Qアノン信奉者の父親が子どもを殺害「ヘビのDNAを持っていると信じていた」と主張

陰謀論・Qアノンの信奉者が、我が子を殺す事件が起きた

アメリカ・カリフォルニア州で8月9日、水中銃を使って2人の子どもを殺害した父親が逮捕された。

逮捕されたマシュー・テイラー・コールマン容疑者は、陰謀論・Qアノンを信じており「子どもたちはヘビのDNAを持っていた、彼らを殺すことで世界を救えると信じていた」と警察に語ったという。

Qアノンに導かれた

コールマン容疑者はサンタバーバラでサーフィン教室を運営しており、妻から捜索願いが出ていた。

告訴状によると、コールマン容疑者は8月7日に国境を渡ってメキシコに入国し、メキシコで2歳と10カ月の2人の子どもを殺害した。

また、妻が警察に伝えたところによると、コールマン容疑者は同日に2人の子どもを連れて家を出た。

その日は家族でキャンプに出かける予定だったが、コールマン容疑者は行き先を告げず、メッセージに返信もしなかった。車にはチャイルドシートも乗せていなかったいう。

子どもたちの遺体は9日朝にメキシコでみつかった
子どもたちの遺体は9日朝にメキシコでみつかった
ABC 10/TELEVISA

当初、妻は子どもたちが危険な状況に置かれているとは思わず、夫は戻ってくるだろうと考えていた。

しかし翌日になっても夫と子どもたちが戻らなかったため、警察に捜索願いを出した。

警察は携帯の位置情報を確認できる「iPhoneを探す」機能を使って、コールマン容疑者の携帯電話を探した。そして8日午後に、携帯電話がメキシコ・バハカリフォルニア州にあることを突き止めた。

さらに翌日、携帯電話がアメリカとメキシコの入国地点の近くにあることがわかったため、サンディエゴの連邦当局に連絡。

FBIが車に乗っているコールマン容疑者を発見したが、子どもたちはいなかった。また税関・国境警備局の職員が、車両登録証に血のようなものが付着していていることに気付いた。

その後、メキシコの警察が、行方不明になっていた2人の子どもの特徴と一致する遺体を発見したとアメリカ側に伝えた。遺体は溝に放置されており、胸には大きな刺し傷があったという。

取り調べでコールマン容疑者は、7日にメキシコに入国して子どもたちを殺害し、遺体をメキシコに残してきたことを自供。「子どもたちは成長したらモンスターになると信じていた。殺さなければならなかった」と述べた。

また「Qアノンとイルミナティに導かれて、妻はヘビのDNAを持っていて、それを子どもたちが受け継いだというビジョンとサインを受け取った」とも語ったという。

そして、子どもたちを殺すことで「モンスターから世界を救える、間違ったことだとわかっていたがそれだけが世界を救う方法だった」と供述した。

<コールマン容疑者の逮捕を伝えるニュース>

Qアノンとは

Qアノンの信奉者たちは、様々な陰謀論を信じている

その一つが「アメリカは、民主党議員やメディア、ハリウッド、財政界の大物らによる闇の政府に支配されている」というものだ。

そして、その闇の政府のメンバーは悪魔を崇拝する小児性愛者たちであり、トランプ前大統領は、秘密裏にこの闇の政府と闘っていると信じている。

1月6日に起きた連邦議事堂襲撃事件には、トランプ氏を支持するQアノン信奉者も加わっている。さらに、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン議員は、Qアノン支持者であることを公言してきた。

コールマン容疑者のサーフィン教室のウェブサイトによると、同容疑者は過去にサーフィンの国内選手権に出場し、スペインで英語教師などを経て、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で修士号を取得した。また、ウェブサイトには多数の家族写真が掲載されている。

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