのほうがいいかもしれない」みたいな感じですね。

人材の面、そしてサービス・事業モデル...さまざまな側面において成功確率をあげるための条件がメルカリには揃っているといえるのかもしれない。

執行役員に関しては、いわゆる契約社員のようなカタチにしているのですが、そのかわりにストックオプションを厚めに出しています。下手したら1年、2年で(契約は)終わり、という。だから、安定性はないんですけど、"当たればデカい"っていうカタチにしています。これはオススメですね。起業したいと思っている人たちって別に雇用形態などは関係ないっていう人が多いので。

ゴルフダイジェスト・オンライン|新規事業、そして海外展開へ

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今年を節目の年と位置づけているというゴルフダイジェスト・オンライン石坂信也氏。新規事業、海外事業も強化していくそうだ。また、同社における最大の特徴は「小売」「サービス」「メディア」を同時に抱えていること。それらに携わるあらゆる職種に対応していくのが人材マネジメントのテーマになっている。

今年、行動指針を切り替えることにして「WorkFast」という言葉をつくり、目線を統一するということをやっています。ただ、これは単に仕事を早く終わらせて、早く帰るということだけではなく、この節目の年に"無駄なことをいかに素早く見直していくか"というメッセージをこめたもの。もう1回、ゼロベースに作り直していく段階です。

石坂氏は自身におけるテクノロジーへの捉え方の変化、自社における技術部門における役割の変化などについても言及した。

現在、CTOに新規事業担当のようなことをやってもらっています。まさに「経営戦略」という大きい枠組みにおいてIT部門の彼に入ってもらって、見させるっていうのは僕にとっていい変化だったなと思っていて。ちょうど我々がまさに海外にもチャレンジしていくと宣言しているし、非常に良い流れが出来つつある。小さなことかもしれないですけど、僕にとって大きな変化ですね。

採用に関しては「ゴルフ」という領域ならではの「仕事と趣味が重なる」ということで情熱を持った人材が比較的集まりやすいそうだ。評価基準にしても「ゴルフ用語」を用いるなどの同社ならではの工夫が語られた。また、近年ではスクール事業もスタートさせており、それまで業界的に整備されていなかった「レッスンプロゴルファー」の評価制度、成果の可視化などにも取り組んでいるそうだ。

GMOインターネット|企業として成長するために経営者がリスクをとるべき

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GMOインターネット西山裕之氏からは「GMOインターネットグループ」についての構成や事業計画、人材マネジメントにおける考え方についての話があった。

現在、11の事業、87社(9社上場企業)、スタッフ数約4600名のうち役員(グループ各社合計)が約120名おり役員は共通の評価テーブル・報酬制度が適用されているというGMOインターネットグループ。「55カ年計画」という壮大な計画があり、2051年に日本を代表する企業となり、売上10兆円を目指すというテーマが掲げられている。このような大きなグループではどのようにして「人財マネジメント」を行っているのだろうか。

グループを細分化しているのは、権限を分散することによってスピードを上げていこうという狙いですね。我々は中国の水滸伝にでてくる「梁山泊」からとって「梁山泊経営」と呼んでいます。ベースになる「スピリットベンチャー宣言」というミッションステートメントを共通のポリシーとした上で、基本的に事業は各社に任せていく、と。

そのなかでもポイントとしているのが「自走」だという。

「人」に関しては「みんなが自走する組織」を作ろうとしています。そのために原則があり、1つは自分から受ける。やりますと立候補する。2つめは360度評価。あとは目標や成果、評価を開示するということ。

その他にも、細部では「働く環境」も大事にしており、その根本にあるのは「スタッフみんな家族」という考え方だという。

家族は寝食を共にするものですから、オフィスにカフェ作ったり、託児所を作ったり。それからいろんな成長支援もあり、エンジニア向けの教育プログラムもやっています。イベント、盛りだくさんですね。

続く「採用」というテーマでは、幹部登用はヘッドハンティングやリファラル、叩き上げ、グループ間での公募などさまざま。グループ間におけるスタッフの異動は、部門トップ同士での話し合いで決まることもある。また、制度として新卒社員は3年目で手を上げ、ジョブローテーションを希望できるのだそうだ。

こういったグループをまたぐ制度において特に興味深いと感じたのが、「格付け」というもの。

グループ各社における「格付け」があります。これは会社の規模、売上、利益、成長率、上場...そういったものをスコアリングした結果が格付けなんですよ。これをベースに、この「格」の会社に期待する来期の成長率は●%と明確に定めており、これをベースに来期の目標を決めていく。役員の報酬も全部リンクしているので、みんな自分の会社の格を上げて頑張ろうと成長していくんです。あとはグループ内の先輩経営者がイケてるとか、グループ内で目立ちたいとか(笑)、そういうところもありますね。

可視化される格付け、グループ会社同士での良い競争が社長とその社員のモチベーションにつながっていることがわかった。この「競争」という考え方、そして今回の「なぜ企業は成長できないのか?」といったテーマに対する答えとして、西山氏はこう締めくくった。

なぜ企業は成長できないのか?それはトップが本気で成長しようと思ってないからだと思います。「この辺でいいかな」と思っている。成長しようと思ったらリスクとって数十億円という投資をするわけじゃないですか、借金してでも。その数十億が惜しいとか、利益を守りたいとか、結局、投資しないわけです。成長しようと思っているトップでないと企業は成長しない。志の高さとトライする熱量みたいなものが全てを決めていて。その範囲内でしか社員もついていかないです。
今日は「人」の話ですが、企業が成長していれば、大体のことは解決すると思うんですよね。経営者が「この辺でいいや」って思っている会社に入った社員は悲劇ですよ。上のポストはつまっていて、定年するまで会社にしがみついて。そこは不幸です。だからまずは経営者がどんどんチャレンジして新しいことやっていく、そこに目を向ける。「大きな目標を持つ」ということで解決すると思います。

事業やビジネスモデル、企業規模が異なるものの、いずれも成長を続ける各社。今回のセッションでは、それぞれ代表の口から直接「人材マネジメント」に対する考え方やスタンスについて聞くことができた。参考になる部分も多かったのではないだろうか。今後も「成長企業」と「人」というテーマでさまざまな事例を紹介していきたい。


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