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エバーノート今村泰彦が語る、「コンピュータに取って代わられない仕事」ができる条件

投稿日: 更新:
EVERNOTE IMAMURA
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TWDW2日目に行なわれた公式プログラム「働かないで、働く。 ― For Your Life's Work ―」イベントレポート第2弾。「本気でプロのジャズドラマーを目指していた」と語ったEvernote Japan Partnership Managerの今村泰彦氏のキャリア観を書き起こし形式でお伝えします。

プロのジャズドラマーを目指した2足のわらじがキャリアのスタート


【登壇者】
Evernote Japan Partnership Manager
今村 泰彦

エバーノートの今村です。皆さんに前提として先にお話しておくと、過去の職歴なんかをこれから紹介するんですね。すっごく恥ずかしいです(笑)。あたたかい目で聞いていただけると嬉しいです。よろしくおねがいします。

さて、僕はエバーノートでパートナーシップマネージャーという役職で働いています。最近だと日経新聞さんや伊藤園さんとお仕事をさせて頂いてます。

他にも課外活動もやってまして。今日のテーマである、「職」って会社から与えられる仕事以外に、何か自分でもやりたいことをやってるってことも1個テーマだと思っています。僕は鎌倉に住んでまして、禅寺で建長寺っていう立派なお寺で、禅とITで世界の課題に挑むハッカソン・禅ハックというものを開催しています。

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僕のキャリアについてです。大学卒業したのは10数年前くらいなんですけど、大学でたときは、一切働く気がなかったんです。ジャズミュージシャンになりたかった。ナイトギグ・デイギグって書いてありますけど、これはジャズミュージシャンの用語です。ギグっていうのはライブのことですね。夜やってる音楽はナイトギグ、これは自分がやりたいこと。で、昼間やってるのはデイギグっていうのは生きていくための仕事。

僕もご他聞に漏れず全く音楽で食べられなかったので、デイギグを探さなきゃなと思って、バイトでレコード会社に入りました。理由はMacを持っていてウェブをちょっと扱えたから、そしてレコード会社に入ったらCDがいっぱい貰えると思ったんです。

そしたらほんとにね、CDいっぱいくれるんですよ(笑)。それまではすごい頑張ってバイトしたお金をタワーレコードに全部つぎ込んだ生活を送ってたんで、すっごい楽しかったです。そうこうしたら、音楽配信というものがはじまったのをきかっけに、正社員になりました。

でも中身はミュージシャンのままだったんです。だからサラリーマンやりながら音楽をやってました。すっごく練習したし、たくさんライブもやったんですよ。そしたらある方に認めていただいて、あるメジャーレコード会社の方から契約しないかっていう話をされるくらい頑張っていました。

当時の僕の1日スケジュールは、朝10時くらいから仕事をはじめます。16時くらいになると「ちょっと抜けます」っていって、僕は機材を取りに帰って、すぐにライブハウスにぶち込んでセットアップして約2時間、18時には会社に帰ってくる。そこから2時間仕事です。そして20時から本番、ライブ。深夜1時くらいになって帰れるときは帰るし、帰れないときは仕事場で寝るみたいな。そんな生活を約11年間やりました。

コンピュータにリプレースされない仕事とは


よく職人芸みたいな話があるじゃないですか。1万時間越えるとプロになれるよっていう話です。大体ほぼ365日中、ライブや練習をしてたんで、1万時間はやったんじゃないかと思います。

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「コンピュータに職が取って代わられる」と言う類の話がありますよね。僕、それ1回経験してるなと思ってるんです。僕はドラマーなんですが、80年代のドラムってすごく非合理的な楽器だったんです。スゴく重いし、叩いても一音しか出ない。ところがAKAIのMPCっていうサンプラーが登場すると時代は変わったんです。2キロくらいの重さで持ち運びもできる。しかもスーパーミュージシャンの音がそのまま流れてくるんです。

要は逆立ちしても勝てないようなドラムがこの中でガンガンなるんですよ。実際すごくドラマーの仕事が減りました。更に今じゃもうすごいです、Macでフルオーケストラどころか人間じゃ絶対体現できないような音が誰だって作れる時代です。

