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リーガルハイが半沢直樹を超える可能性をTwitterから考えてみる(そして安堂ロイドはどうなのかも)

2013年10月15日 14時42分 JST | 更新 2013年12月14日 19時12分 JST

このブログでは、クールごとにドラマの分析をTwitterを通して試みている。そんな中、『半沢直樹』のブームはまるで台風のようだった。ドラマ界に新しい風を吹き込んだかのような特別な現象だったと思う。この秋のクールではその影響が何か出るのかどうか。そして何より、同じ堺雅人が主演する『リーガルハイ』の視聴率は伸びるかどうかも気になるところだ。

『半沢直樹』が最終回で42.2%という大きな記録を残した後、『リーガルハイ』第一話は21.2%という高視聴率だった。『半沢直樹』の第一話は19.4%で、それを上回る数字。そうすると、『リーガルハイ』は最終回で42.2%を超えるのだろうか?ちなみに『半沢直樹』最終回を見た人がかなり『リーガルハイ』を見たそうだ。去年の『リーガルハイ』は10%代前半だったので、元々のファンに『半沢直樹』視聴者が上乗せされたのだろう。テレビ局が違う2つのドラマの間で、極めてユニークな現象が起こったことになる。

さてここで、Tweet数を見てみよう。『半沢直樹』はTweet数でも記録的な多さだった。その勢いは『リーガルハイ』に引き継がれただろうか?

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(※両ドラマともタイトル名を含むTweetの日ごとの件数)

これがなんと!Tweet数では『半沢直樹』最終回を『リーガルハイ』が超えてしまっているのだ。ちょっと驚きだ。ここでは、勢いが引き継がれたことが、視聴率よりはっきり出ている。

では『リーガルハイ』を見た人は、Twitterでどんな反応を示したのか。

何度か書いてきたが、このブログではTweetをテキストマイニングにかけてドラマの"感情分析"を試みている。放送中のTweetを、好意好感(好き、いい、かわいいなどフラットな褒め言葉)を示すもの、高揚興奮(すごい、面白い、素晴らしいなど強い感情を表す言葉)を示すもの、否定(つまらない、イヤだ、嫌いなど否定的な言葉)を示すものの3種類に分類し、それらが全体の中で何%かを見るのだ。

例えば、『ショムニ2013』と『半沢直樹』の第一話を比べて見たものがこれ。

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『ショムニ』のように、好意好感も高揚興奮もそれなりの数値になるのが一般的なドラマ。一方、『半沢直樹』は「高揚興奮」の数値が突出している。これほどの偏りは珍しい。「面白い!」というつぶやきの多さの表れだ。『ラストシンデレラ』でも似た形になったので、興奮度が極端に高いと視聴率は上向く、のかもしれない。

では『リーガルハイ』はどうだろう。

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こんな感じだ。比較しやすいようにさっきのと目盛を合わせてある。

『リーガルハイ』も『半沢直樹』と同じように"興奮型"だということがわかる。ただし、『半沢直樹』ほどの極端さはない。

『リーガルハイ』のどのシーンで"興奮"が高まるか、放送時間中の時系列で見てみたグラフがこれだ。

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(※グラフをクリックすれば大きな画像で見られる)

盛り上っているのは「き・み・じゃ・な・い」「磯野家ネタ」「暴れん坊将軍」「八つ当たりだ!」などネタの登場時だ。このドラマはネタ満載だが、tweet上にはっきり反応が現れたのが上記の4つのタイミングだということだ。中でも『半沢直樹』の決めゼリフをもじった「八つ当たりだ!」は放送後もバズっていたようだ。

ではこの秋の他のドラマはどうなのか。感情分析を試みたらどれも意外に興奮度が高かった。

まずは『ダンダリン』『東京バンドワゴン』の2つ。

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『ダンダリン』は興奮度が23%と、『リーガルハイ』と同レベルだ。実際、見るとかなり面白い。ブラック企業を労働基準局の型破りな女性が追求するという、時代性の高い企画。だが『リーガルハイ』の裏なので隠れてしまっているのがもったいない。『東京バンドワゴン』はどこか懐かしいにおいのホームドラマでじんと来る内容。グラフでも好感度が高く出ている。

意外なのが『クロコーチ』。

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興奮度が高い。高すぎると言いたいくらい高い。30%を超えたのは初めてかもしれない。確かに奇妙なドラマで主人公・黒河内のキャラクターがつかめないのが興味をそそる。だったら視聴率は伸びるのか?

そして『安堂ロイド』。『半沢直樹』の後番組で、鳴り物入りのキャストと、キテレツな企画で話題になっていた。

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興奮度24%で、『リーガルハイ』と同レベルだ。Twitterをウォッチしていると、賛否両論巻き起こっていた。徹底的にネガティブな反応を示す人が多い一方で、評価する人は強い評価を示している。まあ、言ってみればネット民の支持を集めているのだろう。SFであり、アニメっぽくもあり、ネットとの親和性が高いのかもしれない。

ということで、まだ出そろったわけではないが、秋ドラマは興奮度の高い、今後が楽しみなものが多い。とくに『リーガルハイ』と『安堂ロイド』はそれぞれ『半沢直樹』の余波で注目を浴び、視聴率的にも話題をつくりそうだ。ただし、上でもみたように"興奮度"が高いとは言え『半沢直樹』ほどではない。あそこまでの"大ヒット"にはならないかもしれない。

さてこのクールは、今週はじまるものでもうひとつ、注目すべきドラマがある。木曜21時の『ドクターX』だ。これはテレビ朝日で去年放送され、あまり話題にならなかったが視聴率が非常に高かったのだ。最終回では24%に達した。

このドラマでも去年の第一話で感情分析を試みていた。それがこれだ。

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興奮度が27%と、異様に高かったのだ。この興奮をこのクールでさらにヒートアップできれば、視聴率的にも期待できるはずだ。ひょっとしたら『リーガルハイ』や『安堂ロイド』より高くなるのかもしれない。

というのは、視聴率にとって年配層の支持が欠かせないからだ。あれだけ話題になった『あまちゃん』が視聴率では『梅ちゃん先生』にかなわなかったのだが、それも年配層の数字がとれたかどうかが大きいようだ。『半沢直樹』を気に入った年配層が『リーガルハイ』を見たら主人公のキャラが180°ちがってがっかりしたかもしれない。日曜21時のTBS枠を楽しみにしてきた年配層は『安堂ロイド』のあまりの斬新さに引いたかもしれない。

それに比べると、『ドクターX』は年配層も安心して見られる医療もの。去年もよかったし今年は最初からもっと見ようと待ちかまえているだろう。そこに若い層が上乗せされたら大きく伸びる可能性はあるだろう。

などなど、いろいろ考えたり予測したりしつつ、何よりそれぞれのドラマを視聴者として楽しみたい。このクールは毎回見たいものがたくさんある!もちろん、この分析も追ってまた書いていきたい。

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コミュニケーションディレクター/コピーライター/メディア戦略家

境 治

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(※この記事は、2013年10月15日の「クリエイティブビジネス論〜焼け跡に光を灯そう〜」から転載しました。)