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天野先生の講演会:「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」が大事

2014年12月27日 22時47分 JST | 更新 2014年12月27日 23時20分 JST

御用納めの金曜日、2014年のノーベル物理学賞を受賞された天野浩先生の講演会が、東北大学多元物質研究所と、東北大学「知のフォーラム」の事務局である知の創出センターの共同主催により、仙台市民会館で開催されました。開場は高校生を中心とした市民で満員御礼。(画像は上記専用HPのものを拝借しました)

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まず、東北大学金属材料研究所教授 松岡隆志先生が「白色LED光源の発光原理、開発経緯、そして、その意義」という講演を前座でなされたました。松岡先生ご自身も、青色発光LEDの開発の一翼を担った方でもあります。

続いて、天野先生の登場! お話の前半は「10月7日から12月16日まで」に起こった出来事を画像とともに紹介されました。曰く「あなたがもしノーベル賞を受賞したら、どんなことが待ち構えているのかの予備知識として」とのこと。何度も「講演や王室主催晩餐会では英語で話さなければならないので、英語の勉強は大事」と繰り返されました。また、大学生の企画がいろいろあって素晴らしいと思ったこと、ストックホルムの高校を訪れた際に、数学の授業でグループワークをしていたのが印象的だった、とも。

後半のご自身の研究についての部分では、「高校時代から<社会に貢献したい、社会を変えるようなことがしたい>という気持ちが強かった」ことから始まり、卒業研究から修士課程の間に「1500回失敗した」というエピソード、それを克服するきっかけとなった「偶然」と「先輩の話」について話されました。

その後、東北地方の10名の高校生(うち女子は4名)とのトークセッションとなりました。高校生たちは皆、「将来、研究者になりたい」、「素粒子物理学に興味がある」、「SSH校で科学部所属」など、アカデミック意識の高い生徒さん。天野先生への質問では「実験を失敗したときに、どうやったらモチベーションを保てるのですか?」、「研究者になるためにはどうしたら良いですか?」など。

天野先生からの答えとしては、「<何になりたいか>よりも、<何を成し遂げたいか>が大事」とのことでした。以下、天野語録です。

「自分は研究者だと思ったことはない。ただ、青色発光LEDを作れば世界を変えられると思ってやってきた」

「失敗を恐れるのではなく、条件を変えたらどんな結果が得られるのかを楽しめばよい」

「目の前のことに集中すること、そうすると<アンテナ>が立って敏感になり、<ひらめき>を得ることができる」

「何よりも<完成した・成功したイメージ>を描くのが大事」

「<不可能>はうまくいかない人の<言い訳>だったりする。まだ試していない条件は何か粘って探せばよい」

集まった多数の高校生たちは、きっとそれぞれ何かを掴んでもらえたのではと思います。講演会終わって外に出ると、市民会館目の前の定禅寺通りは光のページェント。60万個のLED電球がケヤキ並木に輝いていました。

(2014年12月27日「大隅典子の仙台通信」より転載)