けれど、僕はそれでもドラムを叩いてたんですよ。そうすると何が見えてくるかっていうと、絶対に機械では出来ない領域が見えてくるんです。

ジャズでいうと、インプロビゼーションといって、その日その場で、起こったことに反応して即興で音を出すというものです。それって、多分機械では絶対できないですよ。

先日、逗子でライブをやらせてもらったんですけど。ちょうど最後にこのインプロビゼーション、即興を行なったんです。すると、横のお姉さんが「すごーい」って言ってくれたんです。でも多分、このお姉さんは機械が同じことやっても全然なんとも思わないと思うんですよ。おっさんが、すごい一生懸命ドラム叩いて、お酒とかも進みつつ、ご飯も食べつつ気持ちよくなってていう、わーってやり始めたら、普段だったら「うるさい!」って言われるのが「すげぇなぁ」みたいな。非合理的だけど何かすごいことを、人間がやってる...。そういう感動を生みたいなと思って。

事務職でも営業職でも最後に残るのって、こういう泥臭くて人間っぽくて、非合理的だけど、気持ちのいいやつなんじゃないかって。そういうところを追及していくといいんじゃないかなっていうのを今日1個言いたかったなと思ってます。

好きでもないことで失敗すると後悔しか残らない


話が飛びますけど、そんな生活を11年やっててですね。あるとき辞めたんです。それは、子どもができた時。デイギグ・ナイトギグなんてとんでもないということになるんです(笑)。

なので、ミュージシャンをやめようと思いました。会社も一度やめて、どっかで勝負するぞって思ったんですね。本当は起業しようと思ったんですが、あるベンチャーの方に拾っていただいて、ある事業を任せていただきました。すると、たまたま事業がうまくいったんです。そうしたら会社が合併しちゃって、大きくなって、東証1部に上場しちゃって...。いつのまにか執行役員になったんですよね。

たった1年でそんな感じになっちゃったんですよ。そんなの続かないですよねっていうことで、ご他聞にもれず2年目で過去経験したこともないような規模の事業に失敗しまして。この場で語れないようなことが...、本当に大変でした。

お金がなくなることを、よく「燃える」っていうじゃないですか。本当に燃えてるような気がします。自分が燃えてるような気がします。居ても立ってもいられない。事業を一緒にやっていただいてる人たちがこれがまたいい人ばっかりだったんです。投資していただいてる人とかも、「がんばれ」と応援してる、と言っていただけるんですけど、どんどん燃えてるんですね。なんてことしてしまったんだろうという感じ。それで、結局は最終的にはやめようと思ってやめました。

本当に、僕が語るのもおこがましいんですけど、事業は成功しないと意味がないです。やるんだったら死んでも成功するつもりがないと、だめだと思いました。

辞める時に思ったのは、結局事業自体に僕が本気でコミットできなかったんです。ゲーム関連の事業だったんですが、僕はファミコンでさえもってたことないんですよ。だから最後の最後にケツふけないというか、判断基準を持ってない。最大の反省は「好きなことやってなかった」って思って。

本当に好きで、得意で、自分が掘り下げていきたいこと。土壇場で自信をもって、「これが正しいんだ」という風に言い切れるようなことをやらなきゃいけないし、そういうものが感動を呼んだり共感を呼んだり、人に伝わるんじゃないかなという風に思いました。まだあんまり実現できてないんだけど、今それを刻み込んだ段階、その方たちに恩返しをしたいなと思ってます。

そういう中でいま、エバーノートに拾ってもらってるんですけど、エバーノートにきたのは、本当に好きなサービスだから。自分ですごく使ってて。あとはやっぱりシリコンバレーってどんなとこだろうって思いました。シリコンバレーでやってる人たちってなんかかっこいいじゃないですか。働いてる人たちみんな。入ってみて思ったのは、本当に優秀な人たちがいっぱいいること。

