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障害児と健常児が一緒!カンガルー統合保育園を視察しました

2013年08月05日 18時05分 JST | 更新 2013年10月04日 18時12分 JST

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横浜市鶴見にあるカンガルー統合保育園に伺いました。

カンガルーさんが特徴的なのは、障害児も健常児も一緒に保育する、という「統合保育園」というスタイルを取られていること。

園が生まれたきっかけは、NICU(新生児特定集中治療室)の看護師さんたち3人が、障害を持って生まれた子ども達の受け皿が無いことに課題を感じ、病院を辞めて園を立ち上げたところから始まるそうです。

この日も3人の医療ケアを必要とする重症心身障害児が、健常児と区切られること無く、一緒にバルーン等の遊びに加わっていました。皆でバルーンを広げてゆらゆらすると、車いすに座ったある障害児が微笑み、それを見つけたとなりの子が「●○くん、笑ってるよ!」と先生に伝え、皆で「あははは、楽しいね!」と笑い合う風景が、そこにはありました。

感動で胸が一杯になりました。

呼吸器をつけたお預かりは看護師でも緊張するものということですが、ここでは公的研修を受けて実施資格を持った保育士が、保育の中に上手に取り込み、あくまで(看護主体ではなく)保育中心の現場を展開しているところも印象的でした。

全国の認可保育所では応諾義務と言って、障害児を含めて保育を行う義務が原則としてはあります。しかし、予算的な制約によって新たな人員が付かなかったり、障害児保育の受け入れノウハウがなかったり、施設のハード面の問題で、実際には受け入れは中々進んでいません。

そのため、障害児を持つ母親の就労率は、健常児家庭の半分(30%)。常勤雇用を抜き出すと何と健常児家庭の7分の1(5%)!※

こうした状況によって、障害児家庭は片働きにならざるを得ないことで経済的打撃を受けるだけでなく、24時間子どもの介護を主に母親が行うことで、母親は追い込まれ、精神疾患をわずらう危険性も増します。

カンガルー統合保育園でお預かりしている3人の重度心身障害児のご家庭も、東京や川崎市から、カンガルー統合保育園のある横浜市に、わざわざ引っ越してきたそうです。

カンガルー統合保育園のような、障害児にも保育を提供できる園が全国で必要です。と、同時に同園のある看護師さんはこうも語ります。

「保育士養成過程において、障害児保育をきちんと教えてほしいです。あまりに僅かのことしか学べる体制になっていないため、人材育成に非常に苦労しています。」

受け入れ可能な園の供給量を増やすと同時に、障害児保育の人材育成の仕組みを、全国的に整えていかなくてはならないことに、改めて気づかされました。

今後の保育政策を決める「子ども・子育て会議」において、障害児保育の重要性、そしてそのインフラ化のための具体的施策を、積極的に提案していきたいと思います。

※データ出典:厚生労働省「全国家庭児童調査」(平成21年度)

障害(児)者の家族の健康・生活調査大阪実行委員会

「障害(児)者・家族のくらしと介護者の健康調査」(平成8年)

(※この記事は2013年8月2日の「駒崎弘樹公式ブログ」より転載しました)