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アップル対サムスン裁判:なぜ前回と比較して賠償金額が大幅減なのか?

2014年05月04日 00時42分 JST

北カリフォルニア連邦地裁で行なわれているApple対Samsungの特許侵害訴訟の陪審員評決が出ました(参照記事)。サムスンの特許侵害が認められ、1億2000万ドルの賠償金支払が命じられました。一方、アップル側による特許侵害も認められ、これに対しては15万8000ドルの賠償金支払が命じられました。なお、これは陪審員による評決なので、後に裁判官による判決が行なわれることになります(金額が多少変わる可能性もあります)。

一応、アップルの勝ちとは言えるのですが、元々20億ドルという巨額な賠償金を請求していたことから考えるとその6%しか得られなかったことになります。また、(賠償額はわずかとは言え)アップルによるサムスンの特許侵害が認められたのもイメージ的なダメージは大きいと言えます(FOSSPatentによると、世界中で進行中のアップル対サムスン特許訴訟において、非標準必須特許でアップル側の侵害が認められたのは初めてのケースであるそうです)。

北カリフォルニア連邦地裁の1回目の訴訟では、アップルが約10億ドルの賠償金を勝ち取りましたが、それと今回とでは大きな差があります。これは、前回の訴訟では意匠権が賠償額に大きな影響を与えていたためです(日本の報道だと米国の”design patent”も特許と訳されることがあるのでわかりにくいですが)。米国の特許法では、意匠権の侵害では侵害者が得ていた利益を全額賠償金として請求できる制度があるので、賠償金が巨額になりやすいようです。今回は意匠権は対象になっておらず、(狭義の)特許権5件(参照過去記事)が対象になっているので、このような結果になったようです。

最終判決はまだどうなるかはわかりませんが、サムスン的には負けは負けだが一安心といったところではないでしょうか?ひょっとすると、アップルの言い値で和解しなくてよかったわと思っているかもしれません。

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(2014年5月3日「栗原潔のIT弁理士日記」より転載)

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