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国会改革

国会審議のあり方が問われている。

2017年11月29日 19時18分 JST | 更新 2017年11月29日 19時18分 JST
Yuriko Nakao / Reuters

二日間、衆議院で予算委員会が開かれた。希望の党からは、トップバッターとして長島昭久政調会長が外交と子育て支援について質問した。わが国の抱える最大の懸案について正面から問うたのは、改革保守政党としての姿勢を示したものだ。ただ、今回私が書きたいのは質疑の中身ではない。

テレビ画面には、麻生財務大臣、吉野復興大臣、加藤厚労大臣などが、眠気をこらえている姿が延々と映し出されていた。予算委員会の総括的質疑では、国政全般の課題を把握しておくため、全閣僚の出席が慣例とされてきた。私自身が閣僚在職中は東日本大震災からの復興の課題が山積していたが、国会での丁寧な答弁を心掛けた。国民に復興の課題を説明する機会ととらえていたし、憲法第66条で内閣は「国会に対して連帯して責任を負う」とされている以上、国会対応は当然だと考えていた。しかし、答弁が全くないのに終日、大臣席に貼り付けになるのは、正直言って苦痛だった。この時間を被災地のために使えればと、何度思ったことか。

当時と比較すると、総理をはじめとした閣僚の外遊は大幅に認められるようになったが、今国会でも、河野外務大臣はASEM(アジア欧州会合)外相会合を欠席している。私自身も、国会に出席するために、国際会議を断念した経験が何度かある。国益を考えれば、本来あるべき姿は明確だろう。

形式主義が貫徹されている一方で、国会審議の注目度は下がっているように思う。象徴的なのは、今年は、党首討論が導入されて以来、初めて一度も開催されそうにないという事実だ。国会審議のあり方が問われている。

自民党の若手議員の間から、与党にも質問時間を多く配分すべきとの意見が出されている。野党時代の自民党を知らないから言えるのだろうと思わないではないが、彼らの気持ちも分からないではない。一方、質問時間を削られたらたまらない野党が反対するのも当然といえよう。国会とは、事前審査(与党は法案を事前に審査するため、了承されたものだけが閣議決定され、国会に提出される)を済ませている与党はできる限り時間をかけずに法案を通す場所であり、野党は日程闘争で法案の成立を遅らせて政権にダメージを与える場であるという嘆かわしい現実をどうやって乗り越えるか、与野党が知恵を出すべきだ。我々は、どこの党に所属するか以前に、国民の為に働く国会議員なのだから。

国会改革はかつて何度も議論されてきた。私自身も、ねじれ国会を経験した2008年と2010年、与野党議員で国会改革を提案した経験がある。その内容を振り返ると、今も課題が放置されていることが分かる。提案の中で、最も効果が大きいと感じるのは、次の二つだ。

第一に党議拘束の一部緩和だ。おそらく議員の質を高めるためには、これが最も効果がある。国会議員になって18年目に入った私の場合、党議拘束の掛からなかった採決(議員個人の自由投票)は、2009年臓器移植法改正の時、一度しか経験していない。生命倫理に関わる問題だけに、何度も勉強会で有識者の話を聞き、地元でも意見交換会を開いて、真剣に悩み考えた。採決の数日前からは、エレベーターで議員同士が一緒になると、与野党を超えて意見交換した記憶がある。

一年間、国会で行われる採決は100件を超える。国民の中で賛否が分かれる案件の場合、党議拘束がかかっていれば、議員個人としての責任も回避できる。気分的には楽だが、それで本当に良いのかという思いが私の中には常にあった。もちろん、予算や安全保障など、主要政策については党議拘束を掛けなければ、政党の存在意義はない。しかし、個人の価値観に関わるような法案に限っては党議拘束を緩和し、各議員個人の判断を尊重する制度を導入すべきだと思う。例えば、タバコ規制法案などはいつまでも自民党内で賛成派と反対派の対立が解けるのを待つのではなく、複数の法案を用意して、自由投票で採決すれば済む話だ。与党議員も、事前審査がかかっていない法案については、十分な質疑時間を確保して議論すれば良い。

第二に、党首討論のあり方を見直すべきだ。1999年に開始された党首討論は、国会改革の象徴だった。私が初当選した当時は、頻繁に開催され、議論の中身が国政を左右した。しかし、近年は与野党の思惑が交錯し、開催頻度が下がり、ついに今年は一度も開催されそうにない。与野党の最高責任者が国の主要議題について議論する党首討論は、最も重要な機会であり、毎週開催の原則に立ち返るべきだ。国民が政治に関心を持つ上でも、最も大切な機会であることを考えると、開催時間はテレビのゴールデンタイムである夜8時が適切だろう。NHKも喜んで中継するはずだ。

上記の二つ以外にも、国会の会期の是非、議員立法のあり方、質問の事前通告の迅速化など、改革しなければならない課題は数多くある。実は、かつて国会改革に関わった議員の中には、自民党の河野太郎外務大臣、柴山昌彦筆頭副幹事長、希望の党の泉健太国対委員長、長島昭久政調会長、立憲民主党の山内康一国対委員長代理など、与野党の主要なポジションを占めているメンバーがいる。ここで、何らかのアクションを起こそうと思う。

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