自由な環境、そういう優秀な人たちが働く環境ってこんなに自由で、クリエイティブでいいんだなって感じがします。とにかく馬車馬のように働くんじゃなくて、馬車馬のように考える。下手な、中途半端なこというと全然だめですね。本当に考えないと評価してくれない。その結果として、皆さんがお使いいただいてる製品があるんだなということを、まだ来て2年目ですけど、感動してます。

ここまですごい恥ずかしい僕のバックグラウンドですけど、大丈夫ですか?今僕どれくらいしゃべってましたか?大分長いですよね(笑)。

常に意識すべき、仕事の3段活用


いま考えてるのは、仕事の3段活用というものです。

まず『ToDo|義務』という状態があるのかなと思います。ちゃんとできると気持ちいいんだけど、飽きてきますよね。仕事もそんな感じじゃないでしょうか、上司にやってとか言われて、ToDoができて...。

その次には、『Not ToDo=裁量』って状態があると思います。何かを任されてる状態ですね。僕は今でもToDoとNot ToDoは色んなレベルで管理をしてます。今日やらなきゃいけないこと、人の悪口を言わないなんてものまで。

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でもこの2つだけずっと管理してても面白くないんです。最後は、『Want ToDo|ライフワーク』。僕はこれが一番重要だと思っていて、ToDoもNot ToDoも全部これに紐付けて考えられると思うんです。

ご飯食べたいってなった時に、食べ過ぎないとか、あと食べたら歯を磨こうということですよね。僕の場合は音楽がやりたいからやるみたいな感じで。そうするとハピネス・幸福度も上がるし充実もするんじゃないかと思います。

そして、仕事というのは時間とお金と能力の掛け合わせなんじゃないかと思うんです。

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まずは時間について説明します。時間には、過去・現在・将来がありますよね。過去は経験っていいますけど、僕の場合はほぼ後悔ですね(笑)。なんであんなことしちゃったんだろうというみたいなことの方が8割くらいなります。将来になると計画という感じですけど、計画ってなんかポジティブに捉えられますが、僕の場合よくよく考えてみると、6割くらいは心配してるなぁと思ってまして。そうなると両方とも嫌ならやめようと思ってます。だからもう、今だけ考えるんです。

そうすると、集中できる。今この場を楽しんだりとか、皆さんをお話することに集中したいなと。これもやり始めて、これ禅からきてるんですけど。ハピネスにかわります。

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次は、能力の話です。成長って、横軸に時間で縦軸にレベルのような一次曲線のように伸びていくと捉えがちですけど、ある人にこれはウソだよって言われたんです。「成長なんかない。進化はワープだ」「ある日突然できるようになるんだ」って。ぼくは「そうか!」って思ったんですよ。よくよく考えてみると僕の娘、ある日突然フラフープができるようになったんですよ。本当にすごいと思ったんですね。

だから成長を信じるのをやめて、進化を信じようと思ってるんです。今日この日突然、僕はものすごいことができるようになるかもしれないとか、ものすごい演奏ができるかもしれないと思ってやることにしてます。なので、ライブやるときとかも、今日はすごいいけるんだ!と毎回思ってて。

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最後はお金の話なんですけど、『BSとPL』。要はお給料もらって、家賃とか払った後に残るお金を貯金する人もいるし、投資する人もいると思います。

僕はそういったお金に関わる指標を全てチェックしています。これはすごい大事だと思います。これ続けているとどれくらいリスクを犯せるか分かるようになるんです。

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まとめです。仕事ってなんだろうなと、今朝3時間悩んで、考えたのがこれです。「仕事とはワクワク(Work Work)だ」ダジャレです...バックアップ用意してますよ。仕事とは、やっぱり志すこと何じゃないかと思います 。

ありがとうございました。

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本記事はCAREER HACKで掲載した記事を一部編集して掲載しています。CAREERHACKは、「WEB・IT業界で働く人々の人生を少し豊かにするメディア」として、話題の人へのインタビューや気になる会社への訪問レポートなど、"いま注目のヒト・モノ・コト"という切り口の記事をお届けしています。

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