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あなたの知らないデジマの世界

デジタル社会の中で、マーケティングがあるべき姿とは。

2017年08月28日 17時14分 JST | 更新 2017年08月28日 17時14分 JST

デジタル、マーケティング、PR...。いずれもビジネスでは日々当たり前に使われる言葉ですが、果たして共通言語で語られているのでしょうか? わたしが専門とするPRの課題を意識しながら、昨年からボランティア運営している「テクノロジー・ネットワーク」では、デジタルマーケティングの目的、盲点、今後を語る、デジタルマーケティング・トークセッションを企画しています。ここではその背景をお伝えします。

  • セカンドキャリアのためのPRについて話をしました

7月25日、日本経済新聞社にて、40歳からのネクストチャレンジ! 日経「新シニア起業プロジェクト」営業マーケティング勉強会で、「メディアの見方、使い方が変わる! 広報・PR活用術」と題しお話してきました。これは、2014年〜2016年、40代以上ビジネスマン向けに実施された「起業」がキーワードとなるセカンドキャリアのあり方を提唱するプロジェクトの一環。卒業生のコミュニティ活動、継続的な勉強の場として開かれました。

今回は、わたしが所属するPR会社代表としてではなく、ボランティアの次世代マーケティングプラットフォーム研究会運営員、テクノロジー・ネットワーク発起人、そして自身がセカンドキャリア世代として、複数の立場で登壇するプロボノ講師です。そして受講者は、キャリアが長く、自主的な学習を続ける、情熱あふれる教養の高いメンバー。そこで講義の内容は、受講者ニーズに応え、画一的な広報概論と実践論ではなく、ひとりひとりが広報PR活動をデザインできるよう、今日のPRの課題、変わるコンテンツ環境、実際のコンテンツ作り、という課題提起を含む最新の内容にしました。

Kyoko Miyauchi
日経「新シニア起業プロジェクト」営業マーケティング勉強会

  • PRにおける3つの課題

わたしが認識するPRの課題は、自戒を込めた3つ。

一つめは、PRという言葉が巷に踊る中、何が必要かつ効果的なものかの見極めが難しい、ということ。PRイベント、PR動画、PR会社、PRアワード...、いずれも華やかな雰囲気を伴いますが、専門性に欠ける一般論、本来の目的から離れた手段だけの議論、現場ニーズに沿わない理想論も多く、玉石混交です。わたし自身、「これはPRです」と言われるとギョッとし、何を意味しているか懐疑的。PRを担う立場として、取捨選択に迫られます。

二つめは、現場業務の大半が、表面的な情報流通に終始すること。本来の目的は、広報PR確立の発端となった民主主義に倣い、企業を取り巻くあらゆる関係者の理解を築くことです。その手段がメディア活用であるため、日常業務の多くはメディアリレーションズおよびオウンドメディア運営になります。しかしそれが、広告を主とするマーケティング活動や、商談の刈り取り役となる営業活動と、有機的に連携し、企業コミュニケーションとビジネスの全体像を設計できているか。できる、という謳い文句は目にしますが、その実多くは発展途上です。

三つめは、コンテンツ環境を変える、デジタル化への対応です。この数年、企業では、メディアをPESO(ペソ)に4分類し、連動させる考え方が浸透しています。ここでいうペソとは、ペイド・アーンド・シェアド・オウンドの頭文字、メディア分類の名称です。広告活動はペイド、広報活動はアーンドに属し、ソーシャルメディア上の拡散(シェアド)や運営(オウンド)が組み合わされます。ウェブ、ブログ、SNS、ネット動画、デジタル放送などデジタル化したメディアにより読者・視聴者の属性や導線が、データとして見えるようになりました。企業は、デジタルツールを使ってデータを施策に活かし、投資効果を最大化するペソ連携を手掛けます。

ペソ議論の難点は、広告の有無で、方向性が変わる点です。おカネで露出を買う広告は、情報価値で露出を促進する広報と、区別が明確です。しかし現状では、広告がPRと偽り読者・視聴者をだます問題が解消されていません。さらには、広告を出さない多くの企業でペソ議論が成立しません。全社の情報体系を担うPRが、ペソ体制をけん引するにはまだ至らず、ペソメディア議論そのものがまだまだ発展途上です。

Kazuko Kotaki
企業コミュニケーション体系

  • 社会を変える、マーケティングと会社の全体像を考えよう

以上のPRの課題を意識しながら、昨年からボランティア運営しているテクノロジー・ネットワークの年次イベントを企画しました。この団体は、テクノロジーに携わる人が組織や立場の壁を越えてつながり、人の役に立つテクノロジーの発展、その社会活用、非認識課題の発見を目指す集まりです。今年のテーマは「デジタルマーケティング」。年末年始の投票で決まったため、テクノロジー・ネットワークならではのイベント切り口を模索してきました。

そこで外せないのが、マーケティングの本質、デジタル化による変革を、最先端の現場で実践し実績を作ってきた数少ないプロの問題意識です。デジタルマーケティングという言葉も流行を過ぎ定着していますが、何ができ、何ができていないのか。さらに、デジタルマーケティングを構成するテクノロジー提供者の立場から見たトレンド、生活者目線に落とし込む事例を並べ、オムニバス形式で、複数の視点を投げかける会にします。顔の見える少人数で、質疑応答や懇親会も設けます。デジタルマーケティング・トークセッション「あなたの知らないデジマの世界」は、9月11日19時〜銀座(中央区銀座7-2-22同和ビル3F (共同PR会議室))で開催予定です。

ここで考えたいのは、デジタル社会の中で、マーケティングがあるべき姿とは。それは、PRを含む会社の全機能が、相互補完的に結合されているべきです。そしてマーケティングを推進する会社、そこに関わる個人の全員が、社会を豊かにする。それをそれぞれの立場で実現する道を考えます。

9月11日、16年前には世界情勢を変えた同じ日に開催する会が、参加者の皆さんのデジタルマーケティングの世界を前進させる、有意義なものになるよう鋭意準備中